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デザインのヒント

注文住宅で使える外壁種類一覧!後悔しない選び方のポイントは?

更新日 2025.12.15 / 公開日 2025.12.12
#注文住宅 #新築 #一戸建て #マイホーム #外観

外壁種類の選びで後悔しないためには、家づくりをする地域の環境を確認することから始めましょう。その上で、デザイン、性能、トータルコストに着目することが大切です。今回は、注文住宅を建てるときにこだわりたい外壁の特徴を紹介します。メンテナンス性やコストについても詳しく解説しますので、マイホームの外壁選びで迷った際にはぜひ参考にしてください。

窓が並ぶベージュの外壁の家
目次
ブラックの外壁の住宅
2C-R-022(R3003904)011.jpg 397.53 KB
外壁は、住まいの第一印象を決める大切な要素です。美しい外観を演出する外壁材は、さまざまな種類から好みに合ったデザインが選べることも特徴です。
さらに、外壁は自然環境や災害から家族の暮らしを守るため、大変重要な要素です。風雨のみならず、日射、熱、冷気、騒音などを防ぐために外壁は役立っています。外壁の選び方次第では、防火性能や耐震性能の向上も期待できます。このように、外壁の役割について知った上で、デザイン性や性能を考慮しながら家づくりを進めることが重要です。

>>参考コラム:外観がおしゃれな注文住宅の施工事例をタイプ別に紹介!
>>参考コラム:おしゃれな家の外観の特徴とは?真似したくなる家づくりのヒントを解説
外壁は通常、壁の下地に引っ掛けたり貼ったりする形で施工されます。工法は、「乾式(かんしき)工法」と「湿式(しっしき)工法」の2種類です。注文住宅でよく使われる外壁はどちらの工法で施工されているのでしょうか?分かりやすく表にしました。

乾式工法 湿式工法
窯業系(ようぎょうけい)サイディング
金属サイディング
ALCパネル
タイル
モルタル
漆喰
タイル


従来タイルは湿式工法で施工されてきましたが、昨今は目地なしのタイルも普及し、乾式工法でも施工できるようになりました。
ここからは、乾式工法と湿式工法について詳しく見ていきましょう。
現代の家づくりで主流となっている乾式工法は、断熱材の上に設置した下地材に専用の金物を打ち付けた後に、外壁材を引っ掛ける形で取り付けていく方法です。天候に影響されずに施工できるため、比較的工期やコストを抑えやすく、メンテナンスが容易な点も特徴です。また、施工に高い技術を必要としないため、品質が担保されやすい点もメリットといえるでしょう。
現場で外壁材を調合し、下地材の上から塗って仕上げる湿式工法は、日本で古くから使われている方法です。乾燥が必要なため天候に左右されやすく、工期やコストがかかる傾向にあります。職人の手仕事のため、経験や技術が必要となりますが、素材の風合いが感じられる仕上がりが大きな魅力です。乾式工法と比べると、自然素材などにこだわることが可能で、高級感が演出できます。さらに、モルタルでタイルや石を貼り付けるなど、デザインの自由度が高いことも特徴のひとつです。
シンボルツリーが印象的な外観
写真③静岡県_シンボルツリーが印象的な外観-min.jpg 468.67 KB
次に、外壁材ごとの特徴を詳しくお伝えします。後悔しない外壁選びのために、それぞれの性能やメリット・デメリットについて確認しておきましょう。
セメントと繊維を混ぜてつくられる板状の外壁材が、窯業系サイディングです。施工のしやすさや高いコストパフォーマンスから、住宅の外壁材として高いシェアを誇ります。窯業系サイディングは、R+houseでは採用しませんが、石調や木目調、レンガ調などさまざまなデザイン・カラーバリエーションがあり、選択肢が豊富です。加えて、耐震性や防火性、耐久性、耐風圧性などに優れていることもメリットです。一方、重量で建物に負荷がかかりやすい点や、定期的なメンテナンスが必要になる点は考慮する必要があります。
断熱材を芯にして、ガルバリウム鋼板やアルミニウムで表面を仕上げたものが金属系サイディングです。水を通さないため凍害に強く、軽くて耐震性が高いことが特徴といえます。金属を使用しているにも関わらず、断熱性が高い点も大きなポイントで、リフォーム時に人気のある外壁材です。衝撃には強いものの、窯業系サイディングと比べると初期費用が高くなる可能性のある点や、傷がつきやすいことがデメリットです。また、海に近いエリアではサビの対策が欠かせません。
R+houseでは、シャープなラインが印象的な金属系サイディング「SP-ビレクト」が採用可能。好みのカラーが選べる上、防汚機能でメンテナンスが容易である点が魅力的です。
ALCとは、「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略語で、高温・高圧の蒸気により製造された軽量気泡コンクリートを板状にした外壁材です。珪石(けいせき)やセメント、生石灰などを原料としています。従来、ビルや商業施設に使われることがほとんどでしたが、その防火性や断熱性、遮音性の高さから住宅に採用されることも増えています。しかし、性能が優れている反面、コストがかさむ点には注意が必要です。サイディングと比べると、コストが大幅にアップするでしょう。
石や土などの自然由来の素材を高温で焼き固めているタイル。天候や環境による劣化や変質が少ないことが特徴で、傷もつきにくく、資産価値が保ちやすいといえるでしょう。タイルの凹凸による陰影が印象的で、建物に高級感を出してくれます。初期費用が高価な一方、メンテナンス費用を抑えられるため、長期的に考えるとコストパフォーマンスがよい点も嬉しいポイントです。なお、湿式工法により仕上げられたタイルは、職人の技術により品質に差が出たり、地震の揺れによる落下の危険性があったりするため気を付けましょう。
セメントや砂、水を混ぜ合わせたモルタルは、1990年以前の日本の住宅では主流の外壁材でした。下地材に金属製の網を張ってモルタルを密着させ、最後に仕上げ材を吹きつけたり塗りつけたりして完成させます。職人の手作業による自然な風合いと、サイディングのように継ぎ目がなく美しい仕上がりが特徴です。しかし、工期がかかる上、ひび割れしやすく、陰になる面ではカビやコケが発生しやすいことが懸念点です。
R+houseで採用している仕上げ材のひとつに、「スタッコフレックス」があります。防水性・透湿性に優れ、ひび割れに強い仕上げ材です。テクスチャーの選択肢が多く、お施主様の好みに合わせて外壁を演出できます。
石灰・水・つなぎ材を混ぜてつくる漆喰は、モルタルと同じく下地材の上に塗りつけるタイプの外壁材です。天然素材が使われているため、調湿作用があり、表面仕上げのバリエーションが多いことも長所といえるでしょう。洋風・和風どちらのテイストの住宅にも向いています。モルタルに比べコストはかかりますが、耐久性や防カビ効果も高く、温かみのある風合いが長持ちすることが魅力です。
住宅リフォーム・リノベーションのイメージ
写真④住宅リフォーム・リノベーションのイメージ.jpg 62.53 KB
外壁選びの上で、メンテナンス性の確認は不可欠です。ここでは、マイホーム入居後、必要となる外壁の補修について解説します。
日常的な清掃や軽微な補修に加え、外壁にはどのようなメンテナンスが必要となるのでしょうか?以下の表にまとめました。

