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駐車場幅はどのくらい必要?車種別のサイズ目安やよくある失敗パターンもご紹介

更新日 2025.11.05 / 公開日 2025.11.05
#新築 #一戸建て #注文住宅 #自転車・バイク・車 #ガレージハウス #マイホーム

必要となる駐車幅(幅員)・駐車スペースの広さは、所有する車の種類によって異なります。車種や周辺環境、毎日の乗り降りの仕方を考慮して、ぴったりの駐車スペースを考えてみましょう。今回は、注文住宅で理想の駐車スペースをつくるためのポイントや、設計のコツなどをご紹介します。駐車場に関するよくある失敗例や疑問点もまとめました。注文住宅をご検討中の方は、ぜひチェックしてください。

黒の重厚感のあるインナーガレージ付きの家
目次

指示をする一級建築士
写真②指示をする一級建築士 .jpg 91.37 KB
車を持っているご家庭のマイホームづくりで欠かせないのが、駐車場づくり。悩むポイントがたくさんあるでしょう。まずは、注文住宅で理想の駐車場をつくるための、基本的な考え方から見ていきましょう。
前提として、家づくりに関するさまざまな規定が決められている「建築基準法」には、「駐車場幅が何cmでなければならない」といった、具体的な数値は定められていません。そのため、注文住宅で駐車場をつくるときには、駐車幅を決める際の法的基準として、国土交通省が定める「駐車場法」を参考にするケースが多くなっています。ただし、この法令は共同住宅(マンション)や公共駐車場における駐車場の設計・施工に関するルールであり、注文住宅を含む戸建て住宅の駐車場設置には、直接的な適用義務はありません。

加えて、注文住宅で駐車場をつくる際には、車の出入りに影響する「接道義務」(建築基準法)や、各自治体で条例や地区計画のルールが定められている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

参考元:国土交通省|駐車場設計・施工指針について
駐車場の大きさは、主に「幅員(ふくいん)×奥行」で表されます。ご自身が所有している車の「全幅(ぜんぷく)」に加えて、ドアの開閉やご家族の乗り降りのためのスぺースを確保するのが、基本的な考え方となります。ここからは、一般的な駐車幅や、駐車場のサイズ目安を見ていきましょう。

一般的な車幅と必要な幅員

みなさんは、一般的な自動車の車幅がどのくらいあるのかご存知でしょうか。一般財団法人自動車検査登録情報協会の「道路運送車両法」をみると、車幅1.7m以下の自動車が小型自動車(5ナンバー)に分類されます。そのため、一般的な普通乗用車の車幅は、約1.7mよりも大きいサイズがほとんどです。

国土交通省の定めた「駐車場設計・施工指針」によると、必要となる駐車ますの大きさ(幅員・長さ)は車両に応じて異なります。普通自動車に必要となる駐車ますの大きさを参考にすると、幅員2.5m×長さ6.0m以上とされています。しかし、幅員2.5mの駐車場は、車幅1.7mの自動車を駐車すると考えた場合、乗り降りできる幅は0.8m(片側0.4m=40cm)しかない計算です。この基準は最低限の目安として考え、ご自身の車に合わせて、しっかり幅員を検討しましょう。

参考元:一般財団法人自動車検査登録情報協会|自動車の種類

ドア開閉・乗り降りのために必要な幅

車の乗り降りや荷物の出し入れのために、必要となるドア開閉。一般的に、人が1人歩くために必要な幅は、約0.6mといわれています。お子さまの乗り降りや荷物の出し入れを考えると、最低でも「車の全幅+0.6m」、両側ドアを開けてゆったり乗り降りしたい場合は、「車の全幅+1.2m」程度の駐車場の幅を目安に考えると良いでしょう。しかし、開閉ドアが長い車や片側スライドドアの車もあるため、それぞれの車種や普段の乗り降りを想定して、必要な幅を検討するようにしましょう。

