市街化調整区域とは?まずは基本情報をチェック
写真②計算機と家の模型と図面.jpg 231.71 KBはじめに、市街化調整区域の基本情報について解説します。
市街化調整区域の定義と都市計画法
家づくりで土地を探していると耳にする「市街化調整区域」という言葉。市街化調整区域とは、都市計画法という法律に基づいて設定された「市街化を抑えるために指定された区域」を指します。簡単にいうと、自然や農地を守るために勝手に建物が建てられないエリアです。
仮に、制限無くどこでも建築可能な場合は、無秩序に家や施設が建てられて自然が壊されてしまいます。さらに、道路や公園など市民が使うものを整備する費用が膨大になるといったデメリットが生じるでしょう。そこで制定されたのが都市計画法です。都市計画法では、市街地を中心に積極的に開発を進めるエリアとして「都市計画区域」を制定。さらに、都市計画区域は「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けられます。
市街化区域
市街化区域は、すでに住宅地として使われているエリアや優先的に市街化を進める区域のこと。原則として、市街化調整区域よりも開発を自由に行えて、インフラが優先的に整備されます。
市街化調整区域
市街化調整区域が指定される理由
市街化調整区域は、スプロール現象を防ぐために指定されます。スプロール現象は都心から郊外へ向かって無秩序に開発が広がっていく現象のこと。住宅が点在して道路や上下水道などの整備が行き届かなくなることで、暮らしにくい住宅地ができてしまいます。また、自然や農地が減少して農業ができなくなり、結果的に食料確保が難しくなる懸念もあります。
加えて、土地の需要と供給のバランスが崩れ、不動産価値が安定しない要因にもなるでしょう。結果的に、空き家や人口の偏りといった問題が生じるリスクがあります。こうした理由から、土地を線引きする区域区分は街づくりに欠かせない仕組みだといえるでしょう。
建物を建てられる地域に設定される用途地域とは
計画的に市街地を形成するため、用途に応じて13種類に区域区分されたエリアを用途地域といいます。
商業施設や工場、学校など異なる用途で利用される土地が混在すると、生活環境や業務の利便性が損なわれる原因になります。例えば、住宅地の中に工場を建築すると、騒音や日当たりなどのさまざまな問題が生じる可能性があるでしょう。そこで、土地を用途別に住宅地・商業地・工業地に分けて、効率的な業務や快適な暮らしを守っています。
建てられる建物の種類や大きさは、用途地域ごとに細かく指定されてます。そのため、家づくりで土地を探す際は、用途地域をチェックすると周辺環境や将来の街並みをある程度イメージできるでしょう。
用途地域は13種類あり、住宅地・商業地・工業地のいずれかに分類されます。
住宅地
住宅地には、以下の8つの用途地域があります。
| 第一種低層住居専用地域 |
・低層住宅のための地域 ・小規模なお店を兼ねた住宅などが建てられる ・小中学校が建てられる場合もある |
| 第二種低層住居専用地域 |
・低層住宅のための地域 ・小中学校や、150㎡までのお店が建てられる |
| 第一種中高層住居専用地域 |
・中高層住宅のための地域 ・病院や大学が建てられる ・500㎡までのお店が建てられることもある |
| 第二種中高層住居専用地域 |
・中高層住宅のための地域 ・病院や大学が建てられる ・1,500㎡までのお店や事務所が建てられる |
| 第一種住居地域 |
・住居の環境を守る地域 ・3,000㎡までの店舗やホテルなどが建てられる |
| 第二種住居地域 |
・住居の環境を守る地域 ・店舗、ホテルに加えて、カラオケボックスなども建てられる |
| 準住居地域 |
・道路の沿道において住居の環境を守る地域 ・自動車関連施設と住居が混在する |
| 田園住居地域 |
・農業と調和した地域 ・低層住宅や農産物の直売所が建てられる |
住宅地は、主に住環境が優先されるエリア。大きな工場や商業施設は建設できないので、静かに暮らしたい方に向いています。マイホームを検討する場合は、住宅地に該当する用途地域が候補になりやすいでしょう。
商業地
商業地は、以下の2種類です。
| 近隣商業地域 |
・住民が買い物をする地域 ・店舗や小規模の工場が建てられる ・住宅も建てられる |
