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親の土地に家を建てる際のポイントは?相続・税金についても詳しく解説

更新日 2026.06.22 / 公開日 2026.06.01
#注文住宅 #コスト #新築 #一戸建て #マイホーム

親の土地に家を建てる際は、土地代を大幅に抑えられるメリットがある反面、税金や相続トラブルといった、特有の注意点も存在します。今回は、後悔しないために知っておきたいメリットや注意点に加え、節税方法や将来の相続対策をQ&A形式で詳しく解説します。親の土地を賢く活用して、理想の住まいを実現したい方は必見です。

木目と黒の外壁の玄関と石積みの門柱

「メリット」と書かれた積み木
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まずは、親の土地を活用して家を建てる際の、主なメリットに関する質問にお答えします。
A.土地の購入費用を「建物」や「将来の備え」に活用できます。
土地代がかからない分、その予算を建物の性能や設備に充てることができます。断熱性や耐震性の向上、高機能なキッチンの導入など、予算内で住まいの満足度を大きく高められるでしょう。また、借入総額を抑えられることで、月々の返済負担が軽くなり、教育資金や老後資金の準備など、将来の生活設計にゆとりが生まれます。
A.借入額を少なく抑えられるため、審査に通りやすくなる傾向があります。
土地代を含めたフルローンに比べて、借入総額が少なくなるため、銀行などの金融機関も「無理なく返済できる」と判断されるためです。ただし、親の土地に別の借入などの「抵当権」が残っている場合は、審査に落ちる原因になります。事前に「登記事項証明書(全部事項証明書)」で権利関係を確認しておきましょう。

>>参考コラム:住宅ローンの審査から借入までを解説!通過の基準やローンの選び方も
A.親子ローンを活用し、借入額を増やすことで予算を集中させる方法があります。
親子ローンとは、親と子の収入を合算して審査を受ける住宅ローンのこと。「親子リレーローン」と「親子ペアローン」の2種類があります。親子リレーローンは、親子が連名で契約し、将来的に子が返済を引き継ぐ方法です。この方法なら、親が高齢でも長期間のローンを組みやすい特徴があります。一方、親子ペアローンは、親子がそれぞれ個別にローンを契約し、同時に返済を進める方法です。双方が安定した収入を持つ場合に適しています。どちらの方法も、子の単独年収では難しかった、ワンランク上の住宅性能や設備の導入を叶える一助となるでしょう。親子ローンの違いを以下にまとめました。

項目 親子リレーローン 親子ペアローン
ローンの本数 1本 2本
主債務者 親(子は連帯債務者) 親・子それぞれ
団体信用生命保険 一般的に子が加入 親・子それぞれ加入
住宅ローン控除 親・子それぞれ適用可能 親・子それぞれ適用可能


ただし、親子ローンを組むと、建物は共有名義になります。売却や増改築をする際は、名義人全員分の同意が必要なほか、将来の相続時に建物の一部が他の兄弟姉妹の遺産分割対象となる可能性もあります。トラブルを防ぐため、事前に遺言書の作成などの対策を検討しましょう。

>>参考コラム:【保存版】住宅ローン完全攻略ガイド!金利タイプやシミュレーションも
>>参考コラム:注文住宅の価格・費用相場は?土地あり・なしでどう変わる?内訳や予算別の住宅イメージも