家と車の模型
家と車の模型.jpg 79.17 KB

先ほどお伝えした通り、必要となる駐車場の幅員と長さは、車種によって異なります。そして、駐車のために敷地内で車の向きを変える(後退・回転)ために設ける、「車路(しゃろ)」も確保する必要があります。ここからは、理想的な駐車場づくりのために、それぞれの車のタイプ別に必要な駐車スペースの目安を見ていきましょう。
軽乗用車の車両サイズは、幅1.48m以下、長さ3.4m以下、高さ2.0m以下です。軽自動車が必要とする駐車スペースの大きさは、下記の通りです。

国土交通省の指針 幅員2.0m×長さ3.6m
一般的な駐車スペースの目安 幅員2.4~3.0m×長さ4.3m
車路 5.0~7.0m


一般家庭でもよく所有される代表的な軽乗用車には、下記のような車種があります。

・ホンダ「N-BOX(エヌボックス)」
・ダイハツ「Tanto(タント)」
・スズキ「HUSTLER(ハスラー)」
小型乗用車の車両サイズは、幅1.7m以下、長さ4.7m以下、高さ2.0m以下です。一般的に、「コンパクトカー」とも呼ばれています。小型自動車が必要とする駐車スペースの大きさは、下記の通りです。

国土交通省の指針 幅員2.3m×長さ5.0m
一般的な駐車スペースの目安 幅員2.7~3.3m×長さ5.0m
車路 5.0~7.0m


代表的な小型乗用車には、下記のような車種が挙げられます。

・ホンダ「FIT(フィット)」
・日産「NOTE(ノート)」
・トヨタ「SIENTA(シエンタ)」
乗用車の車両サイズは、小型自動車より大きいサイズ(幅1.7m、長さ4.7m、高さ2.0mよりも大きいもの)です。普通自動車が必要とする駐車スペースの大きさは、下記の通りです。

国土交通省の指針 幅員2.5m×長さ6.0m
一般的な駐車スペースの目安 幅員2.7~3.6m×長さ5.7m
車路 5.0~7.0m


普通自動車といわれる範囲は幅広く、形状(ボディタイプ)や仕様によってさまざまな車種があります。一般家庭でよく所有されるボディタイプと代表的な車種は、下記の通りです。

ミニバン

ミニバンは、3列シートで7~8名が乗れるファミリー向けの乗用車です。車内が広く、スライドドアが搭載されているタイプも多く、車の乗り降りがしやすいため、小さなお子様がいるご家庭が所有するケースが多いでしょう。ミニバンは同じ車種でも、選ぶモデルやグレードによって区分が異なるケースもあるため、車幅の確認には注意が必要です。

・トヨタ「NOAH(ノア)」
・日産「SERENA(セレナ)」
※製造年、モデル、グレードによっては小型乗用車に分類される車種もあります。

SUV

SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)とは、スポーツ用多目的車という意味を持つ乗用車です。アウトドア好きで荷物が多い方や、お子様の送迎が多いご家庭からも人気の高い車種です。代表的なSUVには、下記のような車種があります。

・日産「X-TRAIL(エクストレイル)」
・BMW「X5(エックスファイブ)」

セダンタイプ

セダンタイプは、乗車スペースとトランクが分かれており、最もベーシックなタイプの乗用車です。車種によっては、他の乗用車よりも幅員を多めにとったほうが良いケースもあるでしょう。例えば、LEXUS(レクサス)LSは全幅1.9mと大きめなので、駐車スペースの幅員を3.0~3.6m程度確保することをおすすめします。代表的なセダンタイプには、下記のような車種があります。

・トヨタ「PRIUS(プリウス)」
・レクサス「LEXUS(レクサス)LS」
これまでご紹介した以上の駐車幅が必要なケースとしては、下記のような車が当てはまります。

