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建築家に学ぶ、良いデザインとは

施主の個性をそのまま住宅に。建築家がデザインに込める思い

建築家の羽田さんが作る家には、施主の個性が住宅の至るところにちりばめられています。施主が織り成すライフスタイルを表現した家とは、どのようなこだわりを持ってデザインしているのでしょうか。そしてそこに込めた思いとはどんなものでしょうか。

建築家 羽田 彩乃
THIS ONE DESIGN OFFICE

1988年に山口県で生まれる。2011年、安田女子大学生活デザイン学科を卒業。2011年にハウスメーカー勤務を経て、2014年にTHIS ONE DESIGN OFFICEに入所。
羽田さんの考える住宅とは、「生活の器」です。
住宅とは床や壁などの物質的な要素の集合体ではないと羽田さんは言います。食事や睡眠といった日々の生活行為の受け皿であり、また何かの行為をするための状況づくりをする装置でもあります。住む人がどのような生活をするのか、どのような行為をするのかによって住宅も様々な個性を持ちます。その個性を活かせるようにデザインをし、表現することで住み手にとってより良い住まいを提供できると羽田さんは考えています。デザインも間取りも個性にあふれた羽田さんの住宅は、こうした理念から生まれているのです。

玄関のある西側の面。額縁の中に玄関が飾られているイメージをもってデザインされています。写真を飾ることが趣味の施主が幸せを感じられる玄関になっています。

思い出を飾る額縁の家

サイズの異なる四角が組み合わさった個性的な外観。この「スクエアな外観」がこの家のチャームポイントです。
道路に面している北側と西側どちらから見ても、本体・下屋・窓の大小さまざまな四角がバランスよく見えるように配置されています。外壁面が広い北側は窓の数を出来る限り減らして規則正しく並べることで主張を抑えています。こうすることで、ダークブラウンの外郭に視線が行くように設計されています。窓のない面が広いとボリューム感が増し、本来のサイズよりも大きく見える効果があります。
玄関ポーチのドアの正面部分に開けられた穴は、額縁をイメージしています。そして同じ面の外壁に配置された正方形の窓は、壁に複数の写真を飾っている様子を表しています。家族の写真をプリントして飾るのが趣味という施主の個性を活かし、「写真を飾る」という行為を窓や玄関を額縁に見立てることでデザインに取り入れました。
この家で家族とのたくさんの思い出を撮り貯めていって欲しいという、建築家の思いが込められているのです。

建具を最小限に抑えた広いキッチンとリビング。動線に配慮したキッチンとプライバシーをしっかり確保したリビングは、住み手の生活をより快適にする工夫がなされています。

開放感を体で感じられる間取りの工夫

部屋を仕切る役割の建具をなるべく減らし、代わりに部屋の配置を工夫することで空間を仕切っています。水回りは快適に家事ができるよう回廊型にして、ストレスのない家事動線を実現。また、建具がなくても位置関係に配慮することで、パブリックな空間から収納スペースなど裏側への視線を遮断できるようにしています。
仕切りを減らすメリットのひとつは、部屋を広く使えることです。広々と開放的なリビングは、子供たちが走りまわって遊んだり、家族みんなでゆったり寛ぐのにぴったりな空間です。白く広い壁に、施主の趣味である写真をたくさん飾ることもできます。
家族の個性に合わせた家づくりのこだわりがここにも感じられますね。

回廊型の間取りを取り入れた2階部分。人と空気のスムーズな流れを作ります。南側の明るいスペースは将来子供部屋として間仕切る予定。家族の将来を見据えた設計が施されています。

家族とともに自由に変化する家

2階にも、キッチン回りと同様の回廊型の間取りとしています。スペースを広めにとり大きな窓を設けることで明るく風通しもよくなり、人も空気も行き止まることなく回れるように。
南に面した広い空間は将来的に2つに仕切り、子供部屋として使う予定です。
子供が小さいうちは、親の目が行き届き広々と遊べる多目的スペースとして。成長したらプライバシーを確保した勉強部屋として。
子供の成長によってリフォームすることを見据え、窓の配置などにも気を配りました。
家族の変化や成長に合わせて変化させることのできる、柔軟性の高い間取りになっています。住み手の思いと家族のストーリーを感じることのできる住宅です。

まとめ

建築家の羽田さんによるデザイン住宅にはたくさんのこだわりが感じられますね。施主のライフスタイルがデザインで表現された住宅、いかがでしたでしょうか。皆様の家づくりのお役にたてれば幸いです。

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