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注文住宅の基礎知識

防火地域・準防火地域とは?家を建てる際の制限やメリット、デメリットなど

更新日 2026.06.05 / 公開日 2024.03.14
#新築 #注文住宅 #マイホーム #一戸建て

防火地域・準防火地域という言葉をご存じですか?防火地域や準防火地域の指定エリア内に家を建てる場合、建築基準法によって材質や工法に制限があります。そこで今回は、防火地域と準防火地域はどのような場所なのか詳しく解説します。制限内容やそのエリアに家を建てるメリット・デメリットも紹介するので、ぜひ最後までチェックして家づくりや土地選びの参考にしてください。

木目がおしゃれなバルコニー

消防隊員による放水による消火訓練
写真②消防隊員による放水による消火訓練-min.jpg 88.32 KB

防火地域と準防火地域とは、火災の被害が拡大するのを防ぐために定められている区域のことです。防火地域の目的は、耐火建築物によって火災から地域を守ったり、燃え広がるのをせき止めたりすること。そして準防火地域は、防火性能を高めて、延焼を防いだり延焼速度を遅くしたりして消火活動を助けることが目的です。指定エリアは主に、駅前や建物が密集した地域や、幹線道路沿いです。

火災を防ぐための指定地域は、防火地域や準防火地域の他にも建築基準法第22条指定区域、いわゆる「法22条区域」があります。法22条区域指定エリアの多くは、防火区域を囲むように指定されている準防火区域の、さらにその周りです。

防火地域・準防火地域の建築物は、火災に強く安心ですが、家づくりの際には制限があります。そのため、制限の内容をしっかりと理解してから家づくりをスタートするようにしましょう。

白い外壁のスッキリとした家
写真③静岡県_白い外壁のスッキリとした家-min.jpg 599.99 KB

防火地域や準防火地域に家を建てる場合、広さや階数によって異なる制限があります。さらに、東京都では新たな防火規制区域の建築制限も設けられているので、注意しましょう。ここでは、それぞれの建築制限とその内容について詳しくまとめたので、参考にしてみてください。
防火地域では、看板や広告塔などの工作物が高さ3mを超える場合や建築物の屋上に設けるものは、主要部分を不燃材料で造るまたは覆う必要があります。

建築制限は以下の表にまとめました。
階数\延床面積 延床面積50㎡以下 100㎡以下 100㎡超
4階以上 耐火建築物 耐火建築物 耐火建築物
3階建 耐火建築物 耐火建築物 耐火建築物
2階建 45分準耐火建築物 45分準耐火建築物 耐火建築物
平屋建 防火構造(外壁・のき裏)※50㎡以下の附属建築物 45分準耐火建築物 耐火建築物


参考元:国土交通省|建築基準法制度概要集

建築制限で規定される建物について

耐火建築物とは、壁・柱・床・はり・屋根・階段といった主要構造部が耐火構造になっている建築物です。一般的な火災発生時と鎮火後に周囲に損傷が生じない構造を耐火構造といいます。準耐火建築物は、主要構造部が準耐火構造になっています。準耐火構造とは一般的な火災発生時に火元から他に燃え広がらないようにする構造のことです。
耐火構造・準耐火構造はどちらも試験などで性能を確認し、国土交通大臣の認定を受けている必要があります。一般的に、鉄筋コンクリート造や鉄骨造が多いですが、近年では木造での耐火建築物の施工が可能になっています。

また、防火構造とは、建物周辺での火災で火が燃え移らないよう一定の防火性能を備えている構造のことです。主に、屋外側にモルタルを塗ったりガラスウールなどの不燃材料を使用したりしています。防火構造の工法も、国土交通大臣の認定が必要です。
外壁やのき裏で延焼の恐れのある部分は、防火構造にしなければなりません。また、附属する高さ2mを超える門や塀も延焼の恐れがある部分を不燃材料で造るまたは覆う必要があります。

建築制限は以下の表にまとめました。

階数\延床面積 延床面積500㎡以下 500㎡超1500㎡以下 1500㎡超
4階以上 耐火建築物 耐火建築物 耐火建築物
3階建 定の防火措置 45分準耐火建築物 耐火建築物
2階建 防火構造(外壁・のき裏)※木造建築物の場合 45分準耐火建築物 耐火建築物
平屋建 防火構造(外壁・のき裏)※木造建築物の場合 45分準耐火建築物 耐火建築物


参考元:国土交通省|建築基準法制度概要集
準防火地域と防火地域には、両地域共通の制限もあります。一つ目は、火災が火元から他の建物に移る恐れがある窓や玄関・勝手口などに、防火戸または政令で定める防火設備を設けることです。二つ目は、建築基準法第63条にて隣地境界線に接して設置できると定められています。民法234条では、境界線より50cm以上距離を取る必要があると定められていますが、耐火構造の外壁の場合その必要がありません。

