住宅ローン5,000万円を組む前に知っておくべき基本情報
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新築で注文住宅を建てるとき、取得にかかるすべての費用を住宅ローンでまかなうケースは少ないでしょう。頭金を支払い、残りを住宅ローンで返済するのが一般的です。そのため、5,000万円の住宅ローンを組む場合、取得する物件価格は、5,000万円以上になることがほとんど。そこで、5,000万円の住宅ローンを組む前に知っておきたい基本情報を、5,000万円の新築注文住宅の取得を前提として具体的に解説します。
物件価格5,000万円の住宅取得にはいくら必要?
物件価格が5,000万円の新築注文住宅を取得するのに必要な金額の目安は5,350万円です。5,000万円の新築注文住宅を取得する場合、建物や土地を含む物件価格の他にも諸費用が5~7%発生すると言われています。そのため、物件価格の5,000万円に加えて、おおよそ250万~350万円の費用が発生すると考えておくと良いでしょう。
新築注文住宅にかかる諸費用
新築注文住宅の取得に必要な諸費用の例は以下の通りです。
・不動産売買契約書の印紙代
・所有権保存・移転登記の費用
・建物表題登記の費用
・火災・地震保険料
・不動産取得税
・金銭消費貸借契約書の印紙代
・融資手数料
・ローン保証料
・抵当権設定登記の費用住宅取得の条件によって、項目が異なるため、詳しくは依頼する工務店や住宅ローンを組む金融機関などに確認してください。また、建築時の諸費用以外にも、購入後、固定資産税や都市計画税などの支払いが毎年続くことも頭に入れておきましょう。
>>参考コラム:注文住宅の購入には諸費用がかかる!項目や費用の目安を知っておこう
5,000万円の住宅ローンの返済負担は?
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「5,000万円の住宅ローン」と聞くと、多くの方が「自分に返済できるだろうか…」と大きな不安を感じるでしょう。返済負担を考える際に重要なのが、家計とのバランスです。ここでは、5,000万円の住宅ローンを無理なく返済できる年収の目安や計算方法を紹介します。また、共働き世帯が住宅ローンを組むときのリスクもチェックしましょう。
年収倍率・返済負担率とは?無理せず返せる住宅ローンの目安
5,000万円のローンを組んだとき、無理なく返済できる年収は850万円以上です。住宅ローンの金額を決めるときによく耳にする返済負担率。これは、年収のうち、どれくらいの割合を住宅ローンの返済に充てるかを示す指標で、一般的には25%以内に抑えるのが良いとされています。
例えば、借入額5,000万円・固定金利年2.00%・元利均等返済・35年ローンの場合、返済負担率が25%以下となるのは約795万円です。ただし、住宅ローンのプランや利率によって変動があることを理解しておく必要があります。
つづいて、年収倍率の観点から見ていきましょう。住宅ローンの借入額は、一般的に年収の5~6倍に収めるのが理想と言われています。
借入額を5,000万円として計算すると、約833万~1,000万円です。しかし、2023年度の「フラット35利用者調査」を見ると、実際の全国平均年収倍率は、土地付き注文住宅が7.6倍、注文住宅が7.0倍と少し高めが現状です。とはいえ、余裕を持って5,000万円の住宅ローンを返済できる年収は、返済負担率と年収倍率の両方をクリアした850万円以上と言えるでしょう。
参考元:住宅金融支援機構
共働き世帯のペアローン・収入合算による返済可能性とリスク
5,000万円と高額の住宅ローンを組む場合、夫婦のどちらか1人の収入では借りられないケースも。そんなときに利用できるのが、「収入合算」や「ペアローン」です。収入合算は、夫婦の収入を合わせて1つのローンを組む方法を指します。収入合算者が連帯保証人となる必要がある点が、単独ローンとの違いです。一方、ペアローンは、夫が3,000万円、妻が2,000万円とそれぞれ独立したローンを組む方法です。共働き世帯は、ペアローンや収入合算を利用することで、5,000万円の借入額が叶うかもしれません。
