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建築家に学ぶ、良いデザインとは

自然光で満たされた人との触れ合いを大切にした家

今回は、施主との対話を大事にされている宮武さんの家をご紹介します。
施主の人柄や要望がどのように反映されて家ができあがっていくのか見ていきましょう。

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建築家 宮武淳夫

建築家 宮武淳夫
建築+α設計

1973年京都府生まれ。1998年に関西大学大学院工学研究課を卒業し、同年、遠藤秀平建築研究所に入所。
2005年に宮武淳夫建築+α設計一級建築士事務所を設立。
「長く快適に住める家」であるためには、使いやすく丈夫で、きれいに片付いた空間であることが誰にとっても大事なことであるかと思います。その一方でクライアントの生活スタイルや好み、それぞれの土地の個性などもあります。
対話や読み取りなどによって、誰にとっても大事なことにプラスして、土地や人の個性をバランスよくかたちにすることが仕事である、というのが宮武さんの考えです。

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吹き抜け上部の南側の窓からたっぷりの光を一階に取り込むことができます。
この窓は道路から見られないように布団を干すことも可能です。

施主の人柄から導き出した凸型ファサードの家

この家の敷地は、東側が道路に面して開けており、南北両側に隣家が建ち並んでいます。
宮武さんは夕方まで自然光で満たされる家にするために、東側からだけでなく南側からも光を取り込みたいと考えました。そのため、中央に吹き抜けをつくり、南側の隣家から2階をセットバックさせることに。こうすることで、南側に隣家があっても十分な採光を確保できるようになりました。北側の2階も同様にセットバックしているのは、北側の隣家に日当たりの良さを提供するための配慮です。
外観は凸型で、黒ミナモの外装に手前の木板ルーパーの塀がアクセントになっています。
重心が低く左右対称の形状で、どっしりと安定した印象の佇まいです。
ヒアリング時に、迷いない意見を述べながらも気遣いを忘れない、バランスのとれた人柄という印象を施主に持った宮武さん。そこから「安定・軸・整形」という造形的なキーワードを連想し、左右対称の間取りで凸型ファサードという、まさに施主に相応しいと思える家の形を導き出しました。そしてこの外観は環境条件や生活スタイル、採光や通風などの面でも機能的で合理的な形になっています。施主の個性と住み心地のバランスを大事にする、宮武さんのこだわりがつまったデザインですね。
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中央の吹き抜けと奥のテラスにより広々と見えるリビング。キッチンからすべてを見渡せ、コミュニケーションが取りやすいように工夫されています。
親戚や友人を沢山招いてくつろぐのにぴったりの空間です。

テラスへとつながる、明るく広々としたリビング

2階の南の窓から明るい光を1階に取り込めるリビングの吹き抜けは、施主からの要望でもありました。
両親や親せき友人が近所に住んでいるため、10人くらい招くことのできる広がりのある家をご希望でした。
そこで吹き抜けで高さを確保することで圧迫感を軽減し、リビングの奥にテラスをつくることで床面積以上の広さを感じられるように工夫しました。大きな窓を開ければテラスとリビングがつながり開放的な空間に。対面式のキッチンで友人たちとおしゃべりをしながら料理をし、外のテラスへ出て食事を楽しむのも素敵です。
たくさんの人が同時に料理をするときのためにキッチンスペースも広めにとり、使いやすいようにと配慮されています。
キッチン、リビング、ダイニング、テラスを一体化し繋がりをもたせることで、どの場所にいる人ともコミュニケーションを取ることができます。友人とホームパーティーを開いたり、家族とくつろいだりするのにぴったりな場所となっています。
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道路側に木のルーバーを設け、プライバシーを確保。
友人とお茶としたりプールを出して遊んだり。色々な使い方ができます。

生活の幅を広げる開放感のあるテラス

リビング奥に位置するテラスは、ルーバーで道路側からの視線を遮断しています。ルーバーは視線を遮る役割だけでなく、程よい光と風を届けてくれます。また、木製にすることにより温かみと柔らかさのある雰囲気をつくりだしています。
スペースも十分にあるため、親せきや友人とお正月に餅つきをしたり、夏はプールを出してお子様を遊ばせることも可能です。
隣家と密接している敷地でもテラスを設けることにより外の風と光を感じることができ、開放感が生まれます。
施主は「家は地域と交流するための場所」という考えを強くお持ちだったため、このテラスは住み心地の良さと共に、楽しい交流の場となってほしいという宮武さんの思いが込められています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
施主の要望に耳を傾け、読み取り、人柄を反映した、「この人」にこそ相応しいと思えるような家ですね。
対話を通じ様々なアイデアが生まれてくることが注文住宅の醍醐味です。
皆様の家づくりの参考になれば幸いです。

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