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建築家に学ぶ、良いデザインとは

家族の願いを叶えた合理的かつ機能性のある家

今回は、住む人が心地よく過ごせるようなさりげない居場所を作ることを大切にされている
赤松さんのこだわりが詰まった住宅をご紹介いたします。

家族の願いを叶えた合理的かつ機能性のある家 画像1
建築家 赤松順子

建築家 赤松順子
fantastic design一級建築士事務所

1970年東京都に生まれ、ザイールで幼少期を過ごす。1994年にスペイン・バルセロナで技術を学び、1996年横浜国立大学大学院を卒業。その後いくつかの設計事務所を経て2001年にfantastic design一級建築士事務所を設立。
赤松さんは、住まいとは身体を包む服と同じように”暮らしを包んでいるもの”という考えをお持ちです。
日々どのような空間で過ごすかによって、毎日の暮らしや気持ちも変っていきます。
そのため住む人が心地よい気持ちで毎日を過ごせるように、効率のよい動線や、家族の気配が感じられる空間づくりなどを大切に設計しています。そして何よりも赤松さんが重視していることは、楽しんで家づくりをすること、できた家を慈しむことです。

家族の願いを叶えた合理的かつ機能性のある家 画像2

子供部屋は2部屋に分かれていますが、上のロフトで繋がる間取りとなっています。子供たちにとって秘密基地のような空間です。

北西の水路に向けた間取

この家の外観は、黒とクリーム色の外壁のコントラストがとても印象的です。2枚の明るい色合いの壁を差し込むことにより、シックな色合いの母屋のボリュームをやわらげています。手前の壁は、道路からの視線を遮り玄関が丸見えにならないためのポーチ壁となっています。道路からボトルネック上に奥まった形をした敷地は、東から南は隣家の壁が迫り圧迫感のあるものでした。一方、西から北西にかけては3m幅の細い水路が通り、光と風が抜ける環境でした。そこで赤松さんは、この西から北西にかけての広がりを活かすことを考え、北西の水路にむけて開く間取りを考えました。
通常日当たりの良さを確保するため南面を意識して間取りを考える場合が多いですが、土地の特性を活かし、あえて北西にむけた間取りにしたことにより、十分な光と風を感じられる家となっています。心地よい毎日を過ごせる家づくりにこだわりのある赤松さんならではの工夫ですね。
家族の願いを叶えた合理的かつ機能性のある家 画像3

キッチン、ダイニング、リビングそれぞれの場所にいる人の視線が交差し、全てが見渡せるよう配置を工夫しています。家族のコミュニケーションの場です。

忙しい日々の助けになる工夫が詰まったLDK

LDKは対面式のキッチンに横並びにダイニングテーブルを配置。正面に大きな窓を設けることにより爽やかな日射しが差し込み、明るく気持ちの良い空間で料理や食事を楽しめます。キッチンの横にダイニングテーブルを置くことで動線を短くし、家事の効率が上がるよう配慮されています。またキッチンとダイニングを一体化させることによりコンパクトになり、広々としたリビングスペースを確保できました。
仕事と育児を両立しながら多忙な毎日を過ごしていらっしゃるご夫婦。日々の助けになる家事動線や収納スペース、そして忙しいからこそ家族とゆったり一緒に過ごすことができるような広々としたLDKをお望みでした。
キッチンで料理や片づけをする人、リビングで寛ぐ人、ダイニングに座って食事をしたり勉強をする人。
それぞれの家族の目線が交差するようにキッチンとテーブルをリビングと角度を持たせて配置することで、忙しい中でも家族と素敵なコミュニケーションの時間が取れるようなLDKとなっています。
吹抜けでつながる省エネで快適な家 画像4

LDKの階段下のお仕事スペース。壁面はすぐにメモができるようにお絵かきクロスが貼られています。家族の存在を感じながら作業することができます。

家族の気配を感じながら作業できるお仕事スペース

広々としたLDKのどの場所からでも時間を確認できるように、駅舎のような掛け時計を柱に。このようなところにも忙しいご夫婦を気遣った赤松さんのちょっとしたアイデアが伺えます。階段の下は仕事のためのスペースとなっており、壁面には数式を思いついたらすぐメモができるようにとお絵かきクロスが貼られています。
家でも仕事ができるようなフリーアドレス的なスペースをご要望だったご夫婦のために、リビング階段下のデッドスペースを利用し、家族の気配を感じコミュニケーションを取りながら作業ができる場所を作り出しました。
家族で楽しく過ごす空間の他に、奥様からは「眠りが浅いのでプライバシーも大事にしたい」というご要望もありました。
そこで1階から2階にかけて緩やかに空間のプライバシーの濃度を変え、コミュニケーションの場所である1階に対し、2階は家族それぞれのプライバシーを重視した間取りとしました。皆で楽しく過ごす場所、一人の時間を味わう場所、家族各々の居心地のいい場所をたくさん見つけられるような家となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。お忙しいご夫婦が快適に家事や仕事をしながら子供たちとの時間もしっかりと過ごせるための工夫が満載ですね。
家を建てたいとお考えの皆様の参考になれば幸いです。

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