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50年ローンのメリット・デメリットは?金利や35年との返済額の比較も

更新日 2025.07.17 / 公開日 2025.07.09
#新築 #注文住宅 #一戸建て #コスト #マイホーム

50年ローンは、毎月の返済金額を抑えられる一方、利息の増加で総返済額が高くなることが特徴です。この記事では、50年ローンのメリット・デメリットをはじめ、金利や35年ローンとの返済額の違い、よくある質問まで解説します。住宅ローンの最長期間が35年の金融機関が多いなか、50年ローンはどのような人に向いているのでしょうか。注文住宅の建築に際し、50年ローンについて知識を深めたい人は、是非参考にしてください。

グレーの外観に植栽がアクセントの建物
目次

住宅ローンと書かれたブロックと家
写真①住宅ローン-min.jpg 82.04 KB
近ごろ、50年ローンがネット銀行や地方銀行などの各金融機関から提供されています。最長35年が一般的だった住宅ローン。さらに長期の融資が行われるようになった背景には、住宅価格の高まりがあります。住宅金融支援機構のフラット35利用者調査によると、注文住宅の所要資金は、2013年から2023年で3,015万円から3,863万円に上昇。10年間で848万円のプラスになっています。
住宅価格の高騰は、金融緩和政策や住宅資材の値上がりが要因です。他にも、長期優良住宅やZEHをはじめとした住宅の性能・品質の向上も費用がかさむ理由の一つでしょう。

参考元:住宅金融支援機構│フラット35利用者調査(2013年度)
参考元:住宅金融支援機構│フラット35利用者調査(2023年度)

メリットにチェックが入ったクリップボードの紙
写真③メリットにチェックが入ったクリップボードの紙-min.jpg 82.57 KB
50年ローンは、返済が長くなることから不安に思う人もいるかもしれませんが、多くのメリットがあります。ここでは4つ紹介します。
住宅ローンの返済期間が50年と長いため、その分毎月の返済金額が抑えられることがポイントです。借入額によりますが、一般的な35年ローンと比べると、月々の返済額は数万円単位で変わることも。住宅価格が軒並み高騰していることから、月々返済の金額がネックだった人には大きなメリットとなるでしょう。「注文住宅が建てたいけれど手が届かない」という若年世帯や、「教育資金にもお金をまわしたい」という子育て世帯にうれしいポイントです。
50年ローンを契約することで、必然的に団信に加入できる期間も長くなります。団信は、債務者が亡くなる、高度障害に陥るなどした際に、残債が免除される制度です。年齢が上がるほど病気のリスクは高まるため、長期間団信に入れることが家族の安心にもつながります。
また、近ごろはがんなどの病気や入院によって残債の一部が免除になる、保険金が下りるなどの保証がつく団信も。金利上乗せによって、保障を幅広くカスタマイズできる金融機関もあります。
住宅ローンは年収により審査が行われるため、金融機関側で月々の返済が難しいと判断されなければ、借入額を増やせる可能性も。毎月の支払い金額が減ることから、返済が困難にならない範囲で借入額を増やし、住宅のグレードアップをはかることも可能です。
近ごろは住宅に関わる資材や設備の価格も上がっているため、「採用したかった設備が思っているより高かった」という人もいるでしょう。50年ローンを選択して予算を上げることで、ワンランク上の設備の導入や住宅性能の向上が実現できます。
月々の支出が抑えられることから、若年世代でも家づくりの選択肢を持つことができます。住宅価格が高騰しているなか、就職したばかりでまだ貯蓄や収入が心もとないケースもあるでしょう。50年ローンは毎月の返済額が抑えられるため、比較的年収が低い場合でも審査に通る可能性があります。また、20代であれば、長期のローンを組んでも完済年齢の制限をクリアできます。さまざまな観点から見ても、若年世帯の家づくりには50年ローンが向いているといえるでしょう。

デメリットにチェックが入ったクリップボードの紙
写真④デメリットにチェックが入ったクリップボードの紙-min.jpg 82.52 KB
次に、50年ローンのデメリットを4点解説します。50年ローンを契約して後悔することのないよう、あらかじめ注意点を知り、検討しておくことが大切です。
50年と長期の返済となるため、利息の支払い回数も必然的に多くなり、総返済額が高くなります。35年に比べ、50年ローンでは総返済額が数百万円高くなったり、金利が上乗せされたりする可能性があります。毎月の返済額が抑えられる50年ローンですが、長い目で見た際にはコスト面での不安が感じられることもあるでしょう。また、元金の減るスピードが遅いため、住宅の資産価値をローン残債が上回る期間が長く続いてしまうことも。リスクを避けるためには、住宅の購入時に自己資金を準備しておく、繰り上げ返済を考えるなどの対策が必要です。
50年先の家族のライフプランの予想は案外難しく、余裕を持った資金計画を練る必要があります。時には、一生住むつもりだった住宅を手放すケースもあるでしょう。その場合は、住宅ローンの完済が必要です。しかし、売却代金より残債の方が高くなってしまう「残債割れ」が起こるリスクも考えられます。補てんできる自己資金がない場合は、家を売りたくても売れない状態になってしまいます。
また、変動金利を選択した場合は、金利が予想以上に上昇して返済が負担になるおそれも。そのため、固定金利の選択や、ローンの借り換えを検討しておくとよいでしょう。

