バリアフリーとは?
バリアフリーとは、生活の中で障害となる段差や狭い通路などのバリア(障壁)を取り除くことです。住宅においては段差の解消、手すりの設置、通路幅の確保などが挙げられます。建築段階でバリアフリーに配慮しておくと、つまずきや転倒を防げるため、高齢者や介護が必要な方に限らず、小さなお子さまにとっても安心・安全な住まいになります。
平屋をバリアフリーにするメリット
写真②新築住宅のバリアフリー .jpg 73.66 KBここからは、平屋をバリアフリーにするメリットを解説します。
家族が安全に暮らせる
生活しやすい動線が作れる
生活や家事の動線をコンパクトにできるのが平屋ならではのメリットです。階段移動がないため、部屋の移動や水回りの位置など工夫した間取りにすれば、家族全員が暮らしやすくなります。部屋移動のストレスがないことは、介護する側もされる側も心身の負担が軽減できるでしょう。
家族とのコミュニケーションが増える
家族と顔を合わせやすいのが平屋の特徴です。リビングを中心に各部屋に移動する間取りにすると、自然に家族とコミュニケーションが取れるでしょう。子どもがいる家庭は、成長するにつれ、言葉を交わさないことが増えるかもしれませんが、毎日顔を合わせるだけでも様子がわかるので安心できます。
将来的に安心できる
2階建ての場合、若いうちは階段の上り下りが楽にできても、高齢になると階段の昇り降りが負担になることがあります。また、バリアフリー住宅へリフォームするにあたり、小規模なリフォームであれば数万円からできますが、大規模リフォームの場合は数百万~1,000万円を超えることもあり、補助金を活用しても大きな出費となります。さらに、工事日数も考慮しなければならず、急な介護が必要になったときに不便です。
その点、新築時点で平屋をバリアフリー化しておくと、大掛かりなリフォームは必要なく、大きな出費もかからないので安心して生活できます。
メンテナンスがしやすい
快適な住まいを維持するには、定期的なメンテナンスが必要です。平屋は、屋根や外壁のメンテナンス時に、2階建てに比べて大掛かりな足場を組まなくていいため、コストを抑えられます。また、2階建てより住宅内の設備がシンプルなため、その分のコストや手間も削減できます。
平屋をバリアフリーにする際の課題
平屋をバリアフリーにするにあたり、起こりうる課題も確認しておきましょう。
広い土地が必要でコストがかかる
ワンフロアにすべての部屋を収める平屋は、ある程度広い土地が必要です。住宅は敷地面積いっぱいに建てられるわけではなく、自治体ごとに建ぺい率と容積率が決まっています。希望する平屋を建てるために、土地を購入する場合は、その分の土地代もかかります。また、バリアフリー設備を取り入れることで建築費が上がることもあります。
ただし、お住まいの自治体によっては、バリアフリー改修や新築に対して補助金や助成金制度がある場合も。事前に調べておくとよいでしょう。>>参考コラム:平屋を注文住宅で建てるには?費用相場や土地選びのポイントを解説
周辺環境やプライバシー
高い建物が隣接していると日当たりや風通しが悪くなるおそれがあります。窓の位置や数をはじめ、L字型やコの字型、ロの字型など間取りを工夫すると光と風を取り入れやすくなります。
また、周囲から視界に入りやすいことで、プライバシーや防犯面が気になる方もいるでしょう。フェンスや防犯カメラ、センサーライトなどを設置してプライバシーの確保と防犯対策を行ってください。
浸水被害のリスクがある
将来を見据えた設計が必要
家族の誰かがいつ介護状態になるかわからないため、今だけでなく将来を見据えた間取りを考える必要があります。新築時点で動線を意識する、段差をなくし通路幅を広めにとる、廊下や階段、寝室などに手すりを設置するといった対策を講じておくと老後も安心です。一方で、「若いうちは手すりだらけの家にしたくない」という方もいるかもしれません。その場合は、将来的に手すりが必要になりそうな部分に下地を入れておくだけでも、下地がない場合に比べて費用を軽減できるため、担当者に相談するといいでしょう。
R+houseネットワークの登録建築家は、現在の暮らしと将来の変化の両方に対応できるプランをご提案します。また、機能性とデザイン性を両立した、快適な住まいを実現します。
>>参考コラム:建築家と注文住宅を建てる魅力とは? 3つのメリットと建築家住宅の実例
平屋をバリアフリーにする際の工夫ポイント
平屋をバリアフリーにする際、段差をなくす以外に以下のようなポイントを取り入れると、子どもから高齢者、介護が必要になったときも安全かつ快適に暮らせます。
・通路やドアなどの幅を広くとる
・ドアや壁の数を減らす
・引き戸にする
・滑りにくい床材を採用する
・人感センサー照明を採用する
・住宅性能を意識する通路やドア幅などを広くすることで、手すりの設置や車いす対応がしやすくなります。一般的な住宅の通路幅やドア幅は約70~80cmですが、90cm以上にすると介護状態になったときに暮らしやすくなるでしょう。また、生活に支障のない範囲でドアや壁の数を減らすと、移動の負担が減りコストダウンにもつながります。
