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設備・性能

注文住宅の断熱性能はなぜ必要?3つのメリットを解説!

更新日 2025.04.04 / 公開日 2024.03.05
#高断熱 #新築 #マイホーム #注文住宅 #一戸建て

注文住宅を建てようと思った際に、断熱性能について気になったことはないでしょうか。住宅メーカーのCMでも「断熱等級」や「UA値」といった言葉を耳にすることも増えてきました。このように注目されている住宅の断熱性能にはさまざまなグレードがあり、グレードによって得られる効果やメリットに差が出てきます。今回はそんな住宅の断熱性能について、グレードごとの違いやメリット・デメリットまでご紹介します。

断熱住宅のイメージ
目次
エコロジーアイコン
写真②エコロジーアイコン-min.jpg 79.31 KB

住宅の断熱性能はなぜ注目されているのでしょうか。まずは、住宅の断熱性能について確認していきましょう。
地球温暖化といった環境問題の中でも注目されるエネルギー消費量。建物の性能向上によって電力などのエネルギー消費の削減を目指すため、2015年に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」通称「建築物省エネ法」が公布されました。この建築物省エネ法は、2050年に温室効果ガスの吸収量と排出量をイコールにするカーボンニュートラルに向け、段階的に内容が強化・改正されています。

2024年4月からは新しい建築物の省エネ性能表示制度が開始し、住宅を販売したり貸したりする際に、チラシやパンフレットといった広告への省エネ性能ラベルの表示が求められるようになります。また、2025年4月から原則すべての新築住宅は省エネ基準の適合が義務となります。このように、省エネ性能の高い住宅は電力をはじめとするエネルギー消費が抑えられるため、建築物の新築や既存建築物の断熱性能の向上や省エネ化が求められているのです。

参考元:国土交通省「住宅:建築物省エネ法について」
参考元:環境省 脱炭素ポータル「カーボンニュートラルとは」
参考元:国土交通省「建築物省エネ法の概要」P2
参考元:一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター「建築物省エネ法の概要」
参考元:国土交通省「住宅:建築物省エネ法 法令等の改正履歴」
参考元:国土交通省「省エネ基準適合義務化」
参考元:国土交通省「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」とは
参考元:国土交通省「2024年4月以降、建築物の販売・賃貸時に省エネ性能の表示が求められます」
白と木目のキューブ型の家
写真⑦静岡県_白と木目のキューブ型の家-min.jpg 481.21 KB

住宅の省エネ性能を測るひとつの指標となるのが断熱性能等級です。2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にもとづき、住宅の性能を分かりやすく表示するための「住宅性能表示制度」が設けられました。この制度では、新築住宅を10分野33項目で評価。評価項目のひとつとして設けられているのが、断熱等性能等級です。断熱等性能等級は、壁や窓といった外皮からの熱損失をどれほど防げるかを評価し、1~7の等級で表示します。
この断熱等性能等級は、室内と外気で熱がどれだけ出入りするかを表すUA(ユーエー)値と、太陽の日差しがどれだけ室内に入りやすいかを表すηAC(イータエーシー)値にもとづいて評価されます。UA値は数値が小さくなればなるほど、室内外で熱が出入りしにくいことを表し、断熱等性能等級が高くなります。
ただし、日本は寒冷地と温暖地の気温差が大きいため、すべて同じ基準で評価されるわけではありません。地域ごとに区分が設けられ、それぞれに異なる基準値が定められています。たとえば、北海道では1地域、東京であれば6地域、さらに温暖な九州などでは7地域といった分類によって、基準となるUA値が異なるのです。

参考元:国土交通省「住宅性能表示制度 かんたんガイド」P2-3, 8
参考元:国土交通省「住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設」P2-3
参考元:国土交通省「地域区分新旧表」
ZEHの積み木と家
写真③ZEHの積み木と家-min.jpg 79.41 KB

住宅性能表示制度の断熱等性能等級以外にも、住宅の断熱性能を表す基準は主に3つあります。基準が低い順に、特徴を確認していきましょう。
省エネ基準とは2015年に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に明記されている建築物エネルギー消費性能基準のことです。省エネ基準に沿った住宅か判断するために、空調や照明などによる一次エネルギー消費量と外皮の断熱性能を表すUA値、室内への日差しの入りやすさを表すηAC値の基準が定められています。省エネ基準における地域区分ごとのUA値・ηAC値は以下のようになっています。

【省エネ基準における基準値】

ZEH(ゼッチ)とはNet Zero Energy Houseの略で、住宅で使用するエネルギーの消費量を減らしながら、太陽光発電などで創出したエネルギーを使用することによって、家庭内のエネルギー収支ゼロを目指した住宅です。ZEH住宅は、満たすべき基準が4つあります。まずは、強化外皮基準。基準となるUA値は以下の通りです。

【ZEH基準における強化外皮基準値】

地域区分1 地域区分2 地域区分3 地域区分4 地域区分5 地域区分6 地域区分7 地域区分8
UA値 0.4 0.4 0.5 0.6 0.6 0.6 0.6 -


このほか、断熱性能を上げることにより冷暖房や給湯機器のエネルギー効率の向上による基準一次エネルギー消費量20%以上の削減が必要になります。上記3点の取り組みと、太陽光発電を代表とする再生可能エネルギーシステムの導入にによって、総合的に基準一次エネルギー消費量より100%以上を削減することで、ZEH住宅であると認められます。

