4,000万円の住宅ローンを契約する前の基礎知識
住宅ローン (1).jpg 71.72 KB
4,000万円の住宅ローンを契約する前に、知っておくべき情報をまとめました。
4,000万円の住宅ローンで4,000万円の物件は賄える?
注文住宅を建てる際、土地と建物を含めた物件価格の5~10%ほどの諸費用がかかるといわれています。そのため、物件価格そのままで住宅ローンを考えると、費用が不足してしまいます。物件価格が4,000万円の場合、総額で4,400万円程度必要になるでしょう。
注文住宅の建築にかかる諸費用は?
ここでは、諸費用の例をピックアップしてご紹介します。
不動産購入時 (土地購入・住宅建築) |
・地盤調査費用 ・水道などの引き込み工事費用 ・登記費用 ・印紙税 ・不動産取得税 ・仲介手数料 |
住宅ローン契約時 |
・保証料 ・印紙税 ・手数料 ・火災保険料(地震保険料) |
さらに、別途必要となるのが、引っ越しや家具・家電の新調費用です。諸費用を組み込める住宅ローンもありますが、返済負担が増すことを考慮しましょう。
>>参考コラム:注文住宅の購入には諸費用がかかる!項目や費用の目安を知っておこう
資金計画を立てる際に考えておきたいことは?
住宅ローンと家計のバランスのとり方は?
家の模型と電卓-min.jpg 38.15 KB
住宅ローンを借りる前に、年収に対する返済負担や家計とのバランスを考えましょう。家計に合わせて選べるローンの組み方もお伝えします。
住宅ローンの年収倍率・返済負担率の目安
一般的に、住宅ローンの借入額は年収の6~7倍、返済負担比率は30%程度が目安です。年収600万円の場合、借入額は3,600~4,200万円、月々の返済負担額は15万円程度までに留めておくとよいでしょう。ただ、これはあくまでも目安です。実際の家計に沿った返済の計画は欠かせません。見落としがちなランニングコストやメンテナンスコストも見越しておきましょう。
住宅ローンの組み方の種類
ここでは、3つの住宅ローンの組み方について解説します。
単独ローン
夫婦どちらかが単独でローンを組みます。共働きでも選べる組み方で、配偶者の収入額は問われません。比較的手続きがシンプルで、諸費用が抑えられるでしょう。その反面、借入額は他のケースよりも少なくなる傾向のため、希望額が借入できない可能性もあります。
収入合算
収入合算は、借主の収入に、配偶者や親族の収入を合算できるローン。なお、収入合算者は連帯保証人となり、金融機関の条件を満たすことが必要です。単独よりも借入額を増やせることがメリットですが、団信の補償内容が借主のみにしか適用されない点に注意しましょう。
ペアローン
4,000万円の住宅ローンにおける返済シミュレーション
写真④住宅ローンイメージ-min.jpg 89.59 KBここからは、住宅ローンの金利や返済タイプと、返済例を見ていきましょう。
金利や返済のタイプ
住宅ローンにかかる金利のタイプは、定期的な金利の見直しが行われる「変動金利」、借入時の金利が一定期間または完済まで変わらない「固定金利」の2つです。
さらに、返済方式も2タイプあります。利息・元金を合わせた月々の返済額が変わらない「元利均等返済方式」と、元金の返済額は変わらずに定期的に利息の見直しが入る「元金均等返済方式」です。
元金均等返済方式では、元利均等に比べて元金の減りが早く、それに伴い利息が減少するため、月々の返済額が次第に下がります。
結果、元金均等返済方式の方が総返済額は少なくなります。しかし、月々の返済額が固定の方が家計管理しやすいという場合は、元利均等返済方式の選択も可能です。収入やライフプランに合わせて選びましょう。
>>参考コラム:住宅ローンはどの金利タイプを選ぶべき?特徴やメリット・デメリットを紹介
4,000万円の住宅ローンの返済シミュレーション
ボーナス払いや返済期間短縮の選択肢も取り入れながら、4,000万円を住宅ローンで借りた際の返済額をシミュレーションしましょう。昨今、住宅ローンを借りる際に80%超の世帯が選んでいる変動金利(年0.6%)で計算します。なお、諸費用は含まず、金利が変わらない条件です。
