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注文住宅の基礎知識

施主支給とは?メリット・デメリットや注意点について分かりやすく解説

更新日 2025.08.08 / 公開日 2025.08.04
#新築 #注文住宅 #一戸建て #マイホーム

施主支給は、お施主様自身で購入した設備を採用すること。購入や搬入をする手間が生じますが、設備の細かな部分までこだわったマイホームになるメリットがあります。今回は、施主支給について徹底解説します。トラブル防止のために注意すべきポイントもあるので、施主支給を考えている方は、最後まで必見です。

日当たりの良いグレーと白の落ち着いたダイニングキッチン
目次

風通しの良い住宅内の揺れるカーテン
写真②風通しの良い住宅内の揺れるカーテン-min.jpg 50.9 KB
施主支給とは、お施主様が自ら選んだ設備を、住宅に設置することをいいます。お施主様が設備の販売元へ直接注文し、購入。その後、届いた設備を工務店に渡して、取り付けます。こだわりの設備をマイホームに取り入れたい方には、施主支給も選択肢のひとつと言えます。ただし、本来は工務店などが行う発注・支払い・運搬などをお施主様が行うため、手間や時間がかかります。デメリットもあることを念頭に置いて、施主支給を検討しましょう。

MERITの文字とサムズアップのマーク
写真③MERITの文字とサムズアップのマーク-min.jpg 37.18 KB
まずは、施主支給を採用するメリットをご紹介します。
施主支給のメリットは、お施主様のこだわりを反映しやすい点です。設備をお施主様ご自身で選ぶため、素材・色・デザインなど細部までこだわったものを採用できるでしょう。標準仕様の場合は工務店が指定したメーカーの設備からでないと選べないことが多いですが、施主支給であれば選択肢の幅が広がります。
規定の設備よりも安価なものを採用すると、施主支給で費用を抑えられます。工務店で提案されている設備は、複数の仲介業者を経由してお施主様のもとに届きます。そのため、設備本体の価格に加えて工務店の利益分を上乗せしていますが、一方で、お施主様自身で販売会社から購入する施主支給では、その分がかからないため比較的安く入手できる傾向にあります。

また、施工会社経由の場合では入手するのが難しいセール品やアウトレット品を採用して、費用を抑えられるのも魅力です。ただし、施工費次第でかえってコストがかさむ可能性や、お施主様自身で買うよりも工務店の方が購買力が高いため、個人で1つの設備を買うときの金額よりも安くなる場合もあるので、予算や取り付けにかかる費用を工務店に確認したうえで、トータルコストが安くなるかを考えてから施主支給を検討してください。

>>参考コラム:注文住宅の相場はどのくらい?費用の内訳や予算計画を立てる際のポイントも!

DEMERITの文字とサムズダウンのマーク
写真④DEMERITの文字とサムズダウンのマーク-min.jpg 41.38 KB
施主支給のデメリットには、次の内容が挙げられます。
施主支給で用意した設備は、万が一設置中に破損したり住み始めてから不具合があったりしても、工務店の保証対象外に。明らかな取り付けミスや施工不良であれば対応できる可能性もありますが、基本的にはノークレームを条件にして施主支給に対応しています。そのため、施主支給は自己責任という点について理解しておく必要があるでしょう。

なお、国産の大手メーカーであれば、設備自体にメーカー保証が付いている場合があります。施主支給に使う設備を選ぶ際はこの点も考慮すると良いでしょう。
お施主様が設備を手配する施主支給では、予定していた日に商品が届いていないと工事に取り掛かれません。その他にも、数が足りない、実際に設置してみたら規格が合わなかったなどの理由により、工期が伸びる可能性があることがデメリットといえます。施主支給の場合は、いつまでに設備を搬入するべきか工務店に確認し、遅れないように手配しましょう。また、規格や量が適切かどうかを購入前に相談しておくと安心です。