参考元:国土交通省|建築基準法制度概要集
参考元:e-Gov法令検索|民法
参考元:e-Gov法令検索|建築基準法
東京都建築安全条例第7条に基づいて指定された新たな防火規制区域です。東京都知事が指定した災害時の危険性が高い地域にて、耐火性能を強化する目的で設けられました。「燃え広がらない・燃えないまち」を目的として、指定地域内の災害時の安全性確保を目指しています。

建築制限は以下の表にまとめました。
階数\延床面積 延床面積500㎡以下 500㎡以上
4階以上 耐火建築物 耐火建築物
3階建 準耐火建築物 耐火建築物
2階建 準耐火建築物 耐火建築物
平屋建 準耐火建築物※延床面積が50㎡以下の付属建築物に限り防火構造(外壁・のき裏) 耐火建築物


参考元:豊島区|準防火地域・新たな防火規制区域・防火地域について
参考元:国土交通省|東京都建築安全条例

 ○×マークの積み木と手
○×マークの積み木と手 メリットデメリット メリット デメリット.jpg 47.41 KB

防火地域や準防火地域に家を建てるときには制限がかかりますが、その反面メリットもあります。ここからは準防火地域ならではのメリットやデメリットを紹介します。
まずはメリットの紹介です。

・火事に強い家が建てられる

準防火地域に家を建てるのであれば、制限を遵守した家になるため、おのずと火事に強い家になります。耐火性が高いと、周辺が火事になった場合に自宅が延焼しにくく、また万が一自宅が火事になっても周辺の家へ迷惑をかけることが少なくなるでしょう。

・火災保険の割引を受けられる

火災保険は建物の構造で保険料率が異なり、火災へのリスクが高いほど保険料が高くなります。耐火建築物や準耐火建築物は、対策を施していない住宅に比べリスクが低いと判断され、火災保険も割安になります。火災保険料は数千円から数万円が毎年かかるため、長期間住むことを考えると大きなメリットとなるでしょう。

・建ぺい率の緩和を受けられる

土地にはそれぞれ、敷地面積に対する建築可能な面積の割合である「建ぺい率」が定められています。100㎡の敷地で建ぺい率が50%であれば、建築面積が50㎡までの家しか建てられないというものです。
準防火地域に耐火建築物、もしくは準耐火建築物を建てる場合は建ぺい率が緩和され、10%加算されます。またもともとの建ぺい率が80%であれば、10%加算の90%ではなく、建ぺい率の制限を受けなくなるのです。敷地いっぱいに家を建てられるのは、より広い家に住みたい方にはメリットと言えるでしょう。なお、防火地域に耐火建築物を立建てるときも同様の措置を受けられます。

・利便性の高い土地に住める

防火地域に指定されるのは、商業施設が多く交通量も多い市街地や、駅前、幹線道路沿いなどです。そしてその周辺が準防火地域に指定されます。そのため準防火地域は移動の利便性が良く、通勤や通学などのストレスを軽減できるでしょう。また買い物にも困らず、ショッピングモールが徒歩圏内という可能性もあります。
続いてデメリットの紹介です。

・建築資材や建築方法に制限がある

準防火地域に家を建てる場合、耐火建築物や準耐火建築物にしたり、一定の防火措置を講じたりする必要があるため、それに適応した建築方法や建築資材を選択しなければなりません。「木製のドアにしたい」「壁一面を大きな窓にしたい」といった希望があっても、適した資材がなければ叶わない可能性もあります。
ただし防火地域ほど制限は厳しくありません。希望するイメージや間取りがある場合は、土地探しの段階からハウスメーカーや工務店などに実現可能かどうか相談しておくと安心です。

・土地の取得費用や建築コストが高くなる可能性がある

メリットで準防火地域は利便性が高いことを挙げましたが、それに伴って土地の価格相場は高い傾向です。また耐火建築物や準耐火建築物にするために、制限をクリアした建材を使用したり、防火設備を設置したりすることで、建築費用も高くなることが予想されます。「土地の取得費用がかかりすぎて建築費用を圧迫してしまった」「必要な設備に費用がかかり、かけたいところにお金がかけられなかった」とならないよう、あらかじめしっかりと資金計画を立てておくといいでしょう。

R+houseでは、注文住宅におけるさまざまな心配事を相談していただける「おうちのギモン個別相談会」を開催しております。検討している土地で希望の家づくりが叶うのか、予算内で準防火地域に家が建てられるかなど、なんでもお気軽にご相談ください。