住宅の模型を持つビジネスパーソンの男性
ALT_写真3-住宅の模型を持つビジネスパーソンの男性.jpg 60.09 KB
思わぬトラブルを防ぐために、着工前に確認・実施しておくべきポイントについて解説します。
A.売却や活用の自由度が制限され、名義変更の手続きも煩雑になります。
住宅ローン返済中は土地・建物に抵当権が設定されるため、完済まで名義変更は原則できません。また、親が土地所有者である以上、将来の売却や建て替えには常に親の承諾が求められます。親が将来、介護施設への入居資金として「土地を売りたい」と考える可能性も考慮し、あらかじめ「住み続ける権利」と「将来の処分方針」を家族間で明確にしておくことが大切です。
A.遺産分割の際、土地を巡って感情的な対立が生じる可能性があります。
親の財産が「土地」に偏っている場合、その土地に家を建てた子だけが「得をしている」と他の兄弟姉妹から見なされることがあります。「公平に分けるために家を売却し現金化してほしい」と要求されるケースも少なくありません。こうした対立を解消するには、事前の対策が必要です。親に遺言書を書いてもらうほか、家を建てる子を受取人とした生命保険を活用し、他の相続人に支払う「代償金」を準備しておきましょう。
A.子の返済が滞った場合、親が住んでいる土地や家まで失うリスクがあります。
住宅ローンを組む際は親の土地を担保に入れるのが一般的です。万が一、子が返済不能に陥り競売にかけられれば、親の生活基盤も失われます。また、親が連帯保証人を兼ねる場合は、土地だけでなく親個人の資産全体に返済義務が及ぶリスクも。家族全員がこのリスクを正しく認識し、無理のない返済計画を考えることが大前提となります。
A.原則は不可ですが「分家住宅」などの特例で建てられる可能性があります。
市街化調整区域は、農業や自然環境を守るため開発を制限しているエリアです。そのため親名義の土地であっても自由な建築はできません。しかし、その土地で長く暮らしてきた家族が新しく家を建てる「分家住宅」などの特例を満たせば、例外的に認められるケースがあります。また、既存の建物を同規模・同用途で建て替える際も、許可が下りる可能性は高いでしょう。ただし、具体的な判断基準は自治体ごとに異なります。まずは、自治体の窓口で相談し、建築が可能かどうかを専門家と一緒に確認するのが確実です。

R+houseネットワークの工務店では、地域の土地情報に詳しいプロが、その土地特有の注意点を踏まえた上で、家づくりのアドバイスを行っています。土地に関するご不安な点などがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

>>参考コラム:市街化調整区域とは?概要と土地選びのポイントを徹底解説

住宅模型
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親の土地を利用する方法は「無償で借りる」「有償で借りる」「譲り受ける」の3パターンに大別されます。それぞれの税負担は以下のとおりです。

土地の取得方法 子どもの主な税金 親の主な税金
無償で借りる 相続税 なし
有償で借りる 相続税、(贈与税) 所得税
無償で譲り受ける 贈与税、登録免許税、不動産取得税 なし
格安で譲り受ける 贈与税、登録免許税、不動産取得税 譲渡所得税
二世帯住宅を建てる 相続税 なし


ここからは、上記の税金に関するよくある質問についてお答えします。

参考元:国税庁|No.4552 親の土地に子供が家を建てたとき
A.借りた時点の贈与税は不要ですが、相続時の節税効果は期待できません。
地代を支払わずに借りる「使用貸借」は、借主に資産価値が生じないため、借りた時点の贈与税は発生しません。しかし、相続時にはその土地を「自用地」として100%の評価額で計算します。他人に貸している土地のような評価減が受けられないため、相続税負担が大きくなる場合があります。
A.更地価格の6%を支払えば、将来の相続税評価額を下げられる場合があります。
権利金や相場の地代を支払うと、子に「借地権」が発生し、相続時には土地の評価額から借地権分を差し引けます。ただし、権利金や地代が相場より低額の場合は「使用貸借」とみなされ、評価減は受けられません。また、親には「不動産所得」として所得税が課せられるため、家族全体での納税額を検討する必要があります。
A.評価額2,000万円で約585万円の贈与税がかかります。相続時に比べ、諸費用も高額になる点に注意が必要です。
無償で土地を譲り受けると、贈与税の対象となり、評価額から基礎控除額の110万円を差し引いた金額に課税されます。2,000万円の土地を例にすると、税額は以下のように算出されます。

・課税対象額:2,000万円-110万円=1,890万円
・税額:1,890万円×45%(税率)-265万円(控除額)=585.5万円
※親から子への贈与(特例税率)を適用

また、贈与税以外にも、以下のコストが発生します。

税目 課税標準 税率
不動産取得税 土地:評価額の1/2
家屋:評価額
3%
(2027年3月31日までの特例措置)
登録免許税 固定資産評価額 生前贈与:2%
遺贈:相続人の場合は0.4%、相続人以外は2% 
相続:0.4%


2,000万円の土地では、税金以外の諸費用も含め、70万円以上かかることも。一方で、相続で取得した場合、不動産取得税は非課税となり、登録免許税は0.4%に抑えられます。土地は親名義のまま借りる「使用貸借」という選択肢も含め、トータルのコストで判断するのがおすすめです。