メンテナンス 目安の周期 該当する外壁
塗り替え 10~15年 窯業系サイディング
金属系サイディング
ALCパネル
モルタル
漆喰
コーキング材の増し打ち・打ち替え 5~10年 窯業系サイディング
金属系サイディング
ALCパネル
目地のあるタイル


注文住宅でよく用いられる外壁は、再塗装やコーキング部分の補修が必要になるため、メンテナンス性を考えた外壁選びが重要です。昨今は機能性を高め、35~40年程度再塗装が必要ないとされているサイディングや耐久性の高いコーキングや工法もあります。
ここからは、外壁の主な補修方法と、注意したい劣化の兆候をご紹介します。

塗り替え

サイディングやALCパネル、塗り壁で必要なのが塗り替えのメンテナンスです。外壁の塗装は経年劣化して性能が落ちてくるため、目安として10~15年ほどで塗り替えが必要になります。塗り替えを行うことで、外壁を守り、耐用年数を延ばすことにもつながります。なお、使用する塗料によって性能や耐用年数は変わるため、劣化状態を専門会社に確認してもらった上で検討しましょう。色褪せや剥がれ、手で触った際に粉がつくチョーキング、塗り壁のひび割れを発見した際には、塗り替えの検討をおすすめします。

コーキング材の増し打ち・打ち替え

コーキング材の補修は、サイディングやALCパネル、目地のあるタイルで必要でとなります。外壁の目地に充填され、地震の揺れやサイディングの膨張による衝撃を和らげたり、建物を風雨から守ったりする役割のあるコーキング。劣化すると硬くなり、防水性や耐久性に影響が出てしまうため、5~10年ごとに補修が必要です。補修には、コーキングを充填する「増し打ち」、コーキング材を撤去して新しいものを入れる「打ち換え」があります。ひび割れや変色、剥がれなどが見られた際には、周期の目安に関わらず、コーキングのメンテナンスを検討しましょう。
計算機と家と円マーク
写真⑤計算機と家と円マーク-min.jpg 92.38 KB
外壁の特徴や性能、メンテナンス性を理解した上で、ここからは費用面についてチェックしていきましょう。
1㎡あたりの費用と耐用年数の目安を外壁の種類ごとに表にまとめました。

