―「今の金利は歴史的に見て異常な水準ではない」というお話、すごく勉強になりました。ただ、中には「もう少し待てば、また金利が下がるんじゃないか」という気持ちを捨てきれない方もいるかもしれませんよね。
山本先生:その気持ち、すごくよく分かりますよ。でも実はそれ、心理学でいうところの、ある“錯覚”かもしれないんです。
―“錯覚”ですか?
山本先生:「ギャンブラーの誤謬」という言葉、聞いたことはないですか?例えば、コインを投げて表が4回続けて出たとします。次はどっちが出ると思いますか?
―うーん…なんとなく、次は裏が出そうですよね!根拠はないですが(笑)
山本先生:ですよね、多くの人が次は「裏が出るんじゃないか」って感じるんですよ。でも実際には、コインには“記憶”がありません。表が何回続こうと、次に表が出る確率は毎回50%のまま、変わらないんですよ。「そろそろ裏が出るはず」というのは、人間の頭が勝手に作り出した錯覚なんです。これが「ギャンブラーの誤謬」です。
ChatGPT 画像 2026年9月28日 14_35_50.png 1.28 MB―確かに…冷静に考えれば、コイン自体が「そろそろ裏を出さなきゃ!」なんて思うわけないですもんね。
山本先生:その通り。これを住宅ローンの金利に当てはめてみましょう。「金利がこれだけ上がったんだから、そろそろ下がるはずだ」という考え方、実はこれもコインの話と同じ構造なんです。
金利は、コインのようにこれまでの流れを“帳尻合わせ”するために動いているわけではありません。財政状況や景気、物価など、その時々の要因によって決まっているだけなんですね。
ChatGPT 画像 2026年9月28日 14_40_19.png 1.29 MB―そう考えると、金利がそろそろ下がる・・なんてことは、根拠がないと考えられますね。
山本先生:そうなんです。実はこの錯覚、住宅探し全体にも起きやすいんですよ。例えば、もう9件も物件を見て回った人が「これだけ見たんだから、次こそはきっと当たりの物件のはずだ」と考えてしまうこと、ありませんか?
―あ、それ分かります!物件探しに疲れてくると、そうなってしまうかも。。
山本先生:でも、10件目の物件が「良い物件である確率」は、1件目とも9件目とも、基本的には関係ないんです。数を重ねたからといって、当たりが近づいているわけではありません。
冷静に、今、目の前にある情報や条件そのものを見て判断することが大切。
ChatGPT 画像 2026年9月28日 14_52_47.png 1.42 MB―なるほど…「待てば得するかもしれない」という考えは、根拠がなければ少し危険かもしれませんね。
山本先生:その通りです。もちろん、慎重に検討すること自体は大切ですよ。なんでもかんでもすぐ決断しないといけないわけじゃない、でも、根拠なく先延ばしにするのはよくない。この金利、この物件、今の自分の条件に本当に合っているかどうか?その都度その都度、冷静に見極めることが一番大切なんです。見極めるために、少しでも色んな知識を身につけましょうね。
―知識を身に付けるには労力が要りますが、自分が後悔しないためには必要なことですよね!先生、ありがとうございました!
■ご回答いただいた専門家の先生
ChatGPT Image 2026年8月4日 12_50_32 (1).png 1.08 MB 山本 嘉人 先生 |Yamamoto Yoshito◇プロフィール幅広い実務知識に基づいて構築した戦略的情報システムを住宅営業に取り入れ、顧客の抱える諸問題を解決しながら成約に持ち込む複眼的なコンサルティングには定評があり、その活躍は多数の専門誌や 新聞などに記事として取り上げられている。開発したFPソフトは大手住宅メーカーを始め全国の工務店、不動産会社、生命保険会社、金融機関等に採用されている。また、独自のリスクマネジメント手法を 駆使したマイホームセミナーや、中高年層を対象とした相続不動産セミナーは全国で好評を博している。
◇ 講演実績東京電力、日本生命、あいおい損保、住宅金融支援機構、 金融広報委員会(日銀)、JA 他
◇ 制作・著作住宅・不動産・相続に関する著者や論文、コラムなど多数あり
◇ 資格ほか1級ファイナンシャルプランナー、CFP、公認不動産コンサルティングマスター、社会保険労務士、行政書士、2級建築士、宅地建物取引士 他