建築家に学ぶ、良いデザインとは

生活の変化に対応できる余白のある住宅

今回は家族構成・ライフスタイルが変わっても、快適に暮らせる創意工夫が凝らされた住宅のご紹介です。

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建築家 野村 庸高

建築家 野村 庸高
アキアーキデザイン一級建築士事務所

1982年島根県生まれ。2005年法政大学工学部建築学科卒業。2007年法政大学大学院工学研究科博士前期課程修了。
2014年にアキアーキデザイン一級建築士事務所を設立。
野村さんは、お家づくりは一緒に考えていく課程の中に、ものづくりの楽しさが存在しているとお考えです。
他の住宅とはちょっとちがう、そんな「心地のよい違和感」を作り上げることを大切にしています。

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生活感を出さないオープンキッチンがご希望のため、手元が見えないキッチンに。右手の玄関からは壁で仕切られており、キッチンの裏に回ると収納とトイレが隠れています。

シンボルツリーが映えるシンプルな外観

郊外の住宅地にあるこの敷地は、7.5m×20.0mの奥行のある形状です。
今後区画変更の上で隣接地が分譲される予定であることから、周辺環境がどのように変化するか見通しが立ちにくい状況でした。このような条件の中、野村さんは、プライバシーを守りながら広がりのある住宅を目指しました。
外観の道路側は窓を一切なくし、真っ白な外壁を背景にシンボルツリーが美しく強調されています。エントランス部分には木材を使い、シンプルな外観のアクセントになっています。
プライバシーの確保とデザイン性を両立させた、素敵な外観ですね。
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キッチンから左手奥の庭まで一体的な空間が広がるLDK。
土間をつくることでより内と外がゆるくつながり開放感が得られます。

広がりを感じさせる吹き抜けと間取り

延床面積28坪のこの住宅に広がりを持たせるため、野村さんは様々な工夫を施しました。
まず、玄関からシューズインクローゼットを抜ける家事動線を持たせました。
玄関を開けると階段越しに南側の庭まで一気に見通せます。雑然とした裏の動線を意識から追い出すことで、さらに広がりを感じられるようになっています。
今後区画変更で南側に家が建つことを想定し、リビングの上部に吹き抜けをつくりました。こうすることで、南側の大きな窓のブラインドが下がりがちになった時も、吹き抜けからたっぷりの明るい光を取り込むことができます。
リビングの左手には、趣味や勉強などライフスタイルの変化によって自由に使える土間スペースをつくりました。
将来を見据えて、いつでも快適に心地よく暮らせるように考えられています。
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右手のドアを出るとすぐにクローゼットへつながっている洗面脱衣所。
独立ハンガーにシャツをかけて干し、乾いたらそのまましまうことができます。

洗濯をラクにする家事動線

野村さんが家事動線の中でも一番気を配ったのは、洗濯物動線です。
洗面脱衣所で洗濯をし、同じ部屋にあるパイプで室内干しをして、乾いたらそのまま隣接している家族共有のクローゼットにしまう。クローゼットを挟んで各部屋が配置されているため、極めて短い動線で洗濯が完結します。洗面カウンターは広めにとり、アイロンなどもここでできるようになっています。
作業効率を上げるだけでなく、家事空間をコンパクトにまとめることで他のスペースを大きく取れるため、
1階には将来ミュージックボックスや暖炉も置ける土間空間、2階は仕切ることで子供部屋にもなるリビングをつくりだすことができました。
コンパクトな敷地にありながら、様々な使い方ができる余白を残す住宅となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
周辺環境や生活スタイルの変化のことまで見据え、いつまでも心地よく暮らせる住宅となっていますね。
皆さまのお家づくりの参考になれば幸いです。

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