札幌市の地形の特徴をおさらいしよう
写真②田舎と都会の街並風景.jpg 63.02 KB札幌市は石狩平野の南西部にある、総面積がおよそ1,120㎢という大きな市です。面積が広いため10個の区に分けられています。それぞれの区の特徴は以下の通りです。
エリア |
地形 |
特徴 |
中央区 |
扇状地 |
時計台や大通公園などの観光スポットが多く、中心部は基盤の目のように規則正しく区切られている |
北区 |
平坦 |
JR札幌駅がある区域で、複数の河川が流れている |
東区 |
平坦 |
平坦な地形を生かして農業が盛んに行われている地域 |
西区 |
丘陵地 |
手稲山をはじめ多くの山々があり、全体の2/3が丘陵地帯 |
南区 |
丘陵地 |
札幌市の60%を占める大きな区域で、ハイキングやスキーなどのアクティビティが有名なエリア |
白石区 |
平坦 |
住宅街や飲食店が多いエリアで、交流や物流の拠点とされている |
厚別区 |
平野・丘陵地 |
農業や酪農が行われていたが、現在は札幌市のベッドタウンとして人気のエリア |
豊平区 |
平坦 |
札幌ドームがあることで有名なエリア。バスや地下鉄などの交通の便が発達している |
清田区 |
丘陵地・山地 |
公園や山々が多く広がる自然豊かな地域。千歳方面へのアクセスが良好 |
手稲区 |
扇状地・山地 |
手稲山が西側にあり、海にもアクセスしやすい自然豊かなエリア。 |
札幌市では、それぞれの区によって地形や特徴はバラバラです。これらの情報を基に、住みやすさを考慮したエリア選びをしましょう。
参考元:札幌市|第2章 札幌市の概要
過去に起きた札幌市の水害
写真③住宅そばの河の水が越水しているところ.jpg 51.72 KB近年札幌で起きた水害被害は、2000年7月25日の低気圧による河川氾濫です。床下浸水6戸、床上浸水1戸、道路冠水2か所と多くの住民に被害をもたらしました。しかし、その後札幌市に大きな水害被害等はないため、住みやすい地域と言ってもいいでしょう。
参考元:札幌市|水害
過去に起きた札幌市の地震災害
写真α地震による建物倒壊のイラスト-min.jpg 84.32 KB札幌市では、2018年9月に胆振地方中東部で起きたマグニチュード6.7の地震により、東区で震度6弱、そのほかのエリアでも震度5弱以上の揺れを観測しました。清田区では、液状化現象による住宅被害が多数発生。また、市内各地で道路の隆起や陥没、断水などが起こりました。さらに、地震によって道内全域の約295万戸が停電し、市民の生活に大きな影響を与えました。
その後、札幌市では地震による大きな被害は出ていませんが、
地震は日本各地で発生する可能性があり、いつ起こるか分かりません。家づくりでは地震対策の強化が必要でしょう。参考元:札幌市|平成30年北海道胆振東部地震~震災を忘れない~
ハザードマップで札幌市の災害リスクをチェック
札幌市から発表されているハザードマップを参考に、自然災害のリスクを見ていきましょう。札幌市の区ごとにマップが作られているので、それぞれ比較してみました。
水害リスクの高いエリア
写真④ハザードマップ.jpg 78.62 KB札幌市で洪水リスクが高いエリアは「中央区」「北区」「白石区」「手稲区」の4つの区です。上記の区には琴似川や新川、望月寒川などの河川があり、大雨の影響などで氾濫した場合、近くに住んでいる方は被害を受けることもあるでしょう。一方で、残りの6の区は区域内に大きな川がないため、水害被害は少ないと考えられます。さらに、高台エリアである「豊平区」「清田区」「南区」「西区」であれば、より水害リスクを減らせます。
また、札幌市は海に面していない市のため、津波の被害を受ける可能性は低いです。しかし、札幌市の中でも海に近い手稲区の北側は津波の影響で浸水する可能性があります。
洪水が起こりやすいエリア(川) |
中央区(琴似川)、北区(新川)、手稲区(新川)、白石区(望月寒川) |
洪水が起こりにくいエリア |
東区、厚別区、豊平区、清田区、南区、西区 |
参考元:札幌市|浸水ハザードマップ参考元:札幌市|津波浸水想定区域
土砂災害リスクの高いエリア
各区の連合町内会が発表しているハザードマップをもとに土砂災害リスクの高いエリアを見ていきましょう。
