付帯工事費用とは?住宅を建てる際にかかるお金
写真②図面の上に置かれた住宅模型と計算機とお金.jpg 90.92 KB注文住宅を建てる際の費用は「本体工事費用」「付帯工事費用」「諸費用」と、大きく3つに分類されます。
【住宅建築費用の内容】
| 費用の種類 | 
目安の割合 | 
概要 | 
| 本体工事費用 | 
70% | 
建物本体にかかる費用。 基礎・柱、屋根・内装工事・キッチンなどの設備に加え、施工会社の人件費も含まれます。 | 
| 付帯工事費用 | 
20% | 
建物本体以外に必要な工事費用。 具体的には地盤改良や外構、給排水設備工事や電気工事が該当します。 | 
| 諸費用 | 
10% | 
住宅を購入する際の申請手続きにかかる費用。 住宅ローンの手続き費用や保険料、仲介手数料、印紙税などを指します。 | 
 
付帯工事費用とは、注文住宅建築にかかるコストのうち、建物以外に必要な工事にかかる料金です。多くの場合、本体工事価格に含まれていません。例えば、土地代を除いた注文住宅の総額が3,500万円だとした場合、本体工事費は約70%の2,450万円、付帯工事費用は約20%の700万円、諸費用は約10%の350万円が目安になります。
 
付帯工事費用の内訳と相場
写真③家と相場推移グラフ.jpg 85.62 KB
 
次に、付帯工事費用の内訳を、項目ごとに詳しく解説します。どのような工事が付帯工事に含まれるのか、また、それぞれにかかる費用の目安も事前に確認しておきましょう。
解体・伐採・外構の撤去
敷地に古い建物や不要な樹木がある場合、更地にする必要があります。建物の解体や樹木の伐採は、60~400万円が相場です。相場に幅があるのは、状況により大きく変動するため。建物の築年数や構造、外構の撤去内容、樹木の本数などの影響を受けるのです。
造成・整地工事
「敷地内に高低差がある」「畑だった場所に家を建てる」といった場合は、土地の状態を整える造成・整地工事が必要です。費用相場は、12~300万円。土地の状態や仕上げの種類によって、料金が大きく異なります。なお、造成・整地工事は解体と一緒に行うケースがあるので、確認しておきましょう。
地盤改良工事
軟弱な地盤に住宅を建築する際は、強度を上げる改良工事が欠かせません。地盤が弱いまま建ててしまうと、建物の沈下や傾くリスクが懸念されます。検査の結果、軟弱な地盤と判明した場合、セメントで地面を固めたり、地中深くまで杭を打ち込んだりといった工事が必要です。相場は、50~200万円と費用負担が大きくなる可能性があります。
仮設工事
建築を安全かつスムーズに進めるために、仮設工事も必須です。代表的なものには、足場や仮設トイレ、工事に必要な電気の引き込みが該当します。費用は家の規模によって異なりますが、15~100万円が相場です。本体工事の約3%が目安とされています。
水道・電気の引き込み工事
ライフラインを整備する、引き込み工事。
給排水工事・電気・ガス・テレビやインターネットの配線などの作業が含まれます。費用相場は、以下のとおりです。
| 設備 | 
相場 | 
| 給排水 | 
30~100万円 | 
| 電気 | 
10~30万円 | 
| ガス | 
10~20万円  (1m=1万円程度) | 
 
ただし、管の引き込み距離が長かったり、住宅設備の規模が大きかったりする場合、工事費用が高くなる可能性も。一方、もともと建物があった場所や住宅分譲地では、引き込み工事が事前に完了しているケースもあるため、条件によって費用の負担感がばらつきやすいでしょう。
 
外構工事
外構工事には、駐車場や庭、門扉、アプローチ、目隠しフェンスなどが含まれます。工事の範囲や内容、使用する素材によって費用は異なります。
例えば、広い駐車スペースにコンクリートを敷き詰めるのと、砂利仕上げの舗装では費用に大きな差が出るでしょう。外構工事の目安は70万円以上で、内容によってはトータル250万円になることもあります。
インテリア・電気設備関連
カーテンや照明器具、エアコンなどの設置も付帯工事費用に含まれます。細かい部分としては、照明のスイッチやコンセントの設置も該当します。選ぶグレード・種類・数によって前後しますが、照明やカーテンの工事でおよそ100万円かかるでしょう。
付帯工事費用を安く抑えるポイント
コストダウンの単語と下降する矢印と棒グラフ-min.jpg 86.64 KB
 