出入り頻度が高い場所は、ドアを引き戸にすると、力が弱い方も開閉しやすくなるのでおすすめです。
滑りにくい床材は、子どもから高齢者までケガのリスクが軽減できます。キッチンや洗面所など濡れやすい場所は、クッションフロアを選ぶといいでしょう。さらに、玄関やトイレなど一時的に使用する場所には、人感センサー照明を採用するとスイッチのオンオフによる転倒リスクと電気の消し忘れもなくなります。
部屋ごとの温度差をなくすこともバリアフリーの1つです。
バリアフリー化は物理的な配慮だけでなく、室温差によるヒートショック対策にもつながります。住宅性能を高めることで、健康で快適な暮らしが実現します。>>参考コラム:注文住宅を建てるなら性能が重要!住宅性能の種類からメリットまで解説
バリアフリーを取り入れた平屋の施工事例
ここからは全国のR+houseネットワークの工務店が手掛けた、バリアフリーを取り入れた平屋の施工事例を7件紹介します。家づくりの参考にしてください。
車いすなどでアプローチしやすい平屋
玄関へのアクセスがしやすい平屋
写真⑤手すりとスロープ付きの玄関 .jpeg 77.86 KB延床面積96.88㎡(29.30坪)の平屋です。グレーの外壁にセメントの外装材をアクセントとして採用し、スタイリッシュさが感じられます。
階段に手すりとスロープがあり、玄関ドアは引き戸を採用しています。子どもから高齢者、車いすを利用される方それぞれが安心して使える玄関です。
写真⑥回遊動線のある明るいリビング.jpeg 46.31 KB高窓から明るい光が差し込むリビングです。
リビングを中心にコの字型の回遊動線を採用し、ストレスなく暮らせる住まいを実現。ホワイトとブラック、グレーでまとめられており、シンプルかつスタイリッシュな空間になりました。また、段差がないため家族全員が安心して生活できます。
>>施工事例:愛知県田原市「家族が寄り添う平屋の家」>>参考コラム:おしゃれなリビングの注文住宅を建てるには?ポイントや実例をご紹介
家事がしやすい回遊動線の平屋
家族が集いながら個々でも楽しめる平屋
写真⑨玄関屋根を伸ばした駐車スペース.jpeg 83.41 KB延床面積115.69㎡(34.99坪)の平屋です。
玄関の屋根を伸ばし、駐車スペースとすることで天気が悪くても車に乗り降りしやすくなっています。
写真⑩木目リビングと畳スペース.jpeg 102.87 KB家の中心に配置したリビングは、家族が自然と集う温かみある場所に。白のクロスに木目の床材とキッチンが優しい印象を与えます。日差しもたっぷり入り込むので明るい空間になりました。
リビングの隣にあるのは、お施主様お気に入りの畳スペースです。
一人でゆっくりするのはもちろん、一段高くなっているため腰掛けることができ、リビングにいる家族とコミュニケーションも取れます。>>施工事例:愛知県西尾市「家族が集い、個々でも楽しめる開放的な平屋」
高級ホテルのような広々としたお風呂がある平屋
細長い大きな屋根が特徴の平屋
写真⑬ カーポートと軒が続く平屋.jpeg 80.39 KB延床面積120.90㎡(36.57坪)の平屋です。白い外壁に側面の木目が青空に映えます。
カーポートと軒(のき)が続いていることで雨や雪に濡れず、車への乗り降りや荷物の出し入れがしやすくなっています。
写真⑭高天井で開放的なリビング.jpeg 85.06 KB天井の高いリビングダイニングです。上部の窓とハイサイドライトで光を取り入れ明るく開放的な空間に仕上げました。
右手の小上がりの畳スペースは、子どもの遊び場や昼寝、客間などさまざまな用途に使えます。
写真⑮広々としたカウンター付きトイレ.jpeg 30.02 KBこちらは広々としたトイレです。
小物やお花を置けるカウンターは、手すり代わりにもなって足腰が弱ったときに役立ちます。>>施工事例:新潟県長岡市「離合集散 個室群住居」>>参考コラム:【トイレ】お洒落な施工事例24選!デザインのポイントも解説
玄関ホールが広々とした平屋
写真⑯広々とした玄関ホールとサーフボード.jpeg 58.89 KB延床面積363.3㎡(109.9坪)の平屋です。サーフィンが趣味のお施主様のため、3mのサーフボードが置けるよう玄関ホールは広々としています。
車いすを利用する場合もスムーズに通れるので安心です。
写真⑰中庭に面した段差なしリビング.jpeg 92.79 KBこちらは、中庭に面した段差のないフラットなリビングです。壁面にはたくさんの本を収納できるスペースを設けました。
カーテンを開けていても人目が気にならないので、開放的に生活できます。>>施工事例:千葉県旭市「読書好きと猫が憩う中庭のある平屋」
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