参考元:国土交通省│令和6年度 民間住宅ローンの実態に関する調査
【単独ローン】夫の年収が600万円の場合
返済期間35年、ボーナス払いなしの場合を見てみましょう。
|
元利均等返済方式 |
元金均等返済方式 |
月々の返済額 |
10.6万円 |
11.5万円(初回) |
総返済額 |
4,436万円 |
4,421万円 |
年収600万円でボーナスなしの場合、手取り月給は37.5~42.5万円程度。
どちらの返済方式でも、月々の返済額が月給の30%前後で、現実的な数値となりました。支払いに余裕を持たせたい場合は、自己資金の投入を検討してもよいでしょう。
【収入合算】世帯年収700万円(夫500万円・妻200万円)・ボーナス払いありの場合
返済期間35年、4,000万円のうち700万円分をボーナス払いする場合で試算します。
|
元利均等返済方式 |
元金均等返済方式 |
月々の返済額 |
8.7万円 |
9.5万円(初回) |
ボーナス返済額 |
11.1万円 |
12.1万円 |
総返済額 |
4,437万円 |
4,422万円 |
世帯年収が700万円で、月給2ヶ月分のボーナスが年に2回ある場合、手取りは月に約33~37万円です。この場合、どちらの返済方式でも、月々の返済額が月給の30%以内に収まり、余裕があります。
ボーナス払いの導入で、毎月の返済額が大幅に抑えられました。子どもが多い、自動車のローンがあるなどの世帯で活用しやすいでしょう。
【ペアローン】世帯年収1,000万円(夫700万円・妻300万円)・返済期間を短縮した場合
夫3,000万円・妻1,000万円のペアローンで、返済期間25年に短縮し、ボーナス払いなしの条件でシミュレーションしてみました。
【元利均等返済方式】
|
夫 |
妻 |
合計 |
月々の返済額 |
10.8万円 |
3.6万円 |
14.4万円 |
総返済額 |
3,231万円 |
1,077万円 |
4,308万円 |
【元金均等返済方式】
|
夫 |
妻 |
合計 |
月々の返済額(初回) |
11.5万円 |
3.8万円 |
15.3万円 |
総返済額 |
3,226万円 |
1,075万円 |
4,301万円 |
どちらの返済方式でも、夫婦ともに月々の返済額を月給の30%以内に収めることが可能です。
また、返済期間を25年に短縮したことで、これまでの3つのケースで最も総返済額が抑えられました。安定して収入があり、家計を考えた上で返済に充てる金額を増やせる場合は、返済期間の短縮も選択肢の一つです。
>>参考コラム:金利上昇に備えるために…住宅ローンの組み方はこう考える!
住宅ローン利用で後悔しないためのポイント
POINTブロックと筆記用具.jpg 88.89 KB
住宅ローンを組む前に知っておきたい、後悔しないためのポイントをご紹介します。
自己資金率を増やす
住宅ローンの返済において、月々の返済が困難になることは避けたいもの。
余裕を持って返済していくために、物件の費用に充てる自己資金を増やすという選択肢があります。2023年の住宅市場動向調査によると、自己資金率の平均は住宅建築資金の約30%。住宅ローンの借入額を減少させたい、もう少し予算を上げたい、といったケースでは自己資金の投入が肝となります。
参考元:国土交通省│令和5年度 住宅市場動向調査報告書
住宅性能を高める
入居後のランニングコストを考え、住宅の性能を高めることが重要です。入居後にかかるコストは、住宅ローンの他にも、固定資産税、メンテナンス費、光熱費などがあります。高性能住宅の建築は光熱費の削減につながり、家計の一助になるでしょう。
R+houseでは、高断熱・高気密の住宅で、暖冷房費を抑えながら快適な暮らしが実現します。安定した性能の断熱材の使用や、気密測定の全棟実施もポイントです。
>>参考コラム:注文住宅を高断熱・高気密にするメリットとは?快適な家づくりを徹底解説!