付帯工事費用は、工夫次第でコストダウンが可能です。ここからは、具体的な節約ポイントを項目別にご紹介します。
解体工事費を抑える方法
解体工事費用のコストダウンには、次の方法が有効です。
・複数の専門会社に見積もりを依頼する
・解体前に不要なものを処分しておく
・自治体の補助金・助成金制度を活用する会社によって、費用やサービス内容に差があります。そのため1社で判断するのではなく、複数社に見積もりを依頼し、比較・検討しましょう。また、あらかじめ家電や家具を処分しておくと、解体費を抑えられるケースがあります。
自治体によっては、老朽化した家屋の解体費用を補助してくれる制度があるので、お住まいの地域の情報をリサーチしてみてください。
参考元:国土交通省|国土交通省における空き家対策支援メニュー等(令和2年度末時点) ①空き家対策総合支援事業
 
造成・整地工事費用を抑える方法
以下の方法を検討することで、造成・整地にかかるコストを抑えられる可能性があります。
・複数の専門会社に見積もりを依頼する
・できる範囲で整地する
・「粗仕上げ」を検討する
解体工事費用と同様に、複数社から見積もりを取って比較してみてください。時間や体力に自信がある方は、石や雑草を除去したり、土を平らにして固めたりと、ご施主様自身で整地するのもひとつの手です。ただし、作業規模・持っている道具の状況を踏まえ、無理のない判断をしましょう。
そして、大きな石や不要物を取り除き、土をならす基本的な整地方法である「粗仕上げ」を選ぶことで、費用を抑えやすくなります。
地盤改良費用を抑える方法
引き込み工事費用を抑える方法
引き込み工事が必要な場合、以下の方法を検討してみてください。
・複数の専門会社に見積もりを依頼する
・工事の開始時期をオフシーズンに調整する
・国や自治体の補助金・助成金制度を利用する水道や電気の引き込み工事は、3~4月や11~12月に依頼が多くなる傾向にあるでしょう。一方、それ以外のオフシーズンは、費用が安く設定されていたり、割引を受けられたりと、お得に工事できる可能性があります。
また、自治体によっては水道・電気工事に関する支援制度を活用できます。さらに、太陽光発電や蓄電池の設置により「ZEH補助金」が適用されるケースも。詳細は国や自治体の公式サイトでご確認ください。
参考元:一般社団法人 環境共創イニシアチブ|ZEH補助金について
 
外構工事費用を抑える方法
インテリア・電気設備関連費用を抑える方法
インテリア・電気設備関連の費用を安くするには、次の3点を意識してみましょう。
・施主支給を活用する
・家電量販店でまとめ買いする
・ダウンライトの数を減らす施主支給とは、お施主様がカーテンや照明などを購入し、施工会社に取り付けてもらう方法です。手間はかかりますが、安い商品をうまく取り入れやすいでしょう。購入の際は、家電量販店でのまとめ買いがお得です。冷蔵庫や掃除機といった家電に加え、エアコンのように付帯工事に含まれる製品も併せて購入することで、割引が適用されるケースがあります。
加えて、ダウンライトの数を少なくし、1台で部屋全体を照らせるシーリングライトを活用すると、導入コストや維持費の削減が見込めるでしょう。
>>参考コラム:施主支給とは?メリット・デメリットや注意点について分かりやすく解説
 
付帯工事費用に関するQ&A
写真⑤住宅とQ&A-min.jpg 84.29 KB最後に、付帯工事費用に関する質問にお答えします。
 
Q.付帯工事の費用は初めからすべて見積もりに入っている?
A.付帯工事費用は、土地・建物の条件によって金額に大きな差があるため、初期の見積もりに組み込んでいない住宅会社もあります。特に地盤改良と外構工事が入っていない傾向が多くあります。見積りを確認し、必要になりそうな付帯工事費用が含まれているかどうかチェックしておきましょう。
Q. 付帯工事費用は住宅ローンに含められる?
Q. DIYで付帯工事を行ってもいい?
A. カーテンレールの設置や庭の手入れなど、簡単な作業であればDIYも可能です。ただし、ガス・電気・水道などのインフラ工事は資格や知識が必要となるため、専門会社に依頼しましょう。
家づくりのコストの相談はR+houseネットワークの工務店へ
写真⑥徳島県_ウッディでおしゃれな広々バルコニー.jpg 440.5 KB注文住宅を検討する際は、付帯工事費用を含めたトータルコストの把握が重要です。決して安くない金額になる可能性が高いため、複数社の見積もりを比較したり、できる範囲で対応したりといった方法でコストダウンを図りましょう。
R+houseネットワークの工務店では、メーカーからの直発注システムを構築し、人件費や運搬費のカットを実現。全体の費用を抑えながら、高い住宅性能を確保した住まいを提供しています。家づくりはもちろん、資金計画についても、ぜひR+houseネットワークの工務店にご相談ください。
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