>>参考コラム:家づくりの流れとは?マイホームに関する基礎知識や期間、注意点を徹底解説
施主支給品は、お施主様の理想通りの設備を導入できる反面、商品決定までに時間がかかります。さらに、製品の特徴について調べたり、住宅に使えるかどうか判断したりと、住宅に関する知識もある程度必要です。そのため、お施主様の負担となることも考えられます。

グレーと木目のダイニングキッチン
写真⑤佐賀県_グレーと木目のダイニングキッチン.JPG 496.62 KB
ここで、施主支給に向いている設備を見てみましょう。
後付けできるタイプの照明器具は、施主支給に選ばれやすいアイテムです。配線工事のみを工務店に依頼し、自分で取り付けることが可能なのでコストカットにもつながります。

ただし、埋め込み式の照明器具は構造が複雑なので、取り付けが難しいことがあるでしょう。また、照明本体のサイズが合わない、位置が悪いなど実際に設置すると不具合が生じる可能性も。そのため、設計段階で照明器具のサイズや種類を伝えておく必要があります。
部屋の雰囲気を左右するカーテンは、施主支給で用意することでよりお施主様の理想のマイホームに近付くでしょう。カーテンを取り扱う店舗に足を運んだり、ネット通販を利用したりして購入できます。カーテンレールを設置する場所には下地が必要になるため、レールの取り付け工事のみ工務店に依頼しましょう。また、カーテンボックスは設計段階で依頼する必要があるため、後から申し出ても作れない可能性があります。カーテンの場所・高さ・カーテンボックスの有無を設計に組み込んでおきましょう。
タオルハンガーは軽量で持ち込みやすく、保管場所にも困らないため施主支給に向いています。また、取り付け自体が簡単で、生活していくうえで破損した場合ももう一度購入して自分で設置し直せます。

素材や形、デザインが豊富で、トイレや洗面所などの雰囲気に合わせたアイテムを取り入れられるでしょう。施主支給でタオルハンガーを用意する際は、設置場所に下地補強をしてもらうと安心です。
ミラーも、マイホームをおしゃれにするアイテムのひとつ。標準仕様のミラーは、機能面を重視してシンプルな形のものが一般的です。姿見や洗面所のミラーのデザインにこだわると、デザイン性が高い家が叶うでしょう。

ミラーは割れ物なので、保管・搬入には細心の注意を払う必要があります。また、購入後は中身を取り出して検品し、破損がないことを確認してから搬入すると、工務店とのトラブルを防げるでしょう。
標準仕様のトイレットペーパーホルダーは比較的シンプルなデザインなので、高級感があるトイレの雰囲気にはマッチしないことも。せっかくこだわってデザインしても、トイレットペーパーホルダーが安物に見えると、全体的な印象を損ないかねません。

トイレットペーパーホルダーは小さなパーツですが、こだわることでおしゃれなトイレを演出できます。また、利便性を考慮すると設置位置が重要なので、設計に組み込むようにしましょう。
施主支給ではおしゃれなポストを採用することも可能です。ポストには、独立ポール式、埋め込み式、壁掛け式とさまざまなタイプがあります。なかでも壁掛け式のポストは壁に引っ掛けるだけなので、比較的簡単に取り付けられるでしょう。なお、ポストを施主支給で用意する場合は、外構工事が始まる前までに用意しておく必要があります。
家の顔である表札も、施主支給に向いています。素材には真鍮・アイアン・ステンレスなどさまざまな種類があることに加えて、フォントやサイズを指定できるので、家の外装に合うものを作れるでしょう。ネット通販で気軽に注文できるのが嬉しいポイントです。
屋外水栓は、外観にマッチしないものを選ぶと浮いてしまうことも。お客さんの目に触れやすい部分にこだわると、一層デザイン性を高められます。外観と統一感がある水栓を選ぶと、雰囲気を損なわずにおしゃれな印象になるでしょう。
エアコンは、施主支給にすることで費用を抑えやすい設備です。家電量販店やネットで数多く販売されているため、スペックや価格を簡単に比較できます。家電量販店であれば、設置工事まで担当してくれることが多いため、不安なく取り付けられるでしょう。ただし、外構工事が完了しておらず室外機が置けないというケースもあります。工事スケジュールを確認して、設置する日程を決めてください。