・サーフボードやスノーボード、自転車、アウトドアグッズを積載できる車
 ※例:トヨタ「HIACE(ハイエース)」など
・農耕作業用の車

小型貨物車に分類される自動車は、下記の駐車スペースが必要になることがあります。

国土交通省の指針 幅員3.0m×長さ7.7m
車路 6.0~7.5m

植栽とカーポートのある庭の広い家
写真④埼玉県_植栽とカーポートのある庭の広い家 .jpg 307.29 KB
注文住宅で屋根付きの駐車場をつくる場合、カーポートとガレージのどちらかの車庫タイプを選びます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
カーポートは、柱と屋根で構成され、外壁のない駐車場を指します。外壁や後方に壁がないため、車の乗り降りと荷物の積み下ろしがスムーズにでき、設置費用も比較的手軽な価格なのが特徴的です。駐車スペースにかける費用を抑えたい方は、カーポートが向いているでしょう。
ガレージは、三方向を壁で囲まれた構造の駐車場を指します。出入り口のシャッターを閉めると、全面囲えるため、日光や雨、雪、鳥のフンから車を守れて、防犯面でも安心感の高い駐車場といえるでしょう。また、建物の一部をガレージにした「ビルトインガレージ」にすれば、雨に濡れず自宅へ入れます。

>>参考コラム:おしゃれなガレージのタイプは?実際の事例や種類・特徴を紹介

カーポートのある白外壁の家
写真⑤佐賀県_カーポートのある白外壁の家.jpg 192.97 KB
大切な愛車を守るために、屋根付き駐車場を検討する際の重要なポイントを3つご紹介します。ぜひ、駐車場づくりの参考にしてみてください。
屋根付き駐車場を検討する際には、幅員×長さだけでなく、高さも考慮しなければなりません。とくに、ミニバンやSUVは車高が高いため、屋根付き駐車場をつくる場合は、車高を確認しておきましょう。車の種類ごとの最低限の駐車スペースの高さ(全高)は、下記を目安にしてください。

軽自動車 1.75m
小型自動車 1.5m
普通自動車、セダンタイプ 1.5m
ミニバン、SUV 2.0m
カーポートの柱を建てる際には、境界線に注意しましょう。敷地内に柱を建てても、カーポートの屋根が隣地や道路に飛び出している場合、建築基準法違反になってしまいます。意図せず、カーポートの屋根に溜まった雨水や積もった雪が、隣家や道路に落下してしまうケースも考えられます。周りの道路や隣家に支障がないか、設計時によく確認しておきましょう。
今後、車の買い替えを検討している方や、お子様が成長して車の台数が増える可能性がある方は、将来的な見通しを持って駐車スペースを検討することが大切です。買い替え予定の車種が決まっている場合は、その車のサイズを確認しておきましょう。

住宅で後悔する夫婦
写真③家模型と後悔する夫婦.jpg 84.69 KB

注文住宅でのせっかくの駐車場づくり、失敗は避けたいものです。ここからは、駐車スペースづくりでよくある失敗パターンを3つご紹介します。後悔しないために、駐車スペースに関するよくある失敗とその対策を知っておきましょう。
「駐車スペースをつくったが、思ったよりも駐車幅が狭かった」というのは、よくある失敗パターンです。とくに、駐車場の「幅」が狭い場合、後悔するケースが多いようです。駐車幅が狭いと、車を何度も切り返して駐車する必要があり、急いでいるときなど、車の出し入れをする度にストレスを感じてしまうかもしれません。また、車の乗り降りや荷物の出し入れをスムーズに行うためにも、駐車スペースの幅は余裕のある設計にしておきましょう。
「前面道路が狭く、車を出しづらい」「フェンスに当たりそうで、車を入れにくい」という声もよく聞かれます。前面道路の幅、建物や外構、植栽の配置など、駐車スペースの周辺環境はよく確認が必要です。車のサイズをもとに駐車スペースを設置しても、結果的に車の出し入れがしにくい状況になってしまうケースも少なくありません。内輪差や、車の開閉ドアの開き具合まで想定して、駐車スペースのサイズを検討しましょう。なお、前面道路の幅が狭い場合は、間口はより広く設計する必要があります。
駐車スペースに使用する床材には、砂利やアスファルト、コンクリートなど、さまざまな種類があります。メリット・デメリットを把握して、ご家庭のライフスタイルに合った素材を選択しましょう。

