建築家に学ぶ、良いデザインとは

遠景が望めるプライベート空間のある家

建物が隣接した変形地に対し、どのようにすれば自然を取り入れ心地よく暮らすことができるのか。
春日さんのデザインを見ていきましょう。

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建築家春日 琢磨

建築家 春日 琢磨
春日琢磨建築設計事務所

1974年島根県生まれ。2005年に春日琢磨建築設計事務所を設立した。
春日さんは建築に関係するすべての人が納得できるモノ造りをするために、お施主様との連携を最も重視しています。
光や風、季節の移り変わりなど、その土地が持つ個性を拾い出し、活かすことで、心地良い空間を提供します。

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カーポートから濡れずに入れる玄関。
庭の自然へと視線が抜け、圧迫感を感じないようになっています。

住宅密集地の中に見出す開放感

今回の敷地は郊外の密集住宅地にあり、台形状の変形地でした。
道路と接している北面以外の三方向は隣接した建物が迫っており、広さがあるにも関わらず圧迫感のある印象でした。
その中で春日さんは、僅かではありますが敷地の奥に山並みが広がる抜けがある東方向に注目し、この景色を家に取り込むことを計画の軸としました。
真っ白な外観の正面は装飾をなくしミニマムな表現とすることで、夜にスリットからこぼれる灯りが際立ち印象的な表情を作りだしています。
雨に濡れないよう玄関前にカーポートを設置し、ドアを開けると窓の先にある庭が自然と目に入るよう視線の抜けを作りだしました。

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東側の遠景を望む開口部。
1面全てを窓にすることで、家全体にたっぷりと自然光を届けてくれます。

遠景を取り込む大きな開口部

配置の計画としては、台形の変形地に対しシンプルなボックス型の住居と全面道路から6台分の駐車スペースを並行垂直につくり、残りの部分を庭としました。
こうすることで、今回の軸となる東奥の景色が望める空間を道路側の視線から遮断されたプライベートな空間として作りだすことができました。
内部は東側の抜けを中心として生活スペースを設け、
この遠景が生活の背景として自然と感じられる開口部を設けました。
開口部は4.5帖の吹抜けに対し1面すべてを使い、他の開口部と比べて明確に大きくすることで、よりインパクトが強まるよう考えられています。
家の中の突き当りには必ず開口部を作り、日々の生活のあらゆる所で外部空間が感じられるようになっています。

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2階の読書スペース。吹抜けで1階とつながり、家族の様子が伺えます。
廊下の突き当りにも窓とスペースを設けました。

原風景として家族に寄り添う景色

大きな吹抜け窓のあるリビングの隣にキッチンをつくり、対面式にすることで料理をしながらも景色を楽しめるよう工夫されています。
2階の吹抜けに面する場所には読書スペースをつくり、
1階の家族とコミュニケーションをとりながらくつろいだり勉強したりできる空間としました。
吹抜けを通して家全体の一体感が生まれ、家族の気配をどこにいても感じる事ができます。
デザインの中心となる開口からの遠景が、開放的でのびのびとした空間を作りだしました。
またこの景色が、ここで暮らすご家族の思いをはせる風景のきっかけになればという春日さんの思いが込められています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
窓からの景色を中心とした間取りにすることで、密集地の中でも明るく心地よく過ごせる住宅デザインとなっています。
皆さまのお家づくりの参考になれば幸いです。

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