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今後の日本の働き方を考える、働き方改革の本当のメッセージとは。

働き改革というものが提唱され、我々国民はこれまでの仕事に対する考えを見直さなければいけないといわれています。

政府が推進する「働き方改革」とは。

ここでは、働き方改革に関するこんなニュースを紹介したいと思います。

〈働き方改革へ実行計画残業条件や同一賃金〉
(2017年3月29日付日本経済新聞)
『政府は28日、働き方改革実現会議を首相官邸で開き、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入を盛り込んだ実行計画をまとめた。
正社員による長時間労働など戦後雇用慣行の見直しに踏み込んだ。政府は今年の国会に関連法の改正案を提出し、2019年度からの実現をめざす。』

働き方改革は、政府が推進している計画で、これまでに長時間労働の是正や非正規雇用者の待遇の改善等が検討されてきました。
今回の実行計画では、新たに9つの項目が追加されました。

1.非正規の処遇改善(同一労働同一賃金など)
2.賃金引上げ(時給1000円への引き上げなど)
3.長時間労働の是正(残業時間の上限設定)
4.転職・再就職支援
5.柔軟な働き方(副業推進、テレワークを拡大)
6.女性・若者の活躍
7.高齢者の就業促進(65歳以上の雇用促進、定年延長など)
8.子育て・介護と仕事の両立(保育士、介護士の賃金待遇改善)
9.外国人材受け入れ

実現会議で阿部晋三首相が発言した「これは日本の働き方を変える歴史的一歩」という言葉通りになってほしいものですね。

今後の日本のため?働き方改革に込められたメッセージとは。

今後日本の未来を考えた時、これまでと同じ働き方を続けていくことは、私たち労働者にとっても国や企業にとっても難しいことのではないでしょうか。
その最も大きな理由は、日本の人口減少です。
現在の日本の人口は1億2,700万人ですが、50年後には8,000万人にまで減少すると予測されています。50年間のうちに、4,7000万人も減少するという計算になります。これを年平均にすると94万人ずつ減少していくということになります。考えただけで恐ろしいことですよね。
就業者数は2016年2月時点で6,427万人で、人口の約半数ほどしか働いていないことになります。この就業者数も4年連続で減少しており、今後もさらに減少していくことが考えられます。
日本の問題である少子化と高齢化が同時進行していくため、働くことができる人が減っていくのは当然のことです。
労働力不足とともに、仮に税収も落ちてしまったとしましょう。そうすると、これまでのように介護や育児のための国家予算を確保することが困難となり、多くの人が介護や育児をしながら働かなくてはいけない状況になります。転勤ができない、長期出張ができない、長時間労働ができないので時短勤務のみなどの条件をつけて働かなくてはいけなくなります。今以上に介護休暇や育児休暇の取得が当たり前になり、在宅勤務をする人も増えると予測されます。
現在は、残業規制や育児休暇取得を義務付けや政策として実施していますが、今後はそうせざるを得ない状況になります。
そのような今後の日本の働き方を今のうちから考えておこうというのが、働き方改革に込められたメッセージなのではないでしょうか。

日本の労働環境の本質的な問題とは。

成果主義社会では生産性が求められる

労働力が減少する度に、その負担を誰かに回すということをしていたのでは、すぐに限界をむかえてしまいます。
企業には、すべての人が希望するワークスタイルを実現できるように努めることが求められます。そして就業者には、短縮された労働時間で以前と同じ成果を上げることが求められます。これは、完全な成果志向になるということです。
在宅勤務制度を採用した企業を例に挙げて考えてみましょう。
この制度は、会社にいる必要はなく、どこでも仕事が行えるというものです。これに伴い、評価制度も変わります。
人事評価の基準というは、「業務能力、勤務態度、意欲、成果」というものが主なものですが、在宅勤務制度だと上司が勤務態度や意欲を直接評価する機会がなくなります。その評価基準がなくなると、「成果、納期期限」などで評価を行うしかありません。この2つを満たすことができる人が、能力があるという評価になりますので、完全な成果主義です。
この制度をとった会社では、「給与が上がる人」と「給与が下がる人」に二分化されるでしょう。これまでのように、勤続年数が長いだけで給与がアップしたり昇給したり、何もしなくても一定の給与がもらえるということがなくなります。仕事をこなして、成果をあげた人だけが評価される時代がやってきます。
そのような完全成果主義社会で求められるのは、いかに短時間で求められる成果をあげられるかということです。つまり、仕事の生産性を上げることが重要となってきます。
「生産性」というのは「アウトプット(成果)÷インプット(投入量)」ということです。すなわち、「付加価値÷労働量(人数・時間)」ということになります。

生産性の向上のために目指すべきこととは

労働力の減少は現在だけでなく、今後もどんどん進んでいきます。GDP(国内総生産)が減少していないということからみると、現段階では日本の労働生産性は上がっていることになります。
しかし、喜んでいられる話ではありませんよね。今後、働く人や時間は減少しているのに企業における業務の効率化や従業員の能力向上が確保されていなければ、商品の生産性やサービスの品質は低下していく一方です。そして、それは売り上げ減少や給与の減少に繋がります。その状況を打ち破るためには、長時間労働が強いられることになってしまいます。
政府が長時間労働をなくそうと言っても、現場の生産性が向上しなければ、長時間労働をなくすことは現実的には不可能です。政府、企業、そして働き手は「生産性の持続的な向上」、それによる「総付加価値の拡大」と「総負担の削減」を目指していくことが必要です。
以上にお伝えしてきた内容を考えると、今回の働き方改革の計画である「長時間労働の是正」や「働き手の増加」などは、問題の根本的解決策にはならないかもしれません。今後の日本を見据えた時の本当の問題は、生産性の低さといえるからです。

国や企業全体での取り組みが鍵!働き方改革とは生産性向上改革。

生産性の向上が大事とはいっても、全労働者の付加価値生産性をあげることは容易なことではありません。
個々で取り組むのではなく、国や企業が一丸となって意識を高め取り組んでいくことが大切です。業務内容をすべて洗い出し、業務の意義を定義していくことで、無駄な業務を省いたり、価値ある業務に集中して業務改善を行っていくことです。
かつて日本の製造業が全国の工場で行っていたようなレベル、業務の時間を測って工数分析と作業分析をするような生産性改善への取り組みをしていく必要があります。同じ仕事を任せた時でも、2時間要する人もいれば30分で仕上げてしまう人もいます。これは生産性が4倍違うということですが、そもそも仕事の組み立て方が異なるということもあります。生産性の良い仕事の組み立て方を明示し、それに則れば誰でも出来るようにすることで、生産性の底上げに繋がります。
政府も企業を規制するだけではなく、生産性向上に対する支援に力を入れていくべきです。例えば、労働集約型産業の規制緩和、企業のIT/AI導入を支援する、街づくりにおいて住居を街の中心部に集めて生活インフラを効率化するなどの支援です。
今回の「働き方改革」が安倍首相の言った通り「日本の働き方を変える歴史的な一歩」になるには、そういった施策が次々に打ち出されることが必要ではないでしょうか。私たちも今後の日本の働き方を真剣に考えなければいけない時です。

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※当コンテンツに記載されている内容については、現在は終了している制度や古いニュースも含まれております。あくまでご参考いただくものでございますので、実際に住宅購入・ライフプランを検討される場合は、現在の情報をご自身で確認の上ご判断ください。