その一方で、リスクも忘れてはいけません。例えば、出産や子育てによって妻の収入が減る可能性も。夫が2人分の負担をしなければならないため、返済が難しくなります。また、ペアローンでは、返済中に離婚が決まった場合もトラブルの原因に。さらに、夫婦のどちらかが亡くなった場合も、もう一方のローン返済は残ることを頭に入れておく必要があります。
負担軽減の選択肢|繰り上げ返済の方法とデメリット
住宅ローンには、毎月コツコツ返済していく以外にも支払い方法の選択肢があります。例えば、ボーナス払いによる繰り上げ返済です。
ボーナスで繰り上げ返済をすることで、ローン残高が減り、利息分の支払い額を抑えられます。繰り上げ返済では「期間短縮型」・「返済軽減型」の2パターンで今後の負担を減らすことが可能です。「期間短縮型」は、繰り上げ返済後も毎月の返済額を変更せずに支払い継続。完済までの期間が短くなります。一方「返済額軽減型」は、繰り上げ返済分を毎月の支払い額から差し引く方法です。完済期間は変わらず、毎月の負担を減らすことができます。
しかし、繰り上げ返済には、デメリットも。
例えば、支払い期間が10年未満になった場合、住宅ローン控除の利用ができなくなります。手元の生活資金も少なくなるため、無理なボーナス払いはおすすめしません。
参考元:国土交通省|住宅ローン減税
負担軽減の選択肢|借り換えの方法と注意点
別の金融機関で住宅ローンを新たに組み、現在利用中の住宅ローンを一括返済することを借り換えと言います。
現在借りている住宅ローンよりも低金利で借りることで、毎月の負担を軽減できます。しかし、借り換えには注意点があるのも事実です。借り換え時の前提条件として、以下のポイントを抑えておきましょう。
・同じ金融機関での借り換えはできない
・借り換え先の金融機関で諸費用が発生する・「単独ローンからペアローン」など形態の変更はできない
・返済期間を延ばすことはできない
一般的に、現在の住宅ローンと比較して、借り換え先の金利の差が年1%以上あると、メリットが大きくなるといわれています。また、残高が1,000万円以上残っていて、返済期間が10年以上ある場合は、借り換えを検討してみても良いかもしれません。
>>参考コラム:住宅ローンは金利が大事!0.1%の違いで返済額はどのくらい変わるのか解説
住宅ローン5,000万円の返済シミュレーション
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5,000万円の住宅ローンの返済をさまざまなパターンでシミュレーションをしたので、ぜひ参考にしてみてください。
35年ローンで月々の返済額はいくら?元利均等・元金均等返済で比較
まず、35年ローンのシミュレーションです。ここでは、元利均等返済と元金均等返済の2パターンを比較します。
元利均等返済とは、毎月返済する額(利息+元金)が一定になる返済方法のことです。
利息の高い返済開始当初の支払い額は抑えられますが、借入金の残高の減りがゆるやかになります。そして、元金均等返済は、毎月返済する金額のうち、元金が一定となる返済方法です。借入残高分の利息が元金にプラスされるため、返済開始当初の支払い額が多くなります。しかし、残高の減りが早いため、利息の割合も減少。
トータルで考えると、元金均等返済のほうが支払い額は少なくなります。では、シミュレーション結果を見ていきましょう。
【比較条件】
・借入額は5,000万円
・固定金利年2.00%
・ボーナス返済なし
|
元利均等返済(A) |
元金均等返済(B) |
差額(A-B) |
1ヶ月 |
165,631円 |
202,381円 |
-36,750円 |
10年0ヶ月目 |
165,631円 |
180,952円 |
-15,321円 |
20年0カ月目 |
165,631円 |
157,143円 |
8,488円 |
35年0ヶ月目 |
165,631円 |
121,429円 |
44,202円 |
合計返済額 |
69,565,020円 |
67,541,667円 |
2,023,353円 |
利息合計 |
19,565,020円 |
17,541,666円 |
2,023,353円 |
1ヶ月目では、元利均等返済のほうが支払い額を36,750円も抑えられています。
しかし、トータルでは、元金均等返済のほうが約202万円も少ないことがわかります。
共働き世帯の返済額は?収入合算・ペアローンを検証
続いて、収入合算とペアローンの返済シミュレーションを年収別にみていきましょう。
シミュレーションの条件は以下の通りです。