外壁の種類 費用の目安(1㎡あたり) 耐用年数の目安
窯業系サイディング 5,000~9,000円 20~40年
金属系サイディング 5,000〜10,000円 20~40年
ALCパネル 7,000〜15,000円 40年60年以上
タイル 7,000〜50,000円 30〜50年
モルタル 7,000〜12,000円 30年程度
漆喰 6,000〜8,000円 100年以上
 ※メンテナンスが必要な場合あり


一般的に、耐用年数が長い外壁はコストが高くなる傾向にあります。また、同じ外壁でも、デザイン性や耐久性、機能性が高いものほど費用が高くなるでしょう。外壁選びでは、初期費用だけでなく、入居後にかかる費用を含めたトータルコストも考える必要があります。
では、実際に外壁選びによって左右されるコストとはどのようなものなのでしょうか?ここでは、トータルコストを考える際に大事な要素を3つご紹介します。

初期費用

外壁の初期費用には、材料費に加え、施工費も含まれることを知っておきましょう。なお、施工にあたり表面の塗装や保護が必要になるケースもあるため、注意が必要です。今回ご紹介した外壁材の中では、ALCパネルやタイルの方が、サイディングやモルタル・漆喰などの塗り壁より初期費用が高くなる傾向にあります。

メンテナンス費

外壁のメンテナンス周期と必要な費用は必ず確認しておきましょう。初期費用が抑えられる外壁でも、メンテナンスが頻繁に必要になるケースがあります。そして、外壁の劣化には、耐用年数や耐久性が関係します。外壁材そのものだけでなく、目地のあるサイディングは、コーキング部分の劣化によるメンテナンスも必要です。

光熱費

外壁の断熱性能は、マイホーム入居後の光熱費に影響するため、見逃せない重要なポイントです。金属系サイディングやALCパネルなど、断熱性の高い外壁を使うことで冷暖房費の削減が期待できます。また、断熱性の高い塗装を用いることもひとつの方法です。
POINTブロックと筆記用具
POINTブロックと筆記用具.jpg 88.89 KB
ここまでの情報を踏まえ、注文住宅を建てる際に失敗しない外壁の選び方をお伝えします。
まずは、住宅を建てるエリアが防火地域、または準防火地域に指定されているかに加え、気候について確認しておきましょう。マイホームに耐火構造・準耐火構造が必要となる場合、外壁も耐火性が高いものを選ばなければなりません。また、雨が多かったり風が強かったりする地域では、吸水性の低さ・耐久性の高さに注目して外壁を選ぶとよいでしょう。
外壁は、住まいの印象を左右する大事なポイントです。あらかじめ理想のテイストを決め、屋根を含めて使用する色は3色までに抑えるなど、全体のバランスを考えましょう。外構や、玄関扉・窓とのトータルコーディネートも重要です。テクスチャーや色のイメージをつかむためには、実際のサンプルやモデルハウスを確認することをおすすめします。
断熱性や防水性、耐火性、遮音性、耐震性などの性能に注目して外壁を選ぶと、安心して暮らせるでしょう。耐久性の高い外壁の採用は、劣化を防ぐだけでなく、台風や災害への備えにもなります。太陽光や雨水で汚れが落ちやすい機能を持った外壁もあるため、マイホームにどのような性能を求めるか具体的にイメージしておくとよいでしょう。
初期費用の安さだけで外壁を決めてしまうと、入居後のコストが想定以上に高くなる可能性があります。コストを考える際は、メンテナンス費用や、光熱費に関わる性能もチェックしましょう。
また、定期的なメンテナンスで外壁の劣化が抑えられます。コンスタントな清掃や部分補修が、暮らしのコスト削減につながるでしょう。
黒いガルバリウム鋼板の外壁と芝生の庭
写真⑦奈良県_黒いガルバリウム鋼板の外壁と芝生の庭-min-min.jpg 523.73 KB
今回は、注文住宅で使われる外壁の種類と、それぞれの特徴について詳しく解説しました。外壁選びの際は、デザインだけでなく、性能やメンテナンス性まで総合的に考慮することが重要です。
R+houseでは、タッグを組んでいる建築家が監修した、おしゃれで高性能な外壁を扱っています。お施主様のご希望やライフスタイルを丁寧にヒアリングし、最適な外壁をご提案いたします。マイホームを考え始めた方は、ぜひR+houseネットワークの工務店へお気軽にご相談ください。

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