繰り上げ返済・借り換えで住宅ローンの返済額を抑える方法
写真⑤家と財布と家族.jpg 87.35 KB
繰り上げ返済と借り換えを賢く使うことで、住宅ローンの返済負担が抑えられます。
繰り上げ返済とは?返済額軽減の効果と注意点
住宅ローンの月々の返済とは別に、まとまった金額を前倒しで返済する繰り上げ返済。納めた金額が元金に充てられ、利息の総額を軽減できることが魅力です。どのタイミングでも行えますが、同じ金額を返済するのであれば、早い時期ほど効果的です。
繰り上げ返済でどのくらい返済額が抑えられる?
返済期間を短くする「期間短縮型」と月々の返済額を軽減させる「返済額軽減型」の2タイプで、繰り上げ返済の効果を確認しましょう。
いずれも、借入額4,000万円、年0.6%の変動金利、返済期間35年、月々の返済額10.6万円、元利均等返済、ボーナス払いなしの場合です。諸費用は含まず、金利が変わらない条件です。
【借入から5年後に500万円の繰り上げ返済をしたケース】
|
期間短縮型 |
返済額軽減型 |
月々の返済額 |
10.6万円 |
9万円 |
返済期間 |
25年5ヶ月 |
30年 |
削減できた利息額 |
90.1万円 |
46.3万円 |
返済額軽減型より期間短縮型の方が、利息額を2倍近く軽減できます。なお、少しでも月々の返済額を軽減したい場合は、返済額軽減型の選択で家計に余裕を持たせることが可能です。家計の状況を考慮した上でタイプを検討しましょう。
繰り上げ返済を利用する際の注意点
繰り上げ返済の際は、下記の3点に注意しましょう。
・最低返済額と諸費用を考慮する
・もしもの時の余剰資金は確保する
・住宅ローン控除が減少する、適用されなくなることがある
借り換えとは?返済額軽減の効果と注意点
借り換えとは、現在と異なる金融機関で住宅ローンを組み直すことです。現在借入中の条件よりも低い金利にできれば、月々の返済額や利息額の負担軽減につながります。一般的に、残高が多く、返済期間が長いほど大きな恩恵が受けられるでしょう。
借り換えでどのくらい返済額が抑えられる?
では、住宅ローン借入から5年後、残高3,500万円の状態で年2%の固定金利から年0.6%の変動金利へ借り換えをしたケースを見てみましょう。いずれも元利均等返済、ボーナス払いなしの場合で、諸費用は含まず、金利が変わらない条件で試算します。
|
現在 (固定金利年2%) |
借り換え後 (変動金利年0.6%) |
差 |
月々の返済額 |
12.9万円 |
10.6万円 |
-2.3万円 |
利息額 |
1,157万円 |
325万円 |
-832万円 |
金利との差が大きいほど、削減できる利息は大きくなります。しかし、借り換えの際、改めて住宅ローンの審査や借入時の諸費用が必要になる点に留意しましょう。
諸費用が数十万円以上かかるため、金利差が小さい場合はメリットが得られないケースも考えられます。
借り換えをする際の注意点
下記の4点に注意しながら、借り換えを検討しましょう。
・再度審査を受ける必要がある
・諸費用が数十万円以上かかる
・金利動向によっては将来負担が増えることもある
・住宅ローン控除が減少する、適用されなくなることがある
家づくりを考え始めたらR+houseネットワークの工務店へ
写真⑦佐賀県_芝の庭が見渡せる、グレーと木目のLDK.jpg 213.32 KB今回は4,000万円を住宅ローンで借りることを想定し、シミュレーション結果や失敗しないためのポイントをお伝えしました。
R+houseネットワークの工務店では、「おうちのギモン個別相談会」を実施しています。「理想の家を建てるには総額でいくら必要?」「資金計画の立て方がわからない」など、コスト面に関わる内容もご相談いただけます。注文住宅を考え始めたら、ぜひR+houseネットワークの工務店へお問い合わせください。
>>家づくりでのお金の不安やギモンもご相談いただけます!「おうちのギモン個別相談会」の詳細・お申し込みはこちらから