参考元:国土交通省|土地の取得に係る税制の概要(参考)
参考元:国税庁|No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
参考元:国税庁|No.7191 登録免許税の税額表
参考元:国税庁|相続による土地の所有権の移転登記に対する登録免許税の免税措置について
A.本当です。「小規模宅地等の特例」の活用で、土地の評価額を最大80%減額できます。
一定の要件を満たすことで、自宅敷地のうち330㎡までの相続税評価額を80%カットできます。例えば、敷地面積が330㎡以内で、評価額5,000万円の土地であれば、課税対象額を以下のように1,000万円まで引き下げることが可能です。

・減額金額:5,000万円×80%=4,000万円
・課税対象金額:5,000万円-4,000万円=1,000万円

この特例は非常に有利ですが、二世帯住宅の登記方法には注意を払う必要があります。主な登記方法と特徴は以下の通りです。

登記方法 特徴
単独登記 1戸の住宅とみなし、親か子のどちらか1人の名義にする方法。
売却や建て替えがスムーズ。
共有登記 1戸の住宅とみなし、親子で共同名義にする方法。
出資比率に応じた持分を設定できる。
区分登記 1棟を2戸の別々の家として扱う方法。
親子それぞれがローン控除を受けられる。


上記のうち「区分登記」を選択すると、同居とみなされず、「小規模宅地等の特例」の適用外になるリスクがあります。目先の住宅ローン控除だけでなく、将来の相続税まで含めたトータルコストで登記方法を選ぶことが重要です。

参考元:国税庁|No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

>>参考コラム:注文住宅で理想の二世帯住宅を建てる!建築ポイントや間取りの工夫を紹介

困り顔の男女のイラスト
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ここからは、親の土地に家を建てる際に、建築計画と同じくらい重要な「相続対策」のポイントを解説します。
A.登記事項証明書で「土地の名義人」を確認し、実態と合わせることです。
親の土地に家を建てる前に、登記事項証明書を取得して、登記上の名義人を必ず確認してください。もし、名義が亡くなった祖父母のままだったり、共有名義になっていたりすると、家を建てる際のローン契約や将来の相続時に、深刻なトラブルを招く恐れがあります。
特に近年は、登記のルールが厳格化されています。2024年4月からは、相続により不動産を取得したことを知ってから3年以内に「相続登記」を行うことが法律で義務化されました。正当な理由なく放置すると10万円以下の過料を科される可能性があり、この義務化は過去に発生した相続にも適用されます。
2026年4月1日から、所有者の住所や氏名に変更があった場合の登記も義務化されました。2年以内に行わないと、5万円以下の過料の対象となる可能性があります。

参考元:東京法務局|相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)~なくそう所有者不明土地!~
参考元:政府広報オンライン|不動産の相続登記義務化!過去の相続分は?所有不動産を一覧的にリスト化する新制度も開始!
A.形式不備で無効になるリスクを防ぎ、家庭裁判所での「検認」が不要になるからです。
公正証書は、法律の専門家である「公証人」が作成するため信頼性が高く、将来、他の相続人から「無効だ」と主張されるリスクを最小限に抑えられます。また、公証役場で原本が厳重に保管されるため、遺言書の紛失や、誰かに書き替えられたり隠されたりする心配もありません。作成時に費用はかかりますが、相続発生後に家庭裁判所へ提出して内容を確認してもらう「検認」の手続きが不要になるため、残された家族の負担を大きく減らせます。なお、自分で書く「自筆証書遺言」の場合も、法務局の「遺言書保管制度」を利用すれば、紛失を防ぎつつ、同じように「検認」を省略できます。
A.ローンの担保範囲を限定し、将来の権利関係をクリアにするメリットがあります。
登記簿上で一つの土地を切り分ける分筆を行わずに家を建てると、土地全体が住宅ローンの担保に含まれてしまいます。この状態で返済が滞ると、自分が建てた家だけでなく、親が住む実家の敷地まで差し押さえられる可能性が生じます。一方、分筆をして土地を独立させれば、担保の範囲を自分の家が建つ部分だけに限定でき、実家への影響を遮断できます。測量や登記には、50万円~150万円ほどの費用と時間がかかりますが、将来の売却や相続のしやすさを考えれば、有効な投資と言えます。
A.親の認知症による資産凍結を防ぎ、柔軟な管理・運用が可能になることです。
親が判断能力を失うと、たとえ家族でも土地の売却や建て替えの契約ができなくなります。家族信託で「受託者」を子にしておけば、親の体調に関わらず、子が代理で土地の管理、売却、建て替えの手続きを進められます。専門家による設計や契約書の作成には一定の費用がかかりますが、建築や売却ができなくなるリスクを回避するための有効な備えとなるでしょう。