| 商業地域 |
・銀行や映画館、百貨店などが並ぶ地域 ・住宅も建てられる |
商業地は、大型のショッピングモールなどの商業施設が建てられるエリア。商業施設だけでなく、住宅も建てられます。利便性が高い一方で、土地の価格が上がりやすい特徴があります。
工業地
市街化調整区域の土地はあり?メリットとデメリットをチェック
写真③住宅のメリットとデメリット.jpg 87.91 KBここで、市街化調整区域の土地を購入するメリットやデメリットを見ていきましょう。
市街化調整区域の土地を買うメリット
まずは、市街化調整区域の土地を購入するメリットを紹介します。
土地を安く手に入れられる
税金が安く済む
静かな土地で暮らせる
豊かな自然が残る市街化調整区域に住むと、落ち着いた雰囲気の中で生活が可能です。周辺に大きな建物がないため、渋滞や騒音問題で悩むことはほとんどないでしょう。自然の近くで静かな暮らしをしたい場合は、市街化調整区域が向いています。
市街化調整区域の土地を買うデメリット
自然に近く広い土地を比較的安く手に入れられる一方で、市街化調整区域の土地を買うと以下のデメリットが生じます。
利便性が悪い
基本的に農業や林業を行う用途である市街化調整区域は、利便性が悪い可能性があるでしょう。駅や病院、学校、スーパー、コンビニなどが遠く、不便だと感じることがあります。頻繁に買い物へ行く方は、利便性の高い市街化区域の方がストレスなく過ごせるでしょう。
インフラが整っていない
市街化調整区域の土地は、水道・電気・ガスなどの生活に欠かせないインフラが整備されていない可能性があります。そのため、新たに住宅を建てる場合は、引き込み工事の費用が建築費に上乗せされることも。特に水道管が遠い場合、数百万円単位の費用がかかるケースもあるため注意が必要です。土地の安さに惹かれて購入したものの、工事費用が追加になり「結局、建築費が高くついてしまった」というパターンも想定されるでしょう。また、下水道が通っていないエリアでは、くみ取り式のトイレや浄化槽(微生物の働きで汚水を浄化する設備)を設置しなくてはいけない可能性があります。
住宅ローンの借入可能額に影響する
将来売却しにくい
先述したように、市街化調整区域では建築や建て替えに制限がかかります。そのため、資産価値が付きにくく、将来売却しにくくなる場合があるでしょう。「一生住むつもりだから関係ない」と思わずに、ライフスタイルの変化を慎重に考えて判断するのが大切です。
市街化調整区域かどうか確認する方法
見つけた土地が市街化調整区域かどうか判断するには、以下の方法があります。
方法1|自治体の公式サイトで確認する
自治体の公式サイトに掲載されている都市計画図を確認すると、市街化区域か市街化調整区域かを判断できます。購入を検討している土地を地図上で探し、区域区分を確認しましょう。また、住所を入力すると調べられる場合もあります。
方法2|市役所に問い合わせる
市役所の都市計画課に足を運ぶと、市街化調整区域かどうか確認が可能。公式サイトでは判断がつかない場合や、聞きたいことがある場合は、直接窓口で聞くのがおすすめです。また、建物を建てられる場合にどのような条件があるかも確認できるので、詳しく聞いておくのが重要です。
方法3|不動産会社に依頼する
不動産会社に依頼するのも、市街化調整区域かどうか判断する方法のひとつ。土地を取り扱っている不動産会社に連絡して、確認しましょう。
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市街化調整区域に住宅を建てる方法
写真④売地と手のひらに乗せた住宅模型.jpg 63.13 KBお伝えしているように、開発を進めないエリアである市街化調整区域では、基本的に建物の建築が禁止されています。しかし、例外として住宅を建築できる場合があります。ここでは、市街化調整区域に住宅を建てる方法をご紹介します。
開発許可を得る
市街化調整区域内で新たに宅地を造成して建物を建てる場合は、開発許可を得る必要があります。開発許可とは、土地の造成などの「開発行為」を行う際に、自治体(都道府県・市)から受けなければならない許可のことです。
開発許可は、以下の書類を管轄の市町村を経由して土木事務所に申請します。
・申請書
・ 位置図
・ 公図の写し
・ 委任状