まず危険なエリアとして挙げられるのが「中央区」です。中央区は扇状地のため、土砂崩れが起きた際に区内まで土石流が流れ込んでくる可能性があります。また、山地や丘陵地も土砂災害が起きやすいエリアです。区内の場所によっても災害のリスクはかわってくるので、土地を選ぶ際にはハザードマップを確認しましょう。
土砂災害が起こりやすいエリア |
中央区、南区、西区、手稲区、清田区 |
土砂災害が起こりにくいエリア |
厚別区、豊平区、北区、東区、白石区 |
参考元:札幌市|土砂災害警戒区域等
地震リスクの高いエリア
写真⑤地震で被害にあう家と地割れ.jpg 70.46 KB札
幌市に大きな被害をもたらす可能性のある地震は5つあります。予想されている最大震度とともに紹介します。
・西札幌背斜に関連する断層(M6.7)
・月寒背斜に関連する断層(M7.2)
・野幌丘陵断層帯(M7.5)
・石狩低地東縁断層帯(M7.9)
・苫小牧沖(M7.5)
西札幌背斜に関連する断層と月寒背斜に関連する断層は札幌市にあり、震源となった場合には、エリア全体で震度5弱以上の揺れが観測される恐れがあります。震度7と予想されている地域もあるため、地震への備えが必要不可欠です。しかし、本州などに比べると活断層が少ないため、地震の頻度は比較的抑えられています。
地震に強い家を作るためには、地盤改良を行うほか、耐震性を高める家づくりをする必要があります。
参考元:札幌市|地震防災マップ>>参考コラム:耐震とは?快適な暮らしに必要な耐震の知識|メリット・デメリットも解説
液状化現象のリスクが高いエリア
液状化現象とは、地震が起きた後に地盤が緩み液体状になることです。これにより、比重の小さいマンホールは水の浮力で浮いたり、比重が大きい建物は地面に沈んだりします。特に木造住宅は液状化の影響を受けやすいため、注意が必要です。
液状化現象は、埋立地や河川のそばの地域、低地などで起こりやすい傾向にあります。そのため、清田区や手稲区などの山地では液状化現象の発生する可能性が低くなります。
液状化現象が起こりやすいエリア |
北区、東区、白石区、厚別区 |
液状化現象が起こりにくいエリア |
中央区、豊平区、清田区、南区、西区、手稲区 |
参考元:札幌市|地震防災マップ
札幌市で注文住宅を建てるのにおすすめのエリアはどこ?
札幌市の土地選び3つのポイント
写真①札幌の街並のモノクロ線画 .jpg 89.7 KB土地を選ぶ際は、災害のリスクとともに広さやコストなども重要なポイントです。札幌市で土地選びでは以下の3つをチェックしましょう。
地盤の強さ
地盤が強い土地は、土砂災害や地震の被害を受けにくいため家づくりに適しています。もしも、家を建てる土地が軟弱地盤だった場合は補強工事が必要ですが、予想以上に費用がかかるケースもあるため注意が必要です。気になる土地を見つけたら、まずはハザードマップで地盤の強さを確認してみると良いでしょう。
周辺環境
土地選びの際は周辺環境のチェックも大切です。例えば、隣に建物が建っている土地や、将来建物が建つ予定のある土地は、日当たりやプライバシーに影響します。また、周辺が傾斜になっている土地は、造成工事が必要になるため注意したいポイントです。さらに、スーパーや病院の有無、騒音、治安も重要。周辺の交通量や街灯の数、落書きなどがないかを実際に見ておくと安心です。子どもがいる家庭では、学校までの距離も確認しておきましょう。
法律上の規制
そもそも土地には法律上の規制があるため、どこでも家を建てられるわけではありません。例えば、以下のような規制があります。
● 用途地域
● 接道義務
● 建ぺい率・容積率
● 防火地域・準防火地域
● 高さや形の制限
用途地域は土地の使い道を定めたルールで、その土地で家を建てて良いかをチェックできます。接道義務は、土地に接する道路の幅に関するルール。建ぺい率・容積率は、土地に建てられる建物の広さのルールです。
また、防火対策が必要な土地は「防火地域」「準防火地域」とされ、使える建材に制限があります。このほか、土地によって建物の高さや屋根の角度に制限が設けられているところも。法律上の規制によって間取りや広さが制限される可能性があるため、土地選びの際に確認することが大事なのです。
札幌市で自然災害の被害に遭ったときの保証・支援は?