>>参考コラム:注文住宅を建てるときに資金計画は必要?重要性と計画の立て方を解説
全国のネットバンクや地方銀行などで50年の融資期間が選べます。しかし、まだまだ50年ローンの取り扱いが少なく、最長35年という金融機関が多いことも事実。50年ローンの取り扱いのある金融機関を探す手間や労力が必要となることに注意しましょう。また、対面相談ができるネットバンクもありますが、近隣に店舗がない場合も考えられます。実際に話を聞いて検討し、手続きを進めたいという人は、まず近くの銀行で取り扱いがあるか調べることをおすすめします。
50年ローンの返済は、仕事のリタイア後も続くもの。定年後、再雇用などで仕事に就いていることも考えられますが、現役の時よりも収入は減るでしょう。年金から生活費と住宅ローン返済金額をまかなうことが難しくなるケースも大いに考えられます。
老後に返済が厳しくなるリスクを考え、まずは余裕を持った資金計画を立ててから融資を受けましょう。また、資金に余裕が出た際の繰り上げ返済も有効な手段です。返済期間を短くしたり、月々の返済額を減らしたりできるメリットがあります。他にも、金利などを考え、ローンの借り換えをするという選択肢もあります。

>>参考コラム:住宅ローンはどの金利タイプを選ぶべき?特徴やメリット・デメリットを紹介

金利の文字が入ったブロックと電卓
写真⑤金利の文字が入ったブロックと電卓-min.jpg 46.9 KB
50年ローンのイメージをつかむため、ネット銀行や地方銀行などの金利や特徴を3つピックアップして見てみましょう。条件は金融機関や個人の状況により異なるため、詳細は公式サイトや店頭でチェックしてみてください。
※2025年6月時点

【フラット50/住宅金融支援機構】
金利タイプ 全期間固定金利
金利 年1.990%~年2.460%
返済期間 36年~50年
完済時の年齢制限 80歳未満
申し込み先 取扱金融機関店頭窓口

・長期優良住宅が対象
・借入額は住宅建設費の9割以内
・返済中に住宅を売却する場合に、債務を引き継ぐことが可能
・繰り上げ返済手数料なし
・後継者を設定した「親子リレー返済」システムあり

【住宅ローン/住信SBIネット銀行】
金利タイプ 変動金利「通期引下げプラン」
金利 住宅価格の8割以下で借入…年0.848%
住宅価格の8割超で借入…年1.098%
 (基準利率:年3.425%)
 ※40年超の借入のため、年0.15%を上乗せして表記しています
返済期間 1年~50年
完済時の年齢制限 80歳未満
申し込み先 WEBサイト(店頭窓口)

・2023年8月にネット銀行として初の50年ローン取り扱いを開始
・3大疾病もカバーした「スゴ団信」は50歳以下なら金利上乗せなし
・金利は変わるが全国50店舗以上の窓口でも相談や手続きが可能

【最長借入期間50年の住宅ローン/スルガ銀行】
金利タイプ 変動金利
金利 年0.975~1.495%
返済期間 1年~50年
完済時の年齢制限 85歳未満
申し込み先 WEBサイト・店頭窓口

・WEBサイトからも店頭窓口からも相談・申し込みが可能
・繰り上げ返済はWEBから24時間申し込み可能
・住宅の増改築・改修・修繕といった使い道も可能
・各手数料や火災保険料、引っ越し費用、家具・家電費用も融資対象

住宅ローン変動固定の比較イメージ
写真⑥住宅ローン変動固定の比較イメージ-min.jpg 48.49 KB
ここからは、固定金利と変動金利での借入ケースに分け、以下の条件で35年・50年ローンの返済額がどのくらい変わるか比較します。なお、今回金利については、WEBサイトに提示されている一番低い数値を使うものとします。
※2025年5月時点