>>家づくりに関する疑問が解決できるR+houseネットワークの個別相談会へのお申込はこちらから

>>参考コラム:注文住宅の価格・費用相場は?土地あり・なしでどう変わる? 内訳や予算別の住宅イメージも

住宅模型とお金と電卓
住宅模型とお金と電卓 家 購入.jpg 84.63 KB

何かと制限の多い防火地域や準防火地域。気になるコストについて見ていきましょう。
防火地域や準防火地域に家を建てる際の費用は、一般的な住宅に比べ高くなる傾向があります。建築制限が厳しく、屋根や外壁などには不燃材、防火ドアや防火窓などを設置しなければなりません。そのため、建材費のコストがかさんでしまいます。
建築費用は高くなりますが、耐火性能が高いと火災保険ではT構造(耐火構造)に分類されるため、保険料が割安になります。これは、防火地域・準防火地域の土地に関わらず、指定なしのエリアでもコンクリート建造物や耐火建築物などの条件を満たせば適用される割引です。

住宅模型と間取り、設計図
住宅模型と間取り、設計図.jpg 89.59 KB

続いて、デザインや広さについて見ていきましょう。防火地域・準防火地域の制限によってどのような違いがあるのでしょうか。
防火地域や準防火地域の制限に従うと、デザインに影響がでてくるでしょう。例えば、防火窓や防火ドア、防火シャッターなどを設置したり、外壁や屋根などに不燃材を使用したりする必要があります。そのため、希望通りの外観が叶わないかもしれません。
しかし、防火地域や準防火地域に家を建てるときに耐火建築物もしくは準耐火建築物にすると建ぺい率の制限が10%緩和されるというメリットもあります。建ぺい率は、計画的に市街地を形成するため用途内容によってそれぞれ決まっています。建ぺい率が高いとその分広い建物を建てることができるので、欲しかった収納や希望の間取りが叶いやすくなるかもしれません。。また建ぺい率が80%の防火地域であれば、耐火建築物にすると建ぺい率は100%となります。

参考元:e-GOV法令検索|建築基準法

>>参考コラム:建ぺい率と容積率に詳しくなろう!マイホームの土地を購入する前に要チェック

対面で説明を受ける若い夫婦と抱っこされたこども
対面で説明を受ける若い夫婦と抱っこされたこども 説明 解説 子.jpg 44.72 KB

防火地域や準防火地域に家を建てると、コストやデザイン面に影響があることがわかりました。そのため、家を建てる前にその土地が防火地域または準防火地域の指定エリア内なのか知る必要があります。

防火地域・準防火地域は、不動産会社や施工会社に依頼したり、役所へ行って調べたりするとわかります。また、インターネットで検索するのもいいでしょう。「市町村名+防火地域」と調べてみてください。各市町村の都市計画図をチェックすると防火地域・準防火地域かどうかがわかります。また、東京都の場合「新たな防火規制区域」についても確認する必要があります。新築はもちろん、建て替えの際もしっかり確認しましょう。
検討している土地を調べると、準防火地域とその他地域にまたがっていることがあります。その場合、より厳しい制限が建物全体に適用されます。面積比は関係なく、わずかでもまたがっていれば適用になるので注意しましょう。
なお、「第一種住居地域」など土地利用について指定される用途地域の場合は、かかる面積がより大きい地域の制限が全体に適用されます。また建ぺい率や容積率は加重平均により計算されます。防火地域とは考え方が異なるので混同しないようにしましょう。
準防火地域が他エリアにまたがるときの具体的な制限は以下の通りです。
建物全体が準防火地域の制限を受けます。
指定のない区域側に防火壁を設置すると、防火壁から先は制限がなくなります。
より厳しい防火地域の制限が、建物全体に適用されます。
準防火地域側に防火壁を設置した場合、防火壁までが防火地域の制限を、防火壁の先が準防火地域の制限を受けます。
土地が準防火地域とその他エリアにまたがっていても、区域ごとで2棟に分けて建築した場合は、それぞれの区域の制限が適用されます。

なお、防火壁とは燃えにくい、延焼しにくいよう設計された耐火構造の壁のことです。防火壁も建築基準法により基準が設定されています。

>>参考コラム:注文住宅を建てたい!土地探しに大切な3つのポイントや注意点を解説

黒いガルバリウム鋼板の平屋
写真⑧福岡県_黒いガルバリウム鋼板の平屋-min.jpg 504.73 KB

防火地域や準防火地域に加えて、法22条指定区域や新たな防火規制区域と、さまざまな区域が設けられていることがわかりました。家を建てたいと考えていた土地が、防火地域や準防火地域などの指定エリアだった場合、費用や間取りに不安を感じるかもしれません。R+houseネットワークの工務店では、後悔しないための賢い家づくり勉強会を定期的に実施し、家づくりに関する不安や疑問についてお答えしています。防火地域・準防火地域で注文住宅を検討されている方や、指定エリア外で土地を探し直したいと考えている方は、是非一度R+houseネットワークの工務店へご相談ください。

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