写真⑥災害発生後の証明書発行.jpg 66.03 KB札幌市で住宅を建てて自然災害の被害に遭った場合には、保証や支援を受けられるケースがあります。
被災者生活再建支援制度
自然災害で被害を受けたときに活用できるのが、国による「被災者生活再建支援制度」です。
自然災害によって住宅の全壊など大きな被害を受けた世帯に対し、支援金が支給されます。「基礎支援金」「加算支援金」の二種類があり、合計金額(最大300万円)が受け取れる仕組みです。・住宅の被害程度に応じて支給される支援金【基礎支援金】
(全壊等:100万円/大規模半壊:50万円)
・住宅の再建方法に応じて支給される支援金【加算支援金】
(建築・購入:200万円/補修:100万円/公営住宅を除く賃借:50万円)
「全壊等」には、半壊状態で建物の補修に著しく高額な費用がかかるケースや、半壊状態でやむを得ない理由により住宅を解体するケースも含まれます。なお、単身世帯の場合は支給額がそれぞれ3/4になります。
参考元:内閣府 防災情報のページ|公的支援制度について
【札幌市】宅地の補修工事に関する費用の貸付
札幌市では、災害によって住宅が被災宅地危険度判定の危険判定を受けた方を対象に、宅地の補修工事費用の一部(最大100万円)を支給する制度を設けています。詳しくは、都市局市街地整備部宅地課にてご確認ください。
参考元:札幌市|生活支援ガイド
【札幌市】住宅修繕に関する相談窓口の設置
札幌市では、住宅の修繕工事や修理業者に関する相談も受け付けています。地震による建物の修繕等について、各窓口で相談に適した企業を紹介します。相談窓口を利用したい方は、事前に市税事務所で罹災証明書を発行してもらい、被害状況の調査を受けることが必要です。対象地域と相談窓口は以下をご確認ください。
対象地域 |
相談窓口 |
中央区・北区・白石区・厚別区・豊平区・清田区・南区・西区 |
すまいとくらし・まち相談センター (中央区南19条西15丁目4-6-201) |
北区・東区・白石区・厚別区・豊平区・清田区・西区 |
住まいと暮らしの相談室 (東区北17条東8丁目1-5) |
北区・西区・手稲区 |
いい家づくりコム (手稲区新発寒5条2丁目11-14BSビル) |
このほか、
札幌市の各金融機関では、地震の被害を受けた方を対象に災害復旧に必要な生活資金や住宅補修資金などに関して、融資制度の取り扱いや相談窓口が設けられています。自然災害はいつどこで起こるか分かりませんが、万が一のときは国や自治体の支援を受けられる場合があります。保証や支援の制度は年度の切り替えなどで変わるため、こまめにチェックすると良いでしょう。
参考元:札幌市|生活支援ガイド
水害に強い注文住宅を建てるポイント
ここでは、水害から住まいを守るために抑えておきたいポイントを紹介します。
土地選びの際は、水害が起きにくい高台エリアを選びましょう。家の基礎という面では、地盤を高くすることが重要です。盛土をして地面から床までの高さを作ることで、浸水しにくくなります。その場合には、地盤沈下しないよう十分に固めましょう。そして、外壁の防水性を高めることでも浸水リスクを軽減できます。
>>参考コラム:注文住宅でできる水害対策は?ハザードマップの見方や高リスクな場所も紹介
札幌市の注文住宅で耐震性を高めるポイント
写真βポイントを伝えるビジネスウーマン-min.jpg 76.43 KB札幌市の注文住宅で耐震性を高めるためには、どのような方法があるのでしょうか?耐震性向上のための方法を確認しておきましょう。
耐震等級の高い家を建てる
建物の形をシンプルにする
耐震性の向上には、家の形をシンプルにすることも大切です。複雑な構造の場合、地震が起きたときにエネルギーが一点に集中し、建物に負荷がかかりやすくなる可能性があります。正方形や長方形など、シンプルな構造にすると地震のエネルギーを分散させやすく、揺れが伝わりにくい建物になるのです。例えば、一階と二階の床面積が同じ総二階の家は、複雑な構造の家よりも耐震性を向上させやすいといえます。
建物の高さを抑える
建物の高さを抑えて耐震性を上げるのも一つの手です。三階建ての家に比べると、平屋の方が揺れが伝わりにくい特徴があります。また、平屋は構造をシンプルにしやすいこともあり、二階建てや三階建ての建物に比べて建物倒壊のリスクを下げられるでしょう。
札幌市で水害や地震に強い家を建てるときの注意点
写真γ注意を呼びかける男性の手-min.jpg 49.92 KB札幌市で水害や地震に強い家を建てる場合は、以下のことに注意しましょう。
定期メンテナンスを怠ると水害リスクが高まる
水害対策として土地選びや仕様にこだわって家を建てても、メンテナンスを怠ると水害を予防できない恐れがあります。例えば、屋根や外壁にひび割れがあると、そこから浸水する可能性が。また、側溝や雨どいに落ち葉などが溜まっていると、大雨のときに水が溜まり、あふれてしまうリスクがあるのです。屋根や外壁は定期的に塗装することで雨や湿気からのダメージを防げます。側溝や雨どいは時々落ち葉やゴミが溜まっていないか確認し、定期的に掃除をしておきましょう。
予想以上に建築コストがかかる可能性がある
水害や地震に強い家は、予想以上に建築コストがかかる可能性があります。耐震等級を取得するために申請費用がかかるほか、性能の高い建材を使ったり構造を工夫したりする必要があるため、コストがかさむことがあるのです。建築会社によっては、耐震性の向上がオプション扱いになっている場合もあるため注意しましょう。
札幌市で自然災害に強い注文住宅を建てるならR+houseネットワークの工務店へ!
写真⑦静岡県_落ち着いたダウンライトのリビングと階段.jpg 397.99 KB札幌市の地形の特徴や、区ごとに水害などの災害リスクを紹介してきました。札幌市のハザードマップは市役所などで配布されていますので、土地選びの際には詳しくチェックしましょう。
また、札幌市で地震が起きた場合には、どの区も住宅への影響が大きいということが分かりました。R+houseネットワークの工務店では、最高等級である耐震等級3を標準仕様としており、家づくりから地震への備えが可能です。札幌市で自然災害に強い家づくりをしたい方は、お気軽にR+houseネットワークの工務店までご相談ください。
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