数か月前、我が家に小さなオリーブの木がやって来ました。早速育て方を調べて、沢山の実がなったら食べられるかしら、と花より団子の下心を滲ませつつ、毎日せっせと水やりをしてきました。
実家の庭は、母の程よい手入れの甲斐がありいつも花と緑で溢れています。春になると毎年アゲハチョウがどこからともなく訪れ、ミカンの葉に卵を産み、幼虫から蛹になるまで見守るのが私の楽しみになっています。
そんな緑溢れる庭を夢見て、これまでローズマリーやミントなど数々の育てやすいと評判の植物を植えてきましたが、恥ずかしながらことごとく枯らしてしまいました。どうやら私は、母のグリーンハンドを受け継ぐことはできなかったようです。それでもあきらめずに、新しい植物との出会いがあれば今度こそはと挑戦し続けています。
ところでオリーブの木は私の心配とは裏腹に、今のところ順調そうに育っています。
今は鉢植えの中ですが、もう少し大きくなったら裏庭のロウバイの横に植替えができるでしょうか。幾年か過ぎたら、街で見る大きく枝を広げて涼し気にそよいでいるあの木のようになるのでしょうか。いつか小豆島で見た、たわわに実った青磁色にも映るあの沢山の実を、我が家で眺めるチャンスがあるのでしょうか。
日増しに大きくなる期待を胸に先日ふと思い立って、今さらながら写真に収めた葉の画像で品種を検索してみました。形状からシルベストリスという品種で間違いなさそうです。そして一通りの説明を読み進めた最後になんと、「このオリーブは実がならない鑑賞専用となります。」と衝撃の一文が。期待しすぎた自分の滑稽さに苦笑しつつ、今日も庭の片隅でオリーブを愛でるのでした。(編集部 K.H.)