質問
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最後に、親の土地で家づくりを行う際によくある質問についてお答えします。
A.はい、本人の意思確認ができない限り、法的な契約は原則としてできなくなります。
前述の『家族信託』の項目でも触れましたが、親が認知症になり判断能力を失うと、土地の名義人としての契約ができなくなります。併せて、土地の売却や建築請負契約、さらには土地を担保にした住宅ローンの融資も原則として受けられません。こうした状態を解消する手段に「成年後見制度」がありますが、利用には注意が必要です。あくまで「本人の財産を守る」ためのものであり、自宅の売却には家庭裁判所の許可が必須となります。また、本人の財産を減らす行為は原則として認められません。
申し立てから選任まで時間がかかるほか、一度制度を利用すると親が亡くなるまで継続します。将来の建築や売却を少しでも考えているなら、親の判断能力が確かなうちに「家族信託」などの対策を検討しておくことが、リスクを避けるためにおすすめです。
A.「使用貸借」は法的保護が弱いため、関係性の変化に備える必要があります。
義父母の土地に家を建てる際、一般的には無償で土地を借りる「使用貸借」となります。しかし、この形態は借主の権利保護が極めて弱いため、将来的なリスクへの備えが欠かせません。
例えば、義父母との関係悪化や離婚に至った場合、土地の利用権を失って建物からの立ち退きを迫られる恐れがあります。その結果、家を追い出されたにも関わらず、高額な住宅ローンだけを払い続けるといった事態になりかねません。また、親が亡くなった後の相続において、他の親族との間で土地の権利を巡るトラブルに発展するケースも。こうしたリスクを最小限に抑えるために、あえて地代を支払う「賃貸借契約」を結ぶなど、借地権としての法的保護を受けておくと安心です。
A.所有者が払うのが原則ですが、家族間での分担を明確にするのがスムーズです。
固定資産税は、原則として「土地」と「建物」それぞれの所有者に課税されます。親の土地に子が家を建てるケースでは、土地分は親が、建物分は子が支払うのが一般的です。土地や建物を共有名義にしている場合は、共有者全員が連帯して全額を納める義務を負います。納税通知書は代表者一名にのみ届き、それぞれの持分に応じて個別に課税額が分割されることはありません。そのため、あらかじめ家族間で支払い分担を決めておくことが重要です。

>>参考コラム:固定資産税を平屋と2階建てで比較!税額を抑えるコツや住宅選びのポイントも
A.建築時は「非課税措置」、相続時は「小規模宅地等の特例」の併用が有効です。
親の土地に家を建てる際、資金援助や相続を見据えて活用できる制度がいくつかあります。以下は代表的な制度です。

・住宅取得等資金の贈与税の非課税措置
・相続時精算課税制度
・小規模宅地等の特例


「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」は、親や祖父母から住宅資金の贈与を受けた場合、一定の要件を満たせば最大1,000万円まで課税されません。あわせて、前述の「相続時精算課税制度」や「小規模宅地等の特例」も、非常に大きな節税効果を期待できる制度です。
ただし、これらの制度には、所得制限や建物の床面積、居住実態などの適用要件が細かく定められています。制度の併用が可能かどうかも含め、早めに税理士などの専門家へ相談しましょう。

参考元:国土交通省|住宅取得等資金の贈与税の非課税措置
参考元:国税庁|No.4103 相続時精算課税の選択
参考元:国税庁|No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

ソファ越しにキッチンを望む明るいLDK
ALT_写真7-ソファ越しにキッチンを望む明るいLDK.jpg 179.09 KB
今回は、親の土地に家を建てる場合のメリットや注意点、かかる税金、そしてよくある疑問について解説しました。土地代を抑えてこだわりの住まいを実現できる点は大きな魅力です。しかし、親族間の合意形成や将来の相続対策など、専門的な視点も欠かせません。
R+houseネットワークの工務店では、経験豊富な建築家が、お互いに程よい距離感を保ちながら心地よく過ごせる二世帯住宅をご提案しています。また、資金計画や税制の活用、土地の権利関係といった家づくりの不安を解消するための「個別相談会」も随時実施しています。
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