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奨学金の返済4人に1人が滞納!子供のマネーリテラシーを上げるのは親の仕事です

今日は「奨学金」についてお話したいと思います。教育負担期に差し掛かっている親御さんは、この機会に是非お子様にしっかりとお金に関する教育(マネーリテラシー)をしましょう。

奨学金の延滞が増加しているという現実

入学シーズンがやってきました。

親御さんにとっては学費や仕送りなどで、出費が増加していく時期だと思います。
学費や生活費等をまかなう為、奨学金制度を利用する学生の方も多いのではないかと思います。返還義務のない給付型の奨学金であれば問題はないのですが、返還義務のある奨学金を利用する場合、十分な準備をする必要があります。

返還義務のある奨学金として代表的なのが「日本学生支援機構」(旧 日本育英会)の奨学金が挙げられます。
無利息貸与の「一種」と利息付きの「二種」があり、二種の利率は卒業時に決定しますが、現状、概ね1%前後が標準的な金利水準となっており、ここに3%の上限が設定されています。

奨学金として、在学中に毎月3万円から最大12万円までの貸与を受けることができる制度となっております。
例えば、大学在学中に毎月8万円借りたとすると、4年間での借入れ総額は384万円となります。卒業後に金利3%で返済期間を20年として返済をすると、毎月の返済額は21,531円、元利合計での返済総額は約516万円になります。

「20年という年月は長い気もしますが、毎月2万円ちょっとの返済であれば、それほど大きな負担にはならないのではないか」と思ってしまいがちですが、統計的にみるとかなり厳しい現実に直面する方が多いということが分かります。

2012年度の統計によると、日本学生支援機構の奨学金の利用者が132万人なのに対し、滞納者は約33万4000人で、滞納額は925億円にも上るそうです。つまり奨学金制度利用者の25%、およそ4人に1人が滞納しているということになります。
1998年度の滞納者が約15万人であったことを考えると、この14年間で滞納者が2倍以上に増加したことになります。

延滞理由の第一位は、「家計収入の減少(77%)」です。

長引く不況で若年層の労働環境の悪化が背景と考えられます。希望する就職ができなかったり、就職はしたものの収入が予定していた金額に満たなかった場合などは、奨学金の返済が重荷になっていくものと思われます。その結果が昨今の延滞の増加へと寄与してしまっていると考えます。

滞納時のペナルティはローンなどの「借金」と同じ

奨学金といえども滞納をすると相応の社会的ペナルティを受けることになります。
公的機関である日本学生支援機構は、銀行などの私的な金融機関よりも柔軟で優しいというイメージを持たれているかもしれませんが、決してそのようなことはありません。日本学生支援機構も利息を取り収益をあげないと機構としての役目が果たせなくなるので、指摘な金融機関と同様の厳しさで業務を行っております。

具体的には・・・滞納に対しては高い延滞利息が発生し、延滞が繰り返されると厳しい取り立ても発生します。個人の与信状況をデータとして保管し、金融機関やクレジットカード会社が参照をする個人信用情報機関にも延滞している事実は記録されます(信用情報機関の延滞情報とは所謂「ブラックリスト」のことをさします)ので、社会人としての信用を落とし、その後の住宅ローン審査やクレジットカードの作成にも影響が出てくる可能性があります。

奨学金は「借金」なのです。
借金が大きな問題である理由としては、返済をしている期間はその借金の支払いがあるので、次の資金需要に備えることが困難であるという点です。具体的に言いますと、社会人になってからの20年間は、結婚、出産、自動車購入や住宅購入、子供の進学、といったライフイベントが次々とやってきます。しかし奨学金の返済をしていると、各種ライフイベントに備える為の貯金が思うようにできなくなります。ので、様々なライフイベントに必要な資金も、借入をすることで補う必要が発生してしまい、深刻な悪循環となってしまうのです。

借入やローンを返済する場合、収入が常に右肩上がりで安定していてくれれば良いのですが、「昇給が無い」、「失業をしてしまった」といった、収入に影響を与える「ちょっとした変化」によって返済が途端に厳しくなることがあります。

さらに、自分と同じように奥様も奨学金を利用していた場合、結婚後に奥様が出産を契機として休職や退職をすると、収益源としての役割がご主人様1人に圧し掛かり、その上で2人分の奨学金を返還し続けなければならないという状況に陥ります。出産・育児費用を準備しながら2人分の奨学金を返済するという状況も「ちょっとした変化」ですが、奥様の収入がなくなった状況で出産・育児費用を準備をするとなると、かなり大きな負担になると考えます。

親として出来ることは何かを考える

このようなことで、将来ある若者を社会人に成り立ての段階からつまづかせてはいけません。
仮に、公的機関から奨学金を借りているという状況ではなく「金融機関から借入れをする」という状況であれば親も本人も様々な要素からその借入れを真剣に検討するはずです。
借りた資金を何に使うのか、本当に借入れは必要なのか、いくら借りるのか、どのように返済するのか?

一方で、公的機関からの奨学金となると、このような真剣さが途端に感じられなくなります。「奨学金は返済義務のある借金である」という認識が本人も親も希薄となり、親も自分自身の負担を考え、安易に奨学金を受けさせているケースが散見されます。

このような意識の甘さは親がキチンと理解して子供に認識させる必要があると思います。日本では学校教育においてお金のことをあまり教えてくれませんので、ほとんどの大学生は入学時点では借金とは一体どのようなものなのか、今後のライププランをどのように考えていくべきなのかといったことについての理解が全く足りていません。社会に出る前に親が子供のマネーリテラシーを上げてあげるのは義務であると思います。

入学して奨学金を受けるタイミングは、マネー教育の絶好の機会です。まずは子供に心の準備をさせないといけません。

具体的に言うと
『奨学金は借金であり、奨学金の原資は税金です。つまり奨学金は社会のみなさんからの借入れなのです。学生は社会に出る為の準備期間とも言えますが、社会人になったら本番です。本番となれば、これまで育ててもらった社会にお返しをしなくてはなりません。仕事をして、給料の一部を税金として納め、育ててもらった親への仕送りをし、学生時代を支えてくれた奨学金へも当然返済をする。自分自身のライフプランも熟考し、結婚資金や住宅資金の貯蓄もする。それが社会人なので。学生である今からよく考えておきなさい。』
・・・という趣旨の話をすることで、奨学金をもらう段階で正しい認識を持たせてあげたいものです。

少なくとも、学生生活にはいくら必要なのか、どのように返済をするのかという基本的な点についてはきちんと試算する必要があります。学費や生活費を計算して月5万円不足のであれば、「余裕をもって奨学金として8万円の貸与を受けよう」と考えるのではなく、3万円の貸与に抑えて、足りない2万円は節約やアルバイトや親の協力などで補うことはできないかをよく考えるべきです。借金同様、奨学金も必要以上に借りてはならないのです。

奨学金を受けるということは、奨学金を受けない学生よりも一足先に社会と向き合うということでもあります。きちんとしたマネー教育をすることによりマネーリテラシーの高いしっかりした若者を育てることが重要であると考えます。

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※当コンテンツに記載されている内容については、現在は終了している制度や古いニュースも含まれております。あくまでご参考いただくものでございますので、実際に住宅購入・ライフプランを検討される場合は、現在の情報をご自身で確認の上ご判断ください。