広い駐車場のあるシンプルな黒い平屋の家
写真⑦静岡県_広い駐車場のあるシンプルな黒い平屋の家.jpg 331.43 KB
続いて、駐車場づくりでよく用いる床材や傾斜設計のポイントを詳しく解説します。
駐車スペースの床面に使用する素材は、耐久性の良いものや、ご自身の好みのデザインで選ぶと良いでしょう。また、雨が降ったときにも滑りにくい素材もおすすめです。注文住宅でよく使用される床材の特徴と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

メリット デメリット
砂利 ・施工にかかる費用が抑えられる
 ・工期が短く済む
・砂利が飛んで車のボディを傷つける恐れがある
・定期的にメンテナンス(砂利の補充)が必要
アスファルト ・水はけが良い
・車の走行音が静か
・定期的にメンテナンス(補修)が必要
コンクリート ・耐久性が高い
・メンテナンスが容易
・施工にかかる費用が高い
インターロッキング ・デザイン性が高い
・破損してもメンテナンスが容易
・施工にかかる費用が高い


例えば、砂利や土の床面は、施工にかかる費用は抑えられますが、徐々に減るため定期的なメンテナンス(砂利の補充)が必要になります。コンクリートは、丈夫で耐久性があり、日頃のメンテナンスが簡単に済みますが、工事の期間やコストはかかってしまいます。
駐車スペースをつくるときには、傾斜設計にも気をつけましょう。駐車スペースの床は、基本的には水平につくるのが基本となっています。しかし、雨が降ったときに水が溜まらないように、そして車の出し入れをスムーズにするために、急すぎず緩やか過ぎない傾斜をつけるのもおすすめです。駐車スペースに傾斜をつける場合、一般的に2%を目安にする(1m進むごとに2cm高低差をつける)といわれています。しかし、あくまでも目安になるため、駐車場の大きさや周辺環境、車種などに合わせて傾斜を設計しましょう。

Q&A
住宅とQ&A.jpg 192.51 KB

最後に、駐車スペースの幅を決める際の注意点やよくある疑問をQ&A形式でご紹介します。
A.駐車場の設計は、現在お持ちの車だけでなく、将来の車の買い替えや、お子様の成長に合わせた停め方も考慮し、ゆとりのあるサイズに設計すると良いでしょう。また、駐車場の防犯対策も検討が必要です。車の盗難被害に遭わないためにも、駐車場や周辺に防犯設備を導入しましょう。ガレージならシャッターを取りつけたり、カーポートなら防犯カメラや人感センサーライトを設置したりするのもおすすめです。
A.前面道路の幅や接し方、駐車の仕方、敷地の形によっても、最適な駐車スペースは異なります。間口が広く取れない土地や、旗竿地のような特殊な形状の土地に駐車場をつくるなど制限がある場合は、住宅会社や建築家にアドバイスをもらいながら、入念に設計を検討することをおすすめします。

R+houseネットワークの工務店では、連携する建築家たちのアドバイスによって、ライフスタイルにマッチしたお住まいと駐車スペースのご提案が可能です。現在の使いやすさだけでなく、将来的な暮らしの変化まで見据えた、こだわりの駐車スペースをデザインいたします。

テラスの風景が見える開放的な広い玄関
写真⑨神奈川県_テラスの風景が見える開放的な広い玄関-min .jpg 259.47 KB
今回は、注文住宅の駐車スペースをつくる際のポイントや、よくある失敗パターンなどをご紹介しました。R+houseネットワークの工務店では、デザイン性と機能性を兼ね備えた、賢い家づくりにこだわっています。予算や敷地の条件に合わせて、ぴったりのプランをご提案いたします。新築の注文住宅を検討している方は、ぜひ一度、R+houseネットワークの工務店までお気軽にご相談ください。

>>マイカーにぴったりな駐車スペースのある注文住宅も叶う!R+houseのデザインについてはこちら

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