NewsLetter vol.65 自宅リトリートを叶えるプライベート空間
ニュースレター
R+houseネットワークの施工事例から、今回は桟橋を架ける暮らしをご紹介します。
広大な敷地を前に、自分たちだけの閉ざされた楽園を築くのではなく「地域へ開く」ことを選んだお施主様。その美しき直感に応え、東の「水の流れ」(高津川)と西の「人の流れ」(国道)へと差し出すように、一本の「桟橋」を架けました。
西側外観。生活のプライバシーを確保しつつ、コモンスペース「みんなの船着場」を地域に向けてひらく佇まいです。
西側外観。生活のプライバシーを確保しつつ、コモンスペース「みんなの船着場」を地域に向けてひらく佇まいです。
「 みんなのスロープ」から、「みんなの船着場」と敷地の東側に広がる山並みを見通せます。
土間を挟んだ「離れ」、普段はご主人の仕事部屋として、来客時にはセカンドリビングとして使用。
上部のハイサイドライトからは自然光が差し込みます。
上部のハイサイドライトからは自然光が差し込みます。
LDKはプライベートな寝室空間と共用土間を緩やかにつなぐ緩衝帯としても機能しています。
建物は温熱的には分棟となるが、単一系統のシステムで全体の換気をまかなうダクトスペース計画。
仕切りの合間に視線が通り、奥の緑と光が覗く、木のぬくもりが広がる将来分割可能なフリースペース。
仕切りの合間に視線が通り、奥の緑と光が覗く、木のぬくもりが広がる将来分割可能なフリースペース。
木の表情と「水の流れ」に面する爽やかなサニタリーゾーンが織りなす美しい対比
高津川から建物を見る。
住宅の設計は、住み手のみなさまと共に「これが自分たちのための場所だ」と思えるような家のあり方を探す作業だと考えています。
新しい「家」が生まれるプロセスに参加できることを楽しみにしています。
R+house登録建築家、島崎 衛先生におススメ “ケンチク”を聞いてみました。
今回ご紹介するのは、何度か訪れている長野県軽井沢町にある「石の教会 内村鑑三記念堂」です。大学院生の頃、設計の道に進む意志を固めたきっかけは、フランスのロンシャン礼拝堂でした。内部に差し込む光を見て、「ああ、建築はいいな」と思ったのです。石の教会を訪れたとき、あの時の感覚が蘇りました。幾重にも連なる石とガラス、その間から差し込む光。軽井沢の森に包まれ、まるで大地から生まれたように、静かに力強く佇んでいます。造形の美しさだけではなく、その土地に根を下ろし、そこにあり続ける姿に惹かれます。いつか教会を設計したいという想いとともに、今、日々向き合うのは主に住宅です。家もまた、時間を重ねながら、そこに暮らす家族を静かに支え、ふとした瞬間に「ああ、いい建築だな」と思ってもらえる存在でありたいと思っています。
Architect:ケンドリック・バングス・ケロッグ
Location:長野県軽井沢町
豊かな森に包まれ、大地の一部が隆起したように、静かで力強く佇む石の教会。
豊かな森に包まれ、大地の一部が隆起したように、静かで力強く佇む石の教会。
石積みのアプローチが建築へと連なり、訪れる人を静かな祈りの場へ導きます。
曲線を描く石積みの壁に導かれながら、森の中を歩くように建築へ近づきます。
日本の古語で「さび」の語源となる言葉
「然帯(さおび)」
時間の経過を許容する美しさや経年の変化
時間を経てなお在り続ける美しさ
人それぞれにずっと心地よくいられる空間をともに創ります
富山県生まれ
1997年 明治大学工学部建築学科卒業(建築設計・地域計画を専攻)
1999年 千葉大学大学院修士課程デザイン科学専攻
(都市デザインを専攻)卒業
2002年 (株)キタムラアソシエイツ一級建築士事務所、
(有)ハイプロジェクト一級建築士事務所を経て、
モノ*デザイン設立
2005年 一級建築士事務所モノデザイン・アーキテクツへ改名