注意点としては、壁紙とエアコン本体の色が合わない可能性があるということです。統一感がある内装を目指すなら、本体の色にもこだわると良いでしょう。
食器を置くカップボードは、施主支給に選ばれやすい設備のひとつ。家族の人数や食器の量、身長を考慮して、お施主様のライフスタイルに合うアイテムを選んでください。サイズが合わない場合は、オーダーメイドで製作するとより一層生活が便利になります。

鉛筆を持ってチェックをいれるビジネスマン
写真⑥鉛筆を持ってチェックをいれるビジネスマン -min.jpg 44.13 KB
次に、施主支給で用意する際に注意するべき設備をご紹介します。
フローリングは施主支給可能ですが、素材選びに注意が必要です。
なぜなら、フローリングの厚みは設計段階から決めておく必要があるのと、発注するフローリングの量は、施工の歩留まりを考慮しておく必要があるためです。もしフローリングを施主支給したい場合は、工務店と詳細まで相談したうえで購入しましょう。
カスタマイズできる部分が多いキッチン。その分、コンロの左右の位置が違う、水栓が設置できない、搬入できないサイズだったなどトラブルが起きやすい設備です。施主支給に慣れているメーカーに絞ってキッチンを選ぶことで、トラブルを回避できるでしょう。メーカーと工務店とのやり取りも、慣れている業者であればスムーズです。

>>参考コラム:注文住宅ならこだわりのキッチンにしたい!失敗しない選び方やアイデア実例をご紹介
洗面ボウルは、水がはねやすいデザインのものがあります。もしも水はねしやすい洗面ボウルと木の天板を合わせてしまうと、毎日使う間に木材の腐食が進む要因に。耐久性や利便性、まわりの素材に考慮したうえで、選定しましょう。

また、設置には洗面ボウルだけでなく、水栓と排水皿、排水パイプが必要です。付属品が全て揃っているか、問題なく組み合わせられるかを必ずチェックしましょう。

>>参考コラム:おしゃれな洗面台の注文住宅事例15選!家づくりのヒントとして活用しよう

○×マークの積み木と手
写真⑦○×マークの積み木と手-min.jpg 47.41 KB
お施主様の要望を取り入れられる施主支給ですが、向かない設備もあります。
ネット通販では施主支給用のユニットバスが購入できますが、不具合が起きた際に交換が難しい設備は施主支給に向きません。また、設置工事の際に他の業者の方が出入りすると、日程の調整や混乱を招く要因に。工務店の工事に支障をきたすこともあるため、施主支給は控えるのがベターです。
家の性能や安全性保障できないものは、施主支給を選ばないようにしましょう。柱、基礎、床材、外壁材などは工務店が提供するなかから選び、安全性を確保したマイホームを建ててください。

ステップ
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マイホームで施主支給を依頼する場合は、下記の流れになります。
まずは、施主支給に関する情報を集めましょう。カタログや情報誌などを見て、イメージを固めます。
次に、施主支給を希望していることを打ち合わせで伝えます。伝えるのが契約後になってしまうと、見積もりが変わったり、そもそも設置できなかったりといった可能性も。施主支給品は設計図や施工の工程表に記載するため、可能な限り早めに伝えるようにしましょう。

施主支給における条件や施工費用も、このタイミングで確認します。また、施主支給品を購入し設置するまでの工程において、お施主様がどこまで担当するのか、どの段階から工務店が作業をするのかを明確にしておく必要があります。トラブルを防ぐために双方で同じメモを用意したり、場合によっては責任の所在を決めた覚書を用意したりしましょう。
続いて、希望に合う商品を決定。購入前に一度工務店に商品情報を共有し、設置可能かどうかを確認してから購入します。施主支給を前提に、取り付け説明書を公開しているネットショップもあるので、検討してみてください。また、キッチンなどの設備を施主支給で用意する場合は、一度販売会社のショールームに足を運ぶのがおすすめです。
施主支給する設備は、施工予定日の前日に搬入できるように手配しましょう。工事予定日に設備がないと、工期が伸びる要因になりかねません。海外製品など納品日がいつになるか分からない設備は、トラブル防止の観点から施主支給しない方が安心です。
工事後には、希望した通りに設置されているかを確かめます。実際に建設現場に足を運び、チェックすると良いでしょう。