借入希望額 5000万円
返済方法 元利均等
ボーナス払い なし
全期間固定金利の「フラット50」「フラット35」の利用を想定してシミュレーションしました。

金利(年) 毎月の返済金額 総返済金額
50年 1.92% 13.0万円 7,782万円
35年 1.82% 16.2万円 6,765万円


毎月の返済金額は50年の方が35年より3.2万円抑えられます。しかし、総返済金額は50年の方が35年より1,017万円高いという結果になりました。
住宅金融支援機構のフラット50・35のように、50年ローンの方が高い金利に設定されている場合も多くあります。
次は、スルガ銀行の「最長借入期間50年の住宅ローン」の利用を想定したシミュレーションです。ここでは、計算上、当初の金利が変わらないものとします。

金利(年) 毎月の返済金額 総返済金額
50年 0.975% 10.5万円 6,319万円
35年 0.975% 14.1万円 5,904万円


毎月の返済金額は50年の方が35年より3.6万円抑えられます。一方で、総返済金額は50年の方が35年より415万円高いという結果が出ました。
しかし、デメリットでも解説したとおり、50年ローンは金利の変動の影響を受けやすいことが特徴です。シミュレーションでは固定金利よりも返済金額が抑えられるように見えますが、想定より大きく跳ね上がることもあるため注意しましょう。

>>参考コラム:金利上昇に備えるために…住宅ローンの組み方はこう考える!
>>参考コラム:住宅ローンは金利が大事!0.1%の違いで返済額はどのくらい変わるのか解説

Q&Aと書かれたブロック
写真⑦Q&Aと書かれたブロック-min.jpg 67.43 KB
最後に、50年ローン検討の際によくある疑問を集めました。長期間のローンは、返済中に起こり得るさまざまなケースを想定しておくことが大切です。疑問を解消し、50年ローンの検討に役立ててください。
長期間のライフプラン計画は難しく、仕事のリタイア後も返済が続くため、50年ローンにネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。50年ローンを選ぶ際は、メリット・デメリットを把握し、返済計画をしっかりと考えることが不安の払拭につながります。とくに、総返済額が増える点や、残債割れ・金利上昇のリスクがあることに注意が必要です。
また、借り換え・繰り上げ返済に対し柔軟な姿勢を持てるかどうかや、「賃貸よりも一戸建てに住みたい」といった価値観も判断材料となるでしょう。
50年ローンに向いているのは、以下のような人です。

・20代の若年世代
・相続を見据えている人
・資産価値の高い家を建てる人


20代の若年世代は、基本的に完済時の年齢制限をクリアできます。また、親子リレー方式でローンの後継者を設定できる場合、50年ローンの恩恵を受けやすいでしょう。他にも、資産価値の高い住宅は残債割れのリスクも少ないため、おすすめできます。
R+houseは、資産価値の高い長期優良住宅の建築に対応しています。断熱性・気密性・耐久性に優れた高性能住宅は、暮らしやすさの面はもちろん、50年ローンの選択にも大きなメリットをもたらすでしょう。
若年世代であれば、住宅の購入時から年収が増えることが考えられます。資金に余裕が出てきたタイミングで繰り上げ返済をすると、借入元金を減らし、以降の利息を減らすことが可能です。繰り上げ返済には、返済期間が短くなる「返済期間短縮型」と、毎月の返済金額を抑える「返済額軽減型」の2タイプがあります。この2つのうち、利息軽減がより見込めるのは「期間短縮型」です。
その他、あえて繰り上げ返済をせず、余剰資金で投資をするという選択肢も。収入やライフプランに合わせて、繰り上げ返済を検討しましょう。
50年という長期のローンでは、病気やケガで収入が減ったり、思いがけず子どもの教育に関わる支出が増えたりするケースも。当初の返済計画から外れ、住宅ローンの返済が厳しくなった際は、まずは金融機関に相談しましょう。借入期間の延長や、利息のみを返済する期間の設定に応じてもらえるケースもあります。他に自身でできることは、住宅ローン借り換えの検討です。手数料より利息軽減の恩恵が大きければ、借り換えのメリットは十分あります。それでもどうしても厳しい時は、住宅の売却も視野に入れましょう。

黒のスケルトン階段
写真⑧静岡県_黒のスケルトン階段-min.jpg 297.27 KB
50年ローンは、若年世代や資産価値が下がりにくい住宅を購入する人に向いています。長期のローンを組む際は、メリット・デメリットを把握し、確かな情報をもとに判断することが大切です。
R+houseの住宅は高性能・高耐久で、資産価値が下がりにくいことが特徴です。返済期間の長い50年ローンにも適しているでしょう。また、R+houseネットワークの工務店では、住宅ローンのご相談や返済シミュレーションも対応可能。注文住宅や住宅ローンについて考え始めたら、是非ご相談ください。

>>無理のない資金計画でマイホームを叶えよう!R+houseネットワークのコストのしくみについてはこちら

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