建築家に学ぶ、良いデザインとは

吹き抜けと土間空間のある家

外からの視線を考慮しながらも開放感をつくり出し、家事がしやすい動線にもこだわった戸田さんのデザインを見ていきましょう。

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建築家戸田 悟史

建築家 戸田 悟史
株式会社トダセイサクショ一級建築士事務所

1974年東京都生まれ。2009年にトダセイサクショ 一級建築士事務所を開設。
2016年に株式会社トダセイサクショ 一級建築士事務所を設立した。
「家」を考えている人の良き相談相手となり、コンシェルジュとしてその思い描く「イエ」を形にするお手伝いする、
それが戸田さんの信念です。
夢を実現するために要望を取り入れまとめあげ、同時に土地の個性や歴史を生かしてバランスのとれた設計を心がけています。

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周囲の視線も遮られ、居心地のよいデッキテラス。

外からの視線も気にならない、
居心地の良いデッキテラス

今回の敷地は、郊外にある小規模な開発宅地の一画です。住宅密集地の中で、どのように周りの視線を考慮するかが今回のポイントでした。
敷地の南側は路地状敷地の細長い通路になっていました。
戸田さんはこの部分を通路としてネガティブに捉えるのではなく、「建物が建つことがない空地」としてポジティブに考えました。
道路側から見たファサードは内部空間を連想させない閉鎖的な印象ですが、南側にデッキテラスをつくり開放感を与えました。
目隠しフェンスを高めにすることで、外からの視線が気にならないよう配慮されています。
お子様と遊んだりバーベキューをしたり、家族で過ごせる素敵な空間となっていますね。

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多目的な使い方のできる土間スペース。
自転車も置けるよう広めにつくられています。

土間を含めた回遊性のある動線

内部空間は、屋内に自転車を置くスペースが欲しいというご要望から、玄関スペースはつくらずに大き目の土間空間をつくりました。
玄関アプローチ部分に自転車用のスローブを設け、
そのまま玄関から入り自転車を置くことが出来ます。
土間を含めた回遊動線をつくり出すことで、土間をエントランスとしてだけでなく自由で柔軟な使い方ができるようにしました。
内と外をつなぐ土間スペースは、植物を置いたり、天候を気にせず作業ができたりなど、暮らしを豊かにしてくれそうです。

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南側と北側にある吹き抜けから自然光が降り注ぐ明るいリビング。

2つの吹き抜けから光を採り込む
明るいリビング

住宅密集地で採光を確保するために、戸田さんは南側と北側の階段部分に吹き抜けをつくりました。
2つの吹き抜けからの光で、家全体を明るくする計画です。
2階とウッドデッキ側の窓から光を採り込む形にすることで、外からの視線を気にせず安心して過ごせます。
吹き抜けがあることで視線が上に抜け、広がりを感じる明るいリビングになっています。
開放感とプライバシーを両立させるための戸田さんの創意工夫を感じるデザインですね。
明るくかつスムーズに家事を行えるよう、水回りはこの吹き抜けに面して配置しました。
働き盛りのご夫婦と成長期のお子様が、心地よく快適に暮らせる住宅となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
土間やデッキテラスをつくることにより、プライバシーを守りながらも外とのつながりを感じられる住宅デザインですね。
皆様のお家づくりの参考になれば幸いです。

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