【比較条件】
・借入額は5,000万円
・固定金利年2.00%
・ボーナス返済なし
・返済期間35年
・元利均等返済
【収入合算】年収:夫700万+妻200万
35年ローンにて返済額のシミュレーションを行った通り、月々の返済金額は165,631円です。夫婦の合計年収が900万円あるため、年収倍率・返済負担率のどちらの観点から見ても、月々の返済は余裕を持って行えるでしょう。
【ペアローン】年収:夫600万・妻400万
夫が3,000万円・妻が2,000万円のペアローンを組むケースをシミュレーションしてみました。
|
夫 |
妻 |
合計 |
月々の支払い額 |
99,378円 |
66,252円 |
165,630円 |
総支払い額 |
41,738,968円 |
27,825,861円 |
69,564,829円 |
月々の支払いは、それぞれの年収の25%以内に収まっています。ただし、総支払い額は約6,956万円となり、単独ローン(元金均等返済)を組んだときの約6,754万円よりも多くなっているので注意しましょう。
繰り上げ返済を利用したら?期間短縮型・返済軽減型の比較
以下の条件で比較しました。
【比較条件】
・借入額は5,000万円
・固定金利年2.00%
・5年目に200万円の繰り上げ返済・返済期間35年
・元利均等返済
|
繰り上げなし |
期間短縮型 |
返済軽減型 |
月々の支払い額 |
165,631円 |
165,631円 |
165,631円 |
ボーナス月返済額 |
165,631円 |
165,631円 |
158,238円 |
返済期間 |
35年 |
33年3ヶ月 |
35年 |
総支払い額 |
69,565,020円 |
68,028,803円 |
68,903,540円 |
同額の繰り上げ返済を行う場合、期間短縮型のほうがトータル金額は少なくなります。とはいえ「月々の返済が苦しい」と感じている方は、返済軽減型が良いでしょう。シミュレーションを参考にして、家庭の状況に合わせて、適切な返済方法を選択してみてください。
>>参考コラム:【保存版】住宅ローン完全攻略ガイド!金利タイプやシミュレーションも
住宅ローン5,000万円の後悔を回避するポイント
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5,000万円という住宅ローンは、多くの方にとって人生で一番の大きな買い物であり、不安を感じるのも当然です。そこで最後に、5,000万円の住宅ローンで後悔を回避するポイントを紹介します。5,000万円の住宅ローンを組む際は、以下の3つのポイントに留意しましょう。
・資金計画は入念に行う
・保険や減税制度を活用する
・変動金利のリスクを理解しておく資金計画を立てる際には、現在借りられる額ではなく、返済可能額を知ることが大切です。そこで、R+houseネットワークの工務店では、教育費や年金など、ライフプランを考慮したシミュレーションを実施。また、種類や返済方法、金利プランなど、住宅ローンに関する疑問にも、丁寧にお答えいたします。「しっかり返済できるかな?」と不安な方は、ぜひR+houseネットワークの工務店にご相談ください。
>>参考コラム:注文住宅を建てるときに資金計画は必要?重要性と計画の立て方を解説
マイホームの資金計画ならR+houseネットワークの工務店にお任せください
写真⑥岡山県_白い外壁に木目が映える外観.jpg 229.52 KB5,000万円の住宅ローンを組むには、年収850万円以上が理想です。「年収が少なくても借りられるから」と無理をしてしまうと、最悪の場合、マイホームを手放さざるを得ない可能性も。この記事を参考に、ご自身に合ったローンプランを選択しましょう。
R+houseネットワークの工務店では、今後必要となる教育費や生活費なども考慮した資金計画をサポートいたします。また「無理な返済計画は立てたくないけれど、住宅性能もこだわりたい」という方も多いでしょう。R+houseネットワークの工務店では、独自のコストを抑える仕組みによって、性能を確保しながら手の届く価格を実現しています。予算内でこだわりの注文住宅づくりを叶えたい方は、ぜひお近くのR+houseネットワークの工務店へご相談ください。
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