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増えない子どもと増える高齢者。国家予算を子どもに使えない理由とは?

これからの日本の未来を考えると、今の出生率では今後増えていく高齢者を支えることができなくなってしまいます。

早急に少子化対策をしなければ、いずれ日本は衰退してしまう

本来であれば若者世代が高齢者を支える、社会保障制度をうまく運用させていくべきなのですが、現在では高齢者の人数に対して若者の人数が圧倒的に少なくなっています。これでは現在の社会保障制度を維持できないばかりか、経済的に日本の国力が弱くなってしまいます。さらに、増える高齢者を数少ない若者で支えなければならないため、税金は増えてしまい、さらに若い人たちの生活が苦しくなります。そうするとまた経済的に弱くなるという負の連鎖に陥ってしまうため、現在の日本の未来が明るいとはいえません。未来に希望を持てるように、少子化対策は早急に行わなければいけませんし、高齢者ではなく若者のために財源を使うよう変えていかなければいけません。高齢者への支出を抑え、若者支援への支出を増やすだけであれば簡単にできそうですが、なぜこういった問題が明らかになって重要視されているにも関わらず、いっこうに進む気配がないのでしょうか。

高齢者に取られすぎている国家予算

ある記事をご紹介します。

<2015年7月3日付日本経済新聞>

『子育て支援が手厚い国ほど、出生率も高まる傾向がみられる――。経済協力開発機構(OECD)が子育て支援を中心にした家庭向けの政府支出(2009年時点)を比べたところ、日本は国内総生産(GDP)比で1.0%にとどまり、OECD平均の2.3%を下回った。(中略)一方で、年金と介護に投じる高齢者向けの支出は日本が10.4%と、OECD平均の7.3%を大きく上回る。高齢化率など人口構成の違いはあるが、若者よりも高齢者に比重を置いていることが分かる。』

つまり、日本は世界の平均的な割合と比べ、子育て支援にお金をあまり使わず、高齢者世代向けにお金をたくさん使っているということなのです。これでは社会保障制度を維持していく根本的な解決にはなりませんし、とりあえず現状の問題点を解決するためだけの支出となってしまっています。
理想的な解決策としては、やはり子育て世代にお金を使い、子どもを増やしていくことが急がれます。日本も世界平均と同じ約2%のGDPを子育て支援に使うとすると、さらに約5.5兆円が使えることになります。
これだけ使えると、なんらかの補助や託児所の増設、不妊治療などの支援にもっと力を注ぐことができます。
今のようにどのような制度が適切なのかなどと議論するまでもなく、全ての策にお金を注ぎ込むことが可能になるはずです。

そうして子どもの数が増えると、それに乗じて経済的な支出も増えるため国力の強化にもなります。
そのように一時期出生率が減少しつつも、子育て支援に力を注いだことで現在は出生率が回復している国はたくさんあります。

例えばフランスはGDPのうち3.2%、イギリスは3.8%、スウェーデンが3.7%、ドイツは2.1%の国家予算を子育て支援に注ぎ込んでいます。
日本はGDPのうち1%程度しか使っていないことを考えると、他の国に比べて2分の1、3分の1くらいしか支援できていないと考えることができます。
出生率が回復しない、働き盛り世代の数が減っているといわれていますが、こうしてみるとごくごく当たり前の結果となっていることが分かります。

なぜ高齢者に国家予算を持って行かれてしまうのか

ここで、平成23年度の人口構成比を見てみましょう。

10代以下は日本の人口に対して17.9%、20代は10.4%、30代は13.8%、40代は13.4%、50代は12.5%、60代は14.5%、70代以上は17.3%となっています。
もちろん、日本の誰もが若い人の支援にお金を使うべきことは分かっています。
しかし、自分のことを守って欲しいことは何歳になっても変わりません。

基本的に、日本の方向性を決めるのは国会議員をはじめとした政府ですが、その国会議員を選ぶのは選挙です。
選挙の投票権は満18歳以上ですが、若者の投票率というのは毎回低く、年代が上がるに従って投票率が高い傾向にあります。

つまり、最初にご紹介した人口構成比で見ると、段々と自分の老後の生活を気にし始める50代以上が44.3%とおよそ半分を占めます。
そして、一番働き盛りの20代から30代は24.1%程度しかおらず、さらに投票率も低いため高齢者と若者の投票数の差はさらに開きます。

こうなると、国会議員が当選するためには若者に受けの良い政策よりも、高齢者に受けの良い政策の方が良いことは明らかです。
実際に、平成26年12月14日に行われた第47回衆議院議員総選挙の投票率を見ると、50代以上の投票率は6割から7割あるのに対し、20代と30代は3割から4割程度にとどまっています。
これだけ投票数に差があると、どうしても高齢者への補助を減らすべきという意見や、社会保障の自己負担を増やすべきという意見は、当選するために言えなくなります。
そして高齢者を大切にしていきましょうという候補者がどんどんと当選し、その人達が高齢者向けの政策を進めることで国家予算は若者ではなく高齢者に使われていくことになります。

この悪循環は、一度どこかで断ち切らなければいつまでもこのままですし、いずれ日本は高齢者も若者も支えきれなくなってしまいます。
また、もう一つ若者世代への支出が減っている原因は、日本の国家予算が常に赤字であることです。そうすると、どうしても支出を減らさなければいけません。
このとき支出の削減対象として若者世代への支援がみられてしまうのです。
高齢者世代への支出を減らすとどうしても反対意見が多く、なかなか減らすことが難しいためです。

意識を変えるのは高齢者だけではなく若者も必要

なぜ選挙のたびに高齢者受けする政策を提示しなければならないのか。

それは、若者の投票数が少ないことにあります。
確かに、18歳から30代の人口は高齢者の人口と比べて少なくなっています。
しかし、投票率は圧倒的に若者の方が少なく、同じ投票率であればもう少し若者を支援しようとする候補者が当選してもおかしくありません。
さらに理想をいえば、高齢者世代を上回る投票率が出せれば、この高齢者向けの予算編成を変えられるきっかけになるでしょう。
ですから、全てを高齢者の人口が多いから、国が若者を大事にしていないという理由にせず、若者が自分たちで自分の国を変えていこうとする努力も必要なのです。

若者の中には自分が投票したところで変わらないと思う人がいます。
確かに1票自体の影響力はそこまでないかもしれません。
しかし、同じように考えている人10万人、100万人が全員投票したとしたらどうでしょう。もしかすると当選結果を変えられたかもしれません。
もっと若者を支援するべきと考えている立候補者を多く当選させることができたかもしれません。
現状を悲観視してなにもしないのではなく、少しでも変えようとする意識が大切なのです。

もちろん、高齢者世代の方も自分たちの生活が大事なことは百も承知です。
しかし、これから日本の将来を担っていく若者たちが生きやすい世の中を作っていくために、少し我慢して自分たちの生活より若者の生活を優先してあげられる投票を行ってみましょう。
表面的には高齢者世代の支援がなくなっていくように見えるかもしれません。
しかし、若者世代がたくさん増え、働く人たちが増えることで将来的には高齢者世代へ回ってくるお金が増えることになります。
若者世代も、高齢者世代も、目の前のことだけにとらわれず、長い目を持ってこれからの日本の未来を考えていきましょう。

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