2006年 一級建築士事務所サオビ共同設立
2010年 株式会社サオビ法人化
趣味:サッカー、写真、家庭菜園
R+house登録建築家、筒井 達也先生におススメ “ライフ”を聞いてみました。
自宅を設計するとき、「人をたくさん呼べる家にしたい」と考えていました。ですが限られた面積の中で、家族の居場所と来客のスペースをそれぞれつくるのは難しいものです。そこで我が家ではキッチンカウンターを少し大きくつくることにしました。普段は季節の飾り物や植物を置いているのですが、友人が集まると料理やお酒が並び、自然と人が集まる場所になります。来客のために新たな場所をつくるのではなく、もともと必要な場所を少し広げて兼ねる。そうすることで、家族のダイニングもしっかり確保できました。
リビングからキッチンカウンターを越えてダイニングスペースがあります。
リビングからキッチンカウンターを越えてダイニングスペースがあります。
この日は両親を招いて娘の誕生日パーティを開きました。
普遍的で美しい住宅。
周辺 / 敷地 / 家族にとって自然な環境であることを目指します。
1995年 福岡県生まれ
2017年 西日本工業大学 建築学科 卒業
2019年 九州大学大学院 統合新領域学府 修了
2019年 ろく設計室 入社
2022年 FANFARE Co.,Ltd. 入社
趣味 良いデザインのプロダクトをリサーチ
お笑いコンテンツの消費
R+house編集部から家づくりに関するコラムをお届けします。
中古戸建を購入し、予算と戦いながら自力でパズルを組み替えるように間取りを考え、リフォームしたのが4 年前。図面とにらめっこしながら自分の手で試行錯誤して形にした空間は、今でも愛着のある大切な我が家です。けれど、いま携わっている仕事を通じて建築家が手掛ける住まいに触れる機会が増えるにつれ、ふと、自分が解いたパズルの「その先」にあったはずの可能性について考えるようになりました。私がやったのは「限られた枠内にどう納めるか」というレイアウトの作業で、プロの視点はそのずっと先にあります。もし建築家がこの家をゼロから見つめ直したら、南側の隣家をどうかわし、冬の低い光をどの角度から引き込むのか。限られた制約の中であっても、視線を外へ逃がす窓の工夫で実際の坪数以上の広がりを演出し、風の通り道まで計算し尽くした空間を描いたはず。豊富な知識と丁寧なヒアリングを通じて、私自身も気づいていない「本当の心地よさ」を引き出し、空間へと落とし込んでいく。自分では想像もつかない提案によって、住まいの可能性が最大限に引き出された暮らしが生まれていたかもしれない・・・そう思うと「プロとつくる家づくり」にしかない価値に、心惹かれずにはいられません。もし、我が家を一から建て直せるのであれば、あるいはプロの手で再び形にできるのであれば・・・などと、愛おしい我が家で贅沢な妄想を膨らませる日々です。
(編集部 M.H.)
我が家には4 歳の男の子がいます。それは元気で、毎日飛び跳ね、何かを作り、何かを書き、とても忙しそうです。新居にダイニングテーブルを迎えた時、お店の方からは汚れ防止のテーブルマットをお勧めされました。でも、私たちはあえてそのまま使うことにしました。時間とともに変わっていく風合いを楽しむのもいいものだよ、と聞いたからです。今、そのテーブルには、子どもがもっと小さな頃にスプーンで叩いた小さな凹みや、私が熱いお鍋を置いて焦がしてしまった跡が残っています。ふと足元を見れば、床にもおもちゃを投げてできた正体不明の傷がたくさん。もちろん、すべてを笑って許せるわけではありません。リビングのカーテンに豪快にお絵描きされた時は、さすがに雷を落としました。それでも、家の中を傷ひとつなく綺麗に保ち続けることだけが正解ではない
(編集部 S.H.)