・ 建築物(等)概要書
・ その他、土木事務所長が必要と認める書類 などまた、許可基準別に他にも書類が必要な場合があります。多くの書類が必要で、審査に時間を要するため、計画的な準備が欠かせません。まずは市町村の窓口で相談し、必要な書類を確認しましょう。
参考元:国土交通省|参考資料1 開発許可制度の概要
開発許可がいらない建物を建てる
農林漁業を営む方の住宅であれば、開発許可が無い場合でも市街化調整区域内に建築が可能です。また、農林漁業用の建築物も、開発許可が不要とされています。そのため、農家の方であれば、市街化調整区域に自宅を建てられるでしょう。
参考元:国土交通省|参考資料1 開発許可制度の概要
宅地利用が認められた土地に建物を建てる
市街化調整区域内であっても、開発許可なしで宅地として利用できる場合があります。例えば、すでに住宅がある土地の場合は既存住宅の建て替えが可能です。また、農業を営んでいる方の分家として住宅を建てる「分家住宅」も建築可能なパターンです。なお、開発許可が不要な場合でも建築許可(建物を建てること自体の許可)が必要な可能性があるので、注意しましょう。
開発許可取得済みの分譲地を購入する
市街化調整区域内の土地を、事業者が分譲地として販売していることがあります。すでに事業者が開発許可を得ている土地なので、新たに開発許可を得なくても住宅を建てられるでしょう。市街化調整区域に新築住宅を建てる場合は、住宅を建てられる分譲地を見つけるのがスムーズです。なお、建てられる建物は低層住宅に限られる場合があるので、事前確認が重要です。
市街化区域との境界線付近の土地を選ぶ
都市計画法第34条によると、市街化区域に隣接または近接する土地で一定の基準を満たす場合であれば、住宅を建てられる場合があります。建築の可否は自治体によって異なるため、土地を購入する前に問い合わせをしましょう。
市街化調整区域に住宅を建てる際の注意点
写真⑤戸建て住宅の模型を持って人差し指を立てるスーツ姿のミドル女性.jpg 87.87 KB最後に、市街化調整区域に関する注意点をまとめました。
市街化区域・市街化調整区域は変わる可能性がある
市街化区域と市街化調整区域を分ける区域区分は、変更される可能性があります。「市街化調整区域の土地を買ったけれど数年後に市街化区域に変わった」もしくは、逆に「市街化区域から市街化調整区域に変わった」というパターンも想定されます。後々変更になる可能性があると覚えておきましょう。
自治体によって基準が異なる
市街化調整区域に住宅を建てる方法をお伝えしましたが、基準や要件、申請の流れなどは自治体ごとに異なります。まずは市役所などの窓口で相談して、慎重に判断しましょう。
よくあるトラブルを把握しておく
よくあるトラブルを把握しておくのも重要です。とくに、市街化調整区域に住宅を建てる場合は、住宅ローンが組めないというリスクがあります。
住宅ローンの審査に通らなかった場合も想定したうえで、契約を結ぶようにしましょう。また、住み始めてからの暮らしをイメージしておくのも重要です。市街化調整区域は商業施設などが遠く「思っていたよりも不便だった」と後悔する可能性があります。
平日、休日の生活動線を考えて、土地を選ぶのがポイントです。>>参考コラム:【注文住宅の土地探し】完全攻略ガイド!失敗例から学ぶ成功の秘訣も
注文住宅の土地探しはR+houseネットワークの工務店へ
写真⑥茨城県_ウォールシェルフのおしゃれですっきりとしたリビング.jpg 145.49 KB市街化調整区域は、開発を抑えて自然を守るために区域区分されたエリアです。基本的には建物が建てられませんが、要件を満たすと住宅の建築が可能な場合があります。市街化調整エリアは土地が安く、静かな暮らしを叶えやすいメリットもあるでしょう。まずは市町村などの窓口で相談してみてください。
R+houseネットワークの工務店では、連携する建築家がお施主様の理想の暮らしを詳しくヒアリングしてプランをご提案。建築家と一緒に、おしゃれで高性能な住宅を建てられます。また「土地探しの手引き」をはじめとするお役立ち資料をお渡ししています。マイホームをお考えの方は、ぜひR+houseネットワークの工務店へご相談ください。
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