4つのチェックリストを確認する人々
写真⑨4つのチェックリストを確認する人々-min.jpg 43.72 KB
施主支給を採用する際は、以下のポイントに注意しましょう。
ネット通販を利用して施主支給品を選ぶと、イメージと異なるものが届く可能性があります。とくに、繊細な色合いや質感は、写真と実物で違いが生じやすくなるでしょう。
施主支給に関わる費用を住宅ローンに組み込めるかどうかは、金融機関やローンの種類によって異なります。また、住宅ローンに組み込めたとしても、内容に制限があることも。そのため、契約書をチェックしたり、金融機関の担当者に問い合わせたりして、ローンに組み込めるか確認しましょう。

>>参考コラム:【保存版】住宅ローン完全攻略ガイド!金利タイプやシミュレーションも
壁紙、フローリング、タイルなどは、加工の工程である程度のロスが生じます。そのため、余裕をもった量を発注するようにしましょう。もしも途中で不足すると、材料が届くまで工事が止まってしまい、工期が伸びる要因になります。
施主支給に対応できる範囲は、工務店やハウスメーカーによって異なります。お施主様の要望によってはデザインを調整しなくてはならない場面があり、保管場所に困る可能性も。また、万が一破損や不具合があった場合には、トラブルを生む恐れがあるでしょう。そのため、工務店やハウスメーカーによっては、施主支給を嫌う場合があるのです。

施主支給は、お施主様のご要望を住宅のデザインに反映する手段のひとつです。しかし、肝心なのは、建物全体をどのようにコーディネートするかという点です。施主支給にこだわらず、家全体のデザインを鑑みて検討すると良いでしょう。

吹き出しにプランAプランBの文字
写真⑩吹き出しにプランAプランBの文字-min.jpg 49.09 KB
お施主様が希望する設備を取り入れる手段には、施主支給のほかに施主指定というものもあります。施主支給と施主指定の特徴をまとめました。

施主支給 ・商品選び、発注、支払い、受け取り、搬入作業をお施主様が担当する
・工務店経由で支払えない場合は住宅ローン対象外に
・万が一トラブルが発生した場合、お施主様が対応する必要がある
・工務店によっては対応していないこともある
施主指定 ・お施主様は希望の設備を選ぶだけで良い
・発注、受け取り、保管、搬入、設置まで工務店が対応する
・洗面ボウルなどの保管に困る設備におすすめ
・施主支給はNGでも施主指定なら対応している工務店もある
・設備代金を住宅ローンに組み込める


施主指定は、施主支給よりもお施主様の負担が少なく済みます。また、工務店によってはトラブルのリスクが少ない施主指定の方が好まれることもあるでしょう。なお、施主支給と施主指定は、どちらか一方を選択しなければいけないというわけではありません。バランスよく組み合わせて、お施主様の要望を実現してください。
マイホームの設備を施主支給で用意すると、より理想のマイホームに近付きます。しかし、施主支給に向かない設備やデメリット、注意点についてきちんと理解できていないと後悔することも。今回ご紹介した内容を参考に、施主支給を賢く取り入れてください。
R+houseネットワークの工務店では、建築家と連携して家づくりを行います。R+houseネットワークの登録建築家がお施主様の声に真摯に耳を傾け、ライフプランや理想の暮らしなどの希望をプランに反映させます。また、機能性やデザイン性に優れた設備を標準仕様にしています。住宅をトータルコーディネートするR+houseネットワークの工務店で、理想のマイホームを建てませんか。

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