建築家に学ぶ、良いデザインとは

プライバシーを守りながら解放感とのびやかさのある家

新しい分譲地に建てられた家のご紹介です。
これから家が建ち並ぶ風景を想定し、その中でも開放感を得られるよう工夫された宮田さんのデザインを見ていきましょう。

プライバシーを守りながら解放感とのびやかさのある家 画像1
建築家 宮田 恵実

建築家 宮田 恵実
一級建築士事務所MOO空間設計室

1974年東京都生まれ。1999年に東京都都立大学大学院都市科学研究科修士課程修了。
2007年に一級建築士事務所MOO空間設計室を設立した。
「長く愛される家をつくる」、これが宮田さんのモットーです。
前提条件として物理的に長持ちする家であるのは勿論の事、その上で毎日の暮らしが快適で楽しく豊かになるような生活の器をつくりたいとお考えです。
家族全員が納得のいくような家づくりのお手伝いをすることが宮田さんの願いです。

プライバシーを守りながら解放感とのびやかさのある家 画像2

木の素材を活かし安心感のある玄関ポーチ。
左側上部はルーフバルコニーとつながっています。

陰影のある外観

今回の敷地は、新規分譲地のいちばん奥にありました。東西幅6.7mの南北に細長い形状で、大きさは40坪ほどです。これから周辺に住宅が建ち並んでいくことを考え、人目を気にせず過ごせる安心感と外とのつながりも感じられる解放感を兼ね備えた住まいにしたい、というご要望がありました。
グレーを基調としたこの家は、外からはほとんど室内の様子が見えないようになっています。
シンプルな矩形の立面に、玄関ポーチの開口とルーフバルコニーの軒が外観に深い陰影をもたらしています。
プライバシーの確保とデザイン性、両方を兼ね備えた素敵な外観ですね。
奥まったポーチの右側には夜の帰宅時に行灯のように光る開口を設け、ほっとするような空間に仕上がっています。
プライバシーを守りながら解放感とのびやかさのある家 画像3

家族が集まるリビングには様々な方向に窓を設け明るさを確保。
バルコニーとつながった窓辺のベンチがポイントです。

窓辺のベンチでバルコニーと連なるLDK

敷地の規模から南側はアプローチと駐車スペース以外はとれないため、水回りと個室を1階に、LDKを2階に配置する計画としました。
LDKは北側へ向けて上がる勾配天井にし、キッチンの後ろにある収納の上に北向きの高窓を設けました。
南側にはルーフバルコニーに面した大きな窓をつくり、南北に光と風が抜けるのびやかで明るいリビングとなっています。
ルーフバルコニーの窓の前にはベンチを設置し、窓辺に座って自然の光を感じながら読書をしたりくつろいだりできます。またこのベンチがあることで、LDKとバルコニーのウッドデッキが連なるようになっています。
住宅が建ち並ぶ環境の中でも外とのつながりを感じられる、宮田さんの工夫がつまっていますね。
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リビングとひとつづきになっているバルコニー。
自然の味わいを感じられるウッドデッキが落ち着きのある空間をつくりだしています。

内と外をつなぐ半戸外的な空間

ルーフバルコニーは半分は屋根と壁で囲むことで、半戸外的な空間としました。
深い軒は直射日光を和らげる役割だけでなく、深い陰影をつくりだし外観のアクセントにもなっています。
屋根と壁で半分を覆うことでプライバシーも確保され、バーベキューなどを楽しむのにぴったりです。
窓を開けて窓際にあるリビングのベンチに座りながら食事をすることもできます。内と外をゆるやかにつなぐ、居心地の良い空間となっています。
リビングには畳コーナー・スタディコーナー・吹き抜けのある階段スペースを隣接させました。様々な居場所や空間の抜けをつくることで、日々の生活の変化を感じられる遊び心ある間取りとなっています。これからこの家で過ごすご家族が、長い間安心と楽しさに満ちた時間を過ごせるようにという宮田さんの思いが込められています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。プライバシーを守りながら外も感じられるのびのびとした素敵なお家ですね。
皆さまの家づくりの参考になれば幸いです。

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