参考元:国土交通省「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅関連事業(補助金)について」
参考元:国土交通省「なるほど省エネ住宅」P12
参考元:国土交通省「家選びの基準変わります」
参考元:国土交通省「③住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示制度におけるZEH水準を上回る等級について」
参考元:資源エネルギー庁「ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>」
HEAT20とは、環境負荷が少なく安心安全で高品質な住宅の実現のために、調査研究や技術開発を行う「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称です。このHEAT20では地域区分ごとに、室温や省エネルギーといったシナリオを規定しています。このようなシナリオを満たす住宅を目指す目安としてG1~G3のグレード別に以下のような住宅外皮水準を定めています。

【HEAT20基準における基準値】

地域区分1 地域区分2 地域区分3 地域区分4 地域区分5 地域区分6 地域区分7 地域区分8
G1 UA値 0.34 0.34 0.38 0.46 0.48 0.56 0.56 -
G2 UA値 0.28 0.28 0.28 0.34 0.34 0.46 0.46 -
G3 UA値 0.2 0.2 0.2 0.23 0.23 0.26 0.26 -
省エネのエコハウス(エネルギーゼロハウス)の性能評価
写真④省エネのエコハウス(エネルギーゼロハウス)の性能評価-min.jpg 70.62 KB

断熱性を重視した省エネ住宅には、どのようなメリットがあるのでしょうか。経済産業省や国土交通省、環境省の協賛により発行された「なるほど省エネ住宅」よりメリットを確認していきましょう。

参考元:国土交通省「なるほど省エネ住宅
断熱性に優れ省エネ性能が高い家はエネルギー消費量が抑えられるため、光熱費の削減が可能です。省エネ基準を満たしていない従来の住宅と、省エネ基準を満たす住宅、ZEH基準の水準の住宅の3つで光熱費を比較してシミュレーションしたところ、以下のような結果となっています。

【住宅別にみる年間光熱費】

従来の住宅 省エネ基準の住宅 ZEH基準の水準の住宅
寒冷地の場合(地域区分2) 393,191円 333,174円 208,323円
温暖地の場合(地域区分6) 283,325円 222,317円 159,362円


省エネ基準を満たした住宅と従来の住宅と比べると、その差は約60,000円。ZEH基準の水準の住宅と従来の住宅を比べると、寒冷地の場合は150,000円以上も光熱費を抑えられるという比較結果でした。このように、省エネ性能を高めることによって光熱費の大幅な節約につながるのです。
断熱性能が高い家は、室温が外気温に影響されにくくなります。人は壁や床、天井の表面からの輻射熱を感じとります。そのため、壁や床などの表面温度が外気温に影響されていると、体感温度にも影響が出てきます。

たとえば、外気温が0℃の冬場であれば、断熱性能の低い家の輻射温度は平均10℃。それに対して断熱性能の高い家は平均18℃の輻射温度になります。この輻射温度の違いによって、室温が20℃であることは同じでも、断熱性能が低い家は体感温度が15℃になるのに対して断熱性能の高い家は体感温度が19℃と、4℃もの違いが生まれるのです。壁や床が外気温に左右されにくくなればなるほど、快適な室温で過ごしやすくなると言えるでしょう。
住宅の断熱性能は住む人の健康にも大きな影響を与えます。国土交通省の「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」に関する資料では、省エネ性能の高い家は室内の温度差が少なく快適な温度が保たれるため、住む人の血圧が低下傾向にあるという知見もあります。特に、部屋ごとの温度変化が少ないため、冬のヒートショックといった入浴時の事故のリスクも低くなるのです。

また、各種疾患と住宅の断熱性能との関係性をみてみると、低断熱の家から高断熱の家に転居することで気管支疾患やアレルギーなどさまざまな疾患が改善したという結果も得られています。住宅の断熱性能を高めると、結露が発生しにくくなるため、アレルギーや感染症の原因にもなるカビやダニも発生しにくくなるのです。

参考元:国土交通省「なるほど省エネ住宅」
参考元:国土交通省「断熱改修等による居住者の健康への影響調査 概要」
貯金箱
写真⑤貯金箱-min.jpg 68.09 KB

省エネ性能の高い家は良いことばかりのようにも思えますが、難点も少なからずあります。ここからは、省エネ基準の高い家にみるデメリットをチェックしていきましょう。
より高い省エネ基準の家を建てる場合、デメリットとなるのがコスト面です。断熱効果が高い材料ほど、費用は高くなる傾向があります。更に、気密性も高めるとなると精度の高い施工技術が求められます。そのため、断熱性能・気密性能の高い省エネな家ほど導入コストが高くなるのです。

しかし、光熱費を大幅に抑えられるため、その家に長く住むことを考えるとトータルでかかる費用を抑えられるメリットもあります。そのため、導入コストとランニングコストのトータルバランスで検討すると良いでしょう。

参考元:独立行政法人国民生活センター「省エネ住宅でも快適に住まう工夫 第2回 環境に配慮した「省エネ住宅」とは(2)」
椅子のアクセントカラーが映える白と木目のダイニングキッチンと階段
写真⑥和歌山県_椅子のアクセントカラーが映える白と木目のダイニングキッチンと階段-min.jpg 96.26 KB

デザイン性と機能性を兼ね備えた注文住宅を得意とするR+houseでは、断熱性能にも徹底的にこだわっています。R+houseでは省エネ基準であるUA値を大幅に上回り、HEAT20のG2グレードが標準仕様となっています。マイホームを検討中の方は高断熱を実現できるR+houseネットワークの工務店にぜひご相談ください。
>>光熱費も削減できるR+houseの断熱性能についてはこちら

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