*インタビュアー:長田/R+houseネットワークサイト編集部
長田:先生、最近「住宅ローンの金利が上がってる」ってよく聞くんですけど、これってどうしてなんでしょうか?
山本先生:実は金利が上がる背景には、物価の動きや海外の金利、円安なんかも関係していて、理由をたどればいろいろあるんですよ。ただ、今日はその中でも「上がった金利がどうやって住宅ローンにまで関係してくるか」っていう仕組みの部分に絞って、お話ししていきましょう。
長田: よろしくお願いします!
山本先生: 実はこれ、関係の仕方が2つあってね。固定金利は「国債」、変動金利は「日銀」っていう、それぞれ違う相手と仲良しなんですよ。
長田: 国債と日銀…!なんとなく聞いたことはありますけど、正直よくわかってないです。
山本先生: 国債っていうのは、「投資家が国にお金を貸してあげること」なんですよ。
国が投資家に対して「10年後に返すから貸してよ。その間、毎年ちょっとお礼するからさ」って約束する借用書みたいなものだね。
ちなみに、投資家っていうのは、日銀や国内の銀行・生命保険会社などがメインで、ほかにも海外投資家や、公的年金(GPIFなど)、私たち個人も一部含まれています。
ChatGPT Image 2026年8月26日 13_29_11.png 846.82 KB最近は世の中の物価も上がってきてるから、投資家たちが「もっとお礼をもらわないとちょっと割に合わないな」って思うようになって、国が投資家に払うこの国債のお礼(利回り)が上がってきてるの。それで、銀行が固定金利ローンの金利を決めるとき、この国債のお礼(利回り)を「お手本」にしているから、住宅ローンの固定金利も一緒に上がってきてるんですよ。
ちなみに「国債」って一言で言っても、「価格」と「利回り」は別モノだから気をつけてね。上がってるのは価格じゃなくて、利回りのほうだから。国債の価格が下がると、その分お礼(利回り)は上がる。逆に価格が上がると、お礼は下がる。シーソーの関係です。
ChatGPT Image 2026年8月26日 13_33_30.png 1006.97 KB長田: なるほど!国債のお礼(利回り)が高くなっているから、銀行も固定金利をそれに倣って高くしてるんですね。
山本先生:そうそう。 一方、変動金利のほうは日銀と仲良しなんです。日銀は「銀行の中の銀行」みたいな存在で、日銀が決める政策金利が上がると、銀行同士がお金を貸し借りするときの金利も上がって、それが少し遅れて、各銀行が私たちに提示する変動金利にも伝わっていく。バケツリレーみたいなものですね。
ChatGPT Image 2026年8月26日 13_40_26.png 1.06 MB政策金利っていうのは、日銀が「銀行にお金を貸し借りするときは、だいたいこれくらいの金利でお願いね」って決める、いわば金利の基準になる数字のこと。日銀がこの数字を上げ下げすることで、世の中全体の金利の流れをコントロールしてるんですよ。
長田:日銀はどうして金利を上げるんですか?
山本先生:物価が上がってグツグツ煮えすぎないように、ちょっと火を弱めてるイメージだね。金利を上げてお金を借りにくくすることで、世の中に出回るお金の量を落ち着かせようとしてるんですよ。
長田: なるほど! 固定金利は国債、変動金利は日銀。同じ「金利」でも、上がる仕組みが違うんですね。では、それぞれ、どういう時に上がるんですか?
山本先生:固定金利のほうは、国債が売られて価格が下がったとき、つまり利回りが上がったときに連動して上がるんだけど、実は国債が売られる理由にも、いくつかパターンがあるんですよ。
たとえば、国が公共事業のために国債をたくさん発行して市場にダブついたときとか、逆に景気が良くなって銀行や年金基金が「国債より株に投資しよう」と売るときとか、あるいは海外の投資家やヘッジファンドが日本への信用不安から一斉に売り込むときとか。 理由はいろいろだけど、共通しているのは「国債が売られる → 価格が下がる → 利回りが上がる → 固定金利も上がる」っていう流れなんですよ。
一方、変動金利のほうは、日銀が「物価が上がりすぎないように」って判断して政策金利を引き上げたときに、少し遅れて上がっていくの。こちらは市場の需給というより、日銀という一つの組織の金融政策の判断が直接のきっかけになるんです。
つまり、固定金利は「投資家の売買を通じて決まる国債利回り次第」、変動金利は「日銀の金融政策の判断次第」、って覚えてもらえばいいんじゃないかな。
長田:それぞれトリガーが違うのですね。仕組みを知ると、ニュースの内容にも興味を持てそうです! 先生、ありがとうございました!
■ご回答いただいた専門家の先生
ChatGPT Image 2026年8月4日 12_50_32.png 1.08 MB山本 嘉人 先生 |Yamamoto Yoshito◇プロフィール幅広い実務知識に基づいて構築した戦略的情報システムを住宅営業に取り入れ、顧客の抱える諸問題を解決しながら成約に持ち込む複眼的なコンサルティングには定評があり、その活躍は多数の専門誌や 新聞などに記事として取り上げられている。開発したFPソフトは大手住宅メーカーを始め全国の工務店、不動産会社、生命保険会社、金融機関等に採用されている。また、独自のリスクマネジメント手法を 駆使したマイホームセミナーや、中高年層を対象とした相続不動産セミナーは全国で好評を博している。
◇ 講演実績東京電力、日本生命、あいおい損保、住宅金融支援機構、 金融広報委員会(日銀)、JA 他
◇ 制作・著作住宅・不動産・相続に関する著者や論文、コラムなど多数あり
◇ 資格ほか1級ファイナンシャルプランナー、CFP、公認不動産コンサルティングマスター、社会保険労務士、行政書士、2級建